「大、ちょっと協力してもらいたい事があるんだが…」

そういわれたのが、事の発端だった。
俺は本部の中でやるべきこともサボってアグモンとじゃれていたのだが、そんな時に自動扉の音が聞こえる。
ゆっくりとした足取りで部屋にやってきたのは俺たちDATSの隊長、薩摩だ。
すぐさま反応したのはずっと黙ってデスクに向かっていたトーマだった。
トーマは俺とアグモンの首根っこを掴んで隊長へと突き出す。

「うわっ…」

「隊長!さっきから彼らがうるさくてうるさくて、満足に計算もできない始末です!何とかしてください!!」

溜まりに溜まっていたのか、トーマの気迫は相当のものだった。
おもわず、隊長の肩の上でのんびりと毛づくろいをしていたクダモンがびくんと耳を立てる。
隊長はひとつ咳払いをすると、トーマの言いように押されながら口を開いた。

「まあまあ落ち着きなさい、トーマ。そのことも含めて大に話がある、借りてもいいか?」

「……了解しました、ご自由にどうぞ」

トーマはしばらく黙っていたがすぐに俺を解放した。
そうしてすぐにデスクに戻ってしまう。
俺は、背を向けたままのトーマに軽く舌を出した。

「んだよ、チクりやがって」

「君がうるさいのが悪い」

トーマはあっさりと斬り捨てて言うと俺をちらりと見てからすぐ顔を背けた。
か わ い く ね え 。
おもわず殴りかかろうとしてしまうが、そのまえに隊長が声をかけてきた。
俺が振り返ると、隊長はしばらく俺の体と顔を順に見てから咳払いをする。

「大、来なさい。アグモンはそこで待っているように」

「えーっ、俺だけのけ者かよっ!」

隊長の言葉に、アグモンは不服そうに地団駄を踏んだが、俺が隊長の真似をして咳払いをするとしぶしぶと言ったように目を細める。
俺は腰に手を当てて、もう片方の手でアグモンの頭を撫でた。

「しょーがねえだろ、俺はアグモンの兄貴なんだからよ。すぐ戻ってくっからいい子にして待ってんだぞ?」

「…はぁい、ちょっと悔しいけど…分かったよ」

俺が頭を撫でてやると多少機嫌をよくしたのか、アグモンが頷いた。
そんな俺たちの様子を見て少し口元を綻ばせた隊長は、すぐに俺を手招いた。
俺はアグモンから離れるとゆっくり隊長の後についていく。
廊下に出ると、俺を待っている隊長の姿があった。
僅かに後ずさると、隊長は少しだけ笑って先に歩き出す。

「あ、待って下さいよ!」

慌てて追いかけると、隊長は廊下の突き当りを曲がって医務室へと入っていった。
ここは、簡単な医療器具とか薬なんかが置いてある部屋だ。
はじめてみたとき、何で扉がこんなに分厚いんだろうと不審におもったが、特に気にはならなかった。
室内に入ると、扉を見たときと同じような不審な気持ちに包まれる。
やけに壁が狭いような気がして、むしろこれは医務室と言うよりも牢屋に閉じ込められるような…そんな感覚。
俺は少しだけ眉を寄せて、背を向けたままの隊長を見上げた。
その視線に気付いたかのように隊長が振り返る。

「大、突然呼び出してしまってすまないな」

「いえ。それで…どうしたんですか?」

俺は体の後ろに回した手で指弄りをしながら顔を上げる。
隊長は暗いサングラスの奥にある瞳を僅かに陰らせた。
どうしてももったいぶられているような気がして、俺は少しばかり顔を背ける。

