ぱらり、ぱらり。
乾いたページを捲る音が聞こえる。
心地良い音だ。
誰もいない暑い教室に、開け放した窓から強い風が吹き込む。
君は少しだけ眉を寄せて髪を押さえた。
困ったような顔が絵になる。
僕は、唇を真っ直ぐに結んだ。
声…かけなきゃ。
そうおもって拳を握るけど教室に入っていく勇気がない。
だって…。
「…どっちが好き?」
君とは違う声がする。
どうしよう…。
君は教室の中であいつとふたりきり。
勉強の手を止めて、あいつを見つめる君の目は丸い。
僕に見せる顔とは違う。
「…アイツのこと、好きなんだろ」
「――っ…宮原…」
僕は心臓が口から飛び出しそうになるのを押さえた。
ガタンと大きな音が聞こえて、不意に教室の中が静かになる。
廊下に突っ立ったままの僕は、おそるおそる教室の中をのぞいてみた。
そこには、2人の姿は見られない。
目を凝らすと、どうやら床にもつれあって倒れているようだった。
どうしよう、どうしよう…。
僕は口に手を当ててその様子を見守る。
――このままじゃ、芦川が宮原に取られちゃう。
そうおもった。
芦川の表情は伺えないけど、抵抗しているように見えた。
同い年の体を組み敷くように、宮原が芦川に圧し掛かる。
僕はグッと息を飲んだ。
――秀才カップルか…お似合いかもしれない。
ふと、投げやりな考えになった僕はその場から去ろうとした。
静かに廊下を歩くと、芦川の声が聞こえる。
「や、あっ…ワタル…ワタルっ…」
「三谷はもう帰ってるよ」
冷え切ったような宮原の声と、上擦った芦川の声。
芦川が僕に助けを求めているのだと分かった。
けど、足が動かない。
助けに行けない。
僕は垂れてくる額の汗を拭いながらどうするべきか考えていた。
この壁の向こうで芦川が僕を呼んでるのに…。
「…はぁっ…ん、んんっ…ワタル…わた…」
芦川の声がどんどん艶めいた声に変わってく。
何をしているのか、すぐに分かった。
どうしよう。
どうしよう。
僕はその場にうずくまった。
正確には、おなかの下がぴりぴりして止まらなくなったせいだ。
いたい、いたい…おなかがいたいよ。
「むぐ…んんんっ…」
「……できるだろう?頭のいい芦川なら」
教室の中からは、ひっきりなしに濡れたような吐息が聞こえる。
僕は逃げることも助けることもできない。
そっと、教室の扉とは別に足元のすねあたりまで高さのある戸が目につく。
そこからなら、何をしているから見えるかも。
僕はゆっくりと四つんばいになって、その戸を引いた。
カララ。
少し音が立ってしまうけど、出来るだけ音が立たないようにそうっと開けてみる。
そこで僕が目にしたものは、宮原の…。
「はぁっ、はあ…もう、許し…」
最初、それが僕には何をしているのか分からなかった。
目を凝らしてよく見ると、教室の床に寝転がった宮原の体の上に芦川が圧し掛かっている。
…たぶん、無理やり上に乗っけられたんだ。
芦川のズボンは脱がされてて、大きく開かれた脚の付け根から綺麗な割れ目がよく見えた。
ピンク色で、皺のない芦川の…。
「ちゃんと舐めろよ…ここに入るんだぞ?」
「ひっ…」
宮原の指が芦川のそこを撫でる。
それだけで、芦川はひきつれたような悲鳴を上げてしゃくりあげてしまった。
どうしよう…どうしよう。芦川は嫌がってるのに、助けてあげられないなんて。
僕は、僕は…。
「いたあっ!」
がたん。
僕はあんまりにもその光景に見入っていたせいか、教室の壁に頭をぶつけた。
しばらく目を開けることができない。
僕は身を引いて廊下に出ると頭をさすってから再度2人の様子を覗こうとした。
すると…。
「三谷、どうした?」
「ひっ!?」
いつの間にか、宮原が教室の扉から僕を見てにっこり笑っている。
それから悪戯っ子のように笑ってから、ちょいちょいと手招いて教室の中を指すんだ。
僕は急に恐怖を感じた。
僕の知ってる宮原じゃない…。