「何でもいいから早くしてくれよー、アグモンも待たせてるし」

「そうだったな、すまん…では単刀直入に」

俺が砕けた口調で言うと、隊長はすぐに笑って頷いた。
そのまま俺を手招いて、机の上に置いてある紙コップを指す。
見覚えのある紙コップだった。

「君は先日の尿検査…きちんと尿を出したか?」

「うっ」

隊長の鋭い問いに俺はあからさまな返事を返してしまう。
そういえば先週から俺たちDATSのメンバーの中で尿検査があった。
なんでも、感染症とか体に異常はないかとか、そういうことを調べるらしい。
俺たちは特に、デジモンと接してるからそれなりに危険性があるんだろう。
…で、問題はそこじゃなくて俺はちゃんと尿を出したのかってこと。
俺は引きつり笑いを浮かべながら後ずさって見せた。

「あ、あはははは…そういやあったっけ…ありましたよね、だははは」

「ふう…」

隊長の肩で毛づくろいをしていた襟巻き…もといクダモンが大袈裟なため息をついて俺を睨む。
言葉にこそしなかったが、明らかに呆れていた。
隊長は、そんなクダモンをなだめるように小さな頭を指先で撫でてから俺に顔を向ける。

「君には特に尿を出してもらわんと困るんだよ」

隊長はそう言った。
不思議におもった俺を察したのか、クダモンが隊長の代わりに口を開く。
何でも、俺とアグモンが以前コカトリモンと戦って、アグモンをジオグレイモンに進化させたとき、隊長はえらく俺をDATSにほしがったらしい。
後で調べたらしいが、隊長いわく何やら俺の身体は特異なのだという。
普通の人間がデジモンと素手で戦ったりデジモンを進化させたりすることはとても不思議な事なのだと言った。
そこで隊長がたどり着いた結論は、俺の体に何か他の人間とは違う特別なものがあるんじゃないだろうかってこと。
それを調べるには体液を取って観察するのが一番なのだと言うが、俺は尿を持ってこなかった。
隊長は今回の検査で俺の体液を調べるつもりだったらしい。
そこまで聞いて、俺は頭をかいた。

「体液体液って言うけどよ、髪の毛とか爪の先とかそういうのでもいいんじゃねーか?」

おもわず素で問うと、隊長は大して気にも留めずに頷いた。
顎に手を当てて、神妙そうな顔をしている。

「うむ、他にも…唾液や血などでも構わんのだとおもう」

「薩摩…」

不意にクダモンが顔を上げた。
そうして何やら内緒話をするように、隊長の耳に小せぇ口を当てている。
隊長はしばらく黙っていたが、俺から目を離すとガラス張りの棚に入っている試験管を取り出した。
何をするのかとおもって眺めていると、隊長はそれともうひとつ、琥珀色の瓶を持って医務室のベッドに腰掛ける。

「大、来てくれ」

俺は黙って隊長の目の前に立った。
隊長がベッドに座るように促すから腰を下ろすと、スプリングのよくきいたベッドが揺れる。
すぐ隣に座っている隊長は試験管を持ってしばらく考え込むようにしていたが、おもむろに俺を見て言った。

「今から君の体液をこの試験管いっぱいに取りたいのだが、了承してもらえるか?」

「へ?あ…」

ぼーっとしていた俺が隊長に向き直ったとき、視界が反転した。
勢いよくベッドのシーツに体が沈む。
ぎしり、とスプリングの嫌な音がした。
俺の頭の上に隊長がいる。
どうやら俺の体に圧し掛かるようにして上体を倒しているらしい。
クーラーのよくきいた医務室に静寂が広がった。

「…あのさ、隊長…試験管いっぱいって言ったってどーやって…」

「こうやるんだ」

俺の問いに、隊長の答えは短かった。
ごつごつとした大人の手が、ズボン越しに俺の下腹部を掴む。
この制服の生地は肌と密着していて薄い。
だから、それは直に触られたのと同じ感覚だった。
おもわず下肢を震わせてしまうと、隊長は口元だけで笑って俺を見る。

「敏感だな…大?」

「な、何言って…んうっ…」

体液を取るのが目的ならさっさとすればいいものを、隊長の手はゆっくりと俺のものを揉みこみ始めた。
がさついた指先が服越しから伝わってくる。
俺は顔を背けて膝を立てた。
でも、その膝に隊長の手が触れる。

「服が邪魔だな」

隊長は短く言うと、胸ポケットの中から何やら物騒なものを取り出した。
それはナイフ。
俺が息を飲むと、隊長は笑っただけだった。
隊長は俺の下腹部を覆うズボンの生地を取り払うようにゆっくりとナイフを滑らせていく。

「ちょっ、やめやがれっ!怪我でもしたら…」

「お前が動かなければいい」

冷たくそう言い放ったのはクダモンだった。
言い返すこともできず、かと言ってこのまま服を引き裂かれるのも屈辱だ。
大体、俺はてめーらの個人的事情に協力するなんて言ってねぇ。
そうおもって口を開きかけると、隊長はふと顔を上げた。
少しだけ眉を寄せて俺を諭すように語り出す。

「これは罰だ」

「…は」

「持って来るべきものを期日までに持ってこなかった罰。学校でも規則はあるだろう?規則を破ったらどうなるか…」

分かっているはずだ、と隊長の代わりにクダモンが言う。
俺はかぶりを振ることしかできなかった。
確かに、期日までに尿検査の尿を持ってこなかったのは悪いとおもってるけど…でもそれは。

「…っあふ…」

破れたズボンの部分から、隊長の手が直接触れた。
俺は脚を大きく広げたカエルのような格好をさせられて、ただ隊長を睨むことしかできない。
そんな俺を嘲笑うようにしてクダモンが口を開いた。

「お前も少しは自覚したほうがいい。これは罰と言う名の拷問だと言う事をな。…薩摩、アレを」

クダモンがそう言うと、隊長はベッドの端に置いていた琥珀色の瓶を取った。
コルクの蓋を抜いて笑う姿が怖くて、俺は後ずさる。
それでも足首を強く掴まれてしまって、逃げようにも無理だった。
しかも、俺に拒否する権利はないのだ。

「ひっ、ぐ…あっ、たいちょ…つめたっ…!」

瓶の中身は何だか知らない。
けど、隊長がその小瓶を傾けると、冷たい液体が俺の下腹部に滴った。
ぬるぬるした、油みたいな液体だ。
俺は目を瞑って、その液体が滴る嫌な感覚に耐えた。

「安心しろ、君が体液を出せばすぐに終わる」

隊長はそれだけ言って、俺のものを片手で掴んだ。
そのまま、抜けちまうんじゃないかとおもうくらい強い力で扱いていく。
俺は手を伸ばして、隊長のそれをやめさせるように手を重ねるけどそれは無意味な行為だった。
あの液体のせいで、いやらしい音が耳に入ってくる。
それだけで変な気分になりそうだった。

「んっ、んー…んあっ…やだ、やめ…体液でいいなら…血でも何でもやるからっ!!」

「それは無理だ」

返事をしたのはクダモンだった。
俺の胸にちょこんと飛び乗って、嫌な感覚に耐える俺を見下ろしている。
意味が分からなくて肩で喘ぐ俺に、クダモンが続ける。
自分たちが求めようとしているのは精液なのだと、それだけ言った。
精液って、つまり…。
俺が視線を隊長の手元にやると、そこには俺の意思とは無関係に半勃ち状態になったものがある。
隊長に目を戻すと、分かったか?と言いたげな男の顔があった。
ぐちゅ。

「ひぐ…はぁっ…うあ…ああぐ…」

精液くらい、くれてやってもいいじゃねーか。
俺の中の俺がそう言う。
いきなり、了承を得ずにこんな事するコイツらは最低だけど…でも早く解放してもらうにはそれしか。
唇を噛んで悩んでいる俺を見下ろして、隊長が笑った。
不意に、ぬるりとした指が後ろの部分に滑り込んでいく。
体内に感じる妙な異物感。
俺は上体を突っぱねて身を捩った。
そんな俺を見下ろして、胸の上にいるクダモンが笑う。