「来いよ、良いモン見せてやるから」
「い、良いもん…?」
僕は逃げ腰で一歩後ずさった。
その手を宮原が掴む。
ひどく冷たい手だった。
そのまま、半場引きずられるように教室へ入った僕は、風でカーテンがたなびいているのを見た。
そして、床に座り込んだままで半裸状態の芦川を目にする。
芦川は僕の顔を見るときついつり目でギロリと睨んだ。
どうして来たんだ、とでも言いたげだ。
僕は何も言い返せなくてしゅんと縮こまってしまった。
「…芦川、三谷にもしてやれよ…さっきオレにしたコト」
「…っ…そんな…」
芦川の声が震えている。
どうして芦川は宮原に弱いんだろう。
僕に対してはあんなに強気なのに。
少しだけ考える僕の後ろで宮原が動いた。
そっと、僕のズボンを下ろしておちんちんを露出させる。
「わっ、わぁ!…や、やめ…何すンだよっ…!?」
僕が抗議の声を上げようとすると、のんびりとした宮原の声に遮られた。
いつもの声なのに、ひどく冷酷に聞こえる。
宮原は僕のおちんちんを手に掴むと、へたりこんでいる芦川に見せて笑った。
「舐めろよ。さっき教えたろ?」
宮原の言葉に、芦川が強く眉を寄せる。
だめだよ芦川…言う事聞いちゃ。
そう言いたい僕の口は小さなうめき声を漏らすだけ。
芦川はそんな僕を見て悲しげに唇をまっすぐに結ぶと、おもむろに僕の足元に近付いた。
「…ミタニ…」
ぽつりと、芦川が僕を呼ぶ。
その声には縋るような、助けを求めるような声が含まれている。
叶うなら助けてやりたいのに、僕は弱くて君を助けることができない。
この場から逃げ出すこともできない。
「早くやらないと写真撮るよ?」
宮原は悪い"霊"でも乗り移ったみたいな笑顔を浮かべて首をかしげた。
その気迫に押されて、芦川が僕のものをそっと包み込む。
小さくて細い指に包まれて、変な気分だ。
芦川はすっかり濡れている唇を僕のおちんちんに当てた。
どうせなら…僕のくちびるにしてくれればよかったのに。
そうすれば、芦川とキスができるのに…。
僕はきつく眉を寄せてかぶりを振った。
「んーんー…芦川、僕が何とかするから…さ…早く逃げたほうが…」
「うるさいな、この覗き魔」
芦川は僕のものにキスをしたままキツイ口調で言った。
確かに僕は覗き魔だ。
芦川にしてみれば最悪だろう。
見られたくもない格好を見られてしまったんだから。
「んっ…ふ、あ…」
芦川の小さな口が開いてく。
僕のおちんちんをゆっくりと飲み込んで、アイスクリームを舐めるみたいに舌でぺろりぺろりと舐めるんだ。
そのたびに先っちょがぴりぴりしちゃう。
僕はゆっくりと芦川の髪に両手を伸ばした。
髪を梳くように弄ると、芦川の口の動きも少しだけ変わってく。
「んんっ…あふ、ぷは…男にこんな事されて…感じるなんてヘンタイだな…」
芦川の口調はあくまでも小馬鹿にしたような声だ。
何だか、芦川らしい。
僕は言葉でいじめられているにも関わらず、ちょっとだけ嬉しくなった。
宮原には従順な芦川が僕にだけ反抗的な態度を示すのが、ちょっぴり可愛いから。
「…ヘンタイなのは芦川のほうだろ?」
「ひっ…!!」
いつの間にか、僕の背中にいたはずの宮原が芦川の後ろに立っていた。
芦川の黒いシャツを捲り上げて胸を擦りながらそんな意地悪を言う。
ちらりと視線をずらすと、芦川のおちんちんは上を向いてぴくぴくと震えていた。
すごく触りたい…可愛いな。
そうおもっていると、上目がちの芦川と目が合う。
芦川の目は、僕を睨んでいる。
怒りと恥じらいがたっぷり詰まった黒い瞳。
口の中で僕のものをくわえながら、芦川はゆっくりと頭を上下させた。
「く…むぅ…はぁ、あ…宮原…やめ…だめ…っ…」
芦川の胸は服で隠れて見えないけど、宮原に触られているのだけは見える。
宮原の指が動くたびに芦川が苦しそうにかぶりを振った。
どうして宮原に逆らわないんだろう。
友達だから?
だからと言ってこんな事されたら…。
「んんっ…はあっ、ああっ…や、ぁあっ…」
ふと、芦川が僕のおちんちんから口を離して大きく肩を揺らした。
女の子みたいだ…甘い声で、いやらしくて…僕も何かしてやりたくなる。
僕はそっと上履きを脱ぐと、靴下のままの脚で芦川のおちんちんに触れた。
ふっくらしてて少し堅くなったおちんちんを脚の指に挟むと、鋭い目で睨まれる。
「…っ、頼んでもないのに何してるんだよ…離せ…変態!」
「良いじゃないか、三谷にしてもらえよ。なあ三谷?コイツやらしいだろ。お前の事考えて堅くしてるんだぜ、ココ」
宮原の言葉に、芦川がびくんと震え上がる。
僕に対してこんなに敵意を剥き出しにしているのに僕のことがスキだなんて考えられない。
むしろ芦川は、宮原のことがスキなんじゃないのか?
――ずきん。
胸がいたい。
「芦川、三谷にこうされたかったんだろ?」
宮原の指がくにくにと芦川のおっぱいをこねていく。
そのたびに両足を擦り合わせて鳴く芦川の声は、押し殺したような吐息混じりの声だった。
芦川は震える手で僕のおちんちんを口にくわえてかぶりを振る。
その瞳には涙が浮かんでいた。
やっぱり、芦川は僕の事なんか嫌いなんだよ…。
だからそんな顔するんだ。
「くふ…んんっ…はぁっ…あ…」
芦川はたどたどしい舌使いで僕のおちんちんを舐めていく。
その動作は優しくて、少しだけぎこちない。
だけど一生懸命頑張っている様子だった。
時折僕をちらりと見上げている。
僕は目を逸らして、芦川の足元を見つめていた。
「んんっ…ふあ、う…」
「い、つっ…芦川、痛い…」
急に強く吸われてしまって芦川を見やると、芦川は目に涙を溜めたままじっと僕を見ていた。
何を言いたいのかは分からない。
くちゅり、と芦川の口の中が音を立てる。
芦川の背中にぴったりとくっついた宮原が笑った。
いつの間にか芦川のズボンに手を入れている。
芦川が泣いていたのはこのせいか。
「芦川は状況判断が上手いな。最初は硬かったのに、だんだんとろとろになってきた…。もう、指が2本入るよ」
「んっ…あああぁっ…」
芦川のズボンの中が小さく動く。
何をされているのか、僕には分からなかった。
そんな僕を見て宮原が笑う。
「ああ、三谷はそこに立ってるだけでいいよ。オレが全部やるから」
そう言った宮原が、不意に芦川のズボンを下ろす。
芦川の白い脚が見えて、僕はドキッとした。
僕のおちんちんをくわえたままだった芦川が急に顔を上げて何度もかぶりを振る。
その顔は恥じらいと困惑だった。
「や、嫌だ…そんなの嫌だ…」
「オレに入れられるのは嫌?」
宮原の質問に、従順だった芦川の様子が変わる。
肯定もせず、否定もせず唇を噛み締めて僕のものを握っていた。
そんな芦川を見てから、宮原が顔を上げる。
「芦川さ、三谷のソレが欲しいみたいだ。さっきから掴んだまま離さないし…そうだ、いっそ入れちゃえば?」
宮原は人の良い笑みを貼り付けたままゆっくりと芦川の体を抱き寄せると、ゆっくりその場に座り込んだ。
自分の膝の上に芦川を乗せて、そっと脚を開かせる。
芦川の白い頬が桃色に染まった。
きっとおちんちんを入れるのであろう場所を指で揉みながら、僕に見せるようにそこを開く。
薄桃色で、皺もない芦川のおしりの穴がぴくんと震えた。
へえ、おしりの穴ってこんなふうに動くんだ…。
僕があんまりにもじっと見つめていたせいか、芦川は涙目で僕を見た。
「見るなっ…ミタニ…うっ…」
「見て、だろ?」
宮原はドキッとするような低い声で言うと、芦川のおしりの穴に指を差し入れてゆっくりと指を動かしていく。
僕は息を飲んだ。そんなところに指入れちゃうの…?
入れてもいいの…?
「はぁっ…ん、ぁあっ…やあっ…宮原ぁっ…!」
芦川は懇願するようにかぶりを振ると、すぐに息を飲んですすり泣いた。
おしりの穴に、宮原の指が吸い込まれていくたび、僕はドキドキする。
あんなに入ってる…。
第一関節まで入った指はくるくると体内で動かされていて、そのたびに芦川は苦しそうな声を上げていた。
アソコに釘付けになってしまった僕を見て、宮原が笑う。
「三谷、入れないのか?…きっとたくさん気持ちよくしてくれるとおもうけど」
宮原が、僕を誘う。
いいのかな、いいのかな…僕。
僕はごくりと息を飲んで、ゆっくりと芦川の両足に手をかけていく。
芦川の入口におちんちんを当てると、宮原の手がゆっくりと引き抜かれた。
同時に僕のものを静かに芦川のそこに押し当ててみると宮原が手伝ってくれた。
ぎこちなく挿入を終えると、芦川はひどく苦しそうにぜぇぜぇと喘ぎながら頬を赤く染めている。
僕はきつく眉を寄せた。
「ちぎれちゃう…うぅ…ちぎれちゃうよぉ…芦川…」
ぎゅうぎゅうに締め付けられた僕のおちんちんは芦川の中で押し込められていた。
パンクしそうになりながら我武者羅に腰を動かすと、すぐ傍で可愛く跳ね上がるような喘ぎ声が聞こえる。
芦川の顔を観察すると、奴は宮原にもたれかかりながら僕のものを受け入れている。
その黒目がちの瞳が僕に向けられているってことに気付いたのは少し経ってから。
芦川は唇からだらしなくよだれをたらしながら僕に手を伸ばした。
「わ、た…るぅ…はぁっ、ああっ…」
芦川は、僕を「ミタニ」ではなく「ワタル」と呼んだ。
それが何だか嬉しくて、僕は芦川を抱き寄せる。
「ふ、ぁ…何?ミツル…」
僕も名前で呼んでみると、中の締め付けが一層強くなった。
このままちぎられちゃうんじゃないかっておもうと、怖いけど…。
でも芦川はもっと辛いんだろうなっておもったから、がまんした。
「ああァっ…中…こすれ、て…んんっ…」
芦川の腕が縋るように僕を抱きしめる。
耳元で聞こえる芦川の声は、普段の感情のない声じゃなくて…甲高い切羽詰った声だった。
だめだ、めちゃくちゃにしたくなってくる。
そんな声聞かされたら…。
「ミツル…きもちいい?ふぁっ、つ…僕、なんだか…熱い…」
僕は額から垂れる汗を拭いながら腰を使った。
体内の刺激以外にも芦川は宮原から愛撫を受けているらしく、ビクビクと震えながら身を捩っている。
宮原は、片手で芦川の乳首を擦りながら、もう一方の手でおちんちんを擦っていた。
両方から攻められて苦しいのか、芦川は女の子みたいな声で喘ぎながら僕にしがみつく。
いつの間にか僕の腰に絡み付いていた芦川の脚がビクビクと震えた。
「やぁあっ…あっ、ああっ…ワタルっ…んん、ひっ…いっ…きもち、い…」
宮原の愛撫を嫌がるようにかぶりを振った芦川は、僕の事を強く抱きしめて甘い声を上げた。
こんな芦川見せられたら、僕はどうにかなってしまいそうだ。
僕の限界を察したのか、芦川はおずおずと僕に顔を寄せて小さな唇でキスをくれた。
「んんっ…ふあ、あぁ、ひ…」
揺さぶられながら、必死に僕を求める芦川が可愛らしい。
そうおもうたびに背筋にゾクゾクと痺れたものが走ってく。
僕は無理やり腰を使いながら、だんだんと競りあがってくる何かに感づいていた。
――出しちゃダメ…。
強く、そうおもうけど芦川のそこはまるで僕のものが欲しいとでも言うようにひくんひくんと収縮を始める。
そんなにされたら可笑しくなる、可笑しくなっちゃうよ…。
「…っう、ミツル…僕っ、もう…!!」
僕は芦川の背に爪を立てて、熱い体内へもっともっと熱いものを注ぎ込んだ。
ゴプゴプといやらしい音が聞こえる。
まだ、止まらない。
出ちゃった…いっぱい、白いの出ちゃったよぉ…。
「は、ああァっ…あ、あ…」
「ほら、芦川もイけよ」
宮原の声が遠くで聞こえた。
同時に、芦川のひきつれたような喘ぎ声。
でも僕には聞こえなかったんだ。
初めての快感にウットリしちゃって、何もかもどうでもよくなっちゃった。
気がついたとき、僕はいつの間にか衣服を着て芦川と一緒に三橋神社のベンチの上に座っていた。
宮原は…いない。
ああ、学校からここまで歩いてきたんだっけ…。
芦川はずっと下を向いたまま、目を伏せて僕の袖を握っていた。
「…ミツル…?」
「僕…」
芦川は不意に立ち止まると、涙の溜まった目を僕に向けた。
ずきん。
さっき、僕がしていたことをおもいだすと少しだけ罪悪感が沸く。
芦川は僕の袖を軽く引っ張ると、肩に顔を埋めて小さくしゃくりあげた。
「…おまえなんか…嫌いだ…っ、この覗き魔…」
ふんわりとしたシャンプーの匂いが僕の鼻をくすぐる。
僕は小さい声で「ごめん」とだけ呟く。
それ以上に、何も…言葉がおもい浮かばない。
そっと芦川の背に手をやると、芦川も応えるように僕の背中に腕を回す。
芦川はしゃくりあげながらもゆっくりと口を開いた。
「…ワタルのばか…おまえが来たせいで…ひっく…僕、おまえにあんなことまで…」
そう言った芦川は、顔を上げて僕をじっと見つめた。
小さくて柔らかな手が僕の頬を撫でる。
僕は、反射的に芦川の体を強く抱きしめた。
「…ワタル…僕は、君が…」
芦川の口が小さく動く。
『す』
『き』
そう動いた唇を見た瞬間、僕は芦川の唇にキスをしていた。
食べるように、噛むように唇を動かして熱くて乱暴なキスをしてやる。
甘くてきもちいい。
僕も、好きだよ。
僕もミツルが好きだよ。
だんだん苦しくなってきて口付けを解くと、芦川は大きく息をつきながら少しだけ笑った。
「…心配させて、ごめん」
「ううん…」
僕の体をきつく抱きしめたままの芦川は、笑ったまま「もっとキスしろ」と言う。
さっきまで泣いていた奴の台詞とはおもえない。
ナマイキな奴だなぁ。
僕は笑いながら、芦川の唇にキスをした。
味が分からなくなるまでキスをしよう?
宮原に触られちゃったぶん、僕が取り返さないとね。
そんなふうに笑いながら、僕らは少しだけ涼しい風の吹く神社でお互いの唇を味わった。
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やってしまったミヤミツ…!(笑)優等生CPが好きなのです。