「せいぜい感じておけ。我々はお前の体液にしか興味はない」

「クダモン」

クダモンの言葉を咎めるように隊長が言った。
こいつらは俺の体液にしか興味がないって?
つまり、仲間だと認めてもらってるわけじゃねえってことか?
だんだんと情けなくなってきて、顔をシーツに埋めると隊長の片手が俺の髪を撫でた。

「誤解するな、大」

「…っく、たいちょ…」

体内で動く手は休めずに隊長が笑う。
顔をシーツから離すと、笑みを浮かべている隊長と目が合った。
俺の疑惑を打ち消すようにかぶりを振って髪を撫でる手が、どこか心地いい。
父親のような安堵感だった。

「君は仲間だろう?私は仲間の事をもっと知りたいが…君は嫌か?」

隊長の問いに、俺は黙ってかぶりを振った。
それを了承の合図と取ったのか、隊長の指が俺の体内を抉る。
おもわず大きな声が出てしまう俺を見て、クダモンがつまらなそうに鼻を鳴らした。
そうして俺の胸から飛び降りてベッドから降りてしまう。

「薩摩、子供を手懐ける気か?呆れたな…私は戻る」

「ああ」

俺には二人のやりとりが耳に入ってこなかった。
それほど、体内いっぱいに広がる熱が俺の思考を溶かしていたから。
腕をゆっくりと持ち上げて、額に乗せると俺の異変に気付いたらしい隊長が指を動かしながら俺の顔色を伺った。

「どうした?大」

「…るせぇよ」

強気なことを言いながらも、俺の身体は限界に近付いていた。
脚を上げて隊長の腰に引っ掛けると、不思議そうな隊長の顔が見れる。
俺は笑った。

「こんなんじゃっ…全然気持ちよくなんねぇ。どーせヤんならもっと激しくやれよ、それが男ってモンだろ」

荒い息をつきながらそれだけ勝気に言ってのけると、隊長は口の端を上げた。
隊長の腰のベルトが解ける音がする。
覚悟はできていた。
強く目を瞑ると、熱いものが俺の秘部に押し当てられるのが分かる。
自然と体に力が入った。

「大、そんなに体を堅くしていたら痛いぞ?」

「わ、わぁってるよ!」

隊長の声が頭から振ってきた。
目を開けると、すぐそこに隊長の顔がある。
強く言い返そうとした俺は少しばかりどもってしまった。
そんな俺を見て隊長が笑う。
熱い手が俺の頬に触れた。

「…激しくしろと言っておいて怖がっているのか、可愛い奴だ」

「怖がってなんか…」

ねぇよ。
そう言おうとして、それでも言いとどまった時唇に何か熱いものが押し当てられた。
同時に、秘部に何か硬い異物が触れる。
ミシリ、と嫌な音が聞こえたとき、俺の体に激痛が走った。

「っああああ!!!ああぁっ、つふ…あぐ…!!」

俺が全力で叫んでいる間、体内に入ってこようとしているものは休まずに行為を続けている。
それが隊長のものなのだと頭のすみで少しだけ理解していた。
けど、認めたくなかった。
涙で滲んだ目で隊長を見ると、奴は俺を安心させるように笑っている。
何で笑ってんだよ、こんなに痛いのに。
何でそんなに痛くするんだよ、もっと優しくしろよ。

「…っうあ…たいちょ、隊長…いだ…いだいぃっ…死んじまう…」

喧嘩をしていたってこんなに痛いことはないし、恐怖を覚えた事もない。
それなのに今の俺はあんまりにも無力で弱くて、ただ声を上げる事しかできない。
注射を耐えるほうがよっぽどもマシだ。

「大、息を吐いて楽にしてごらん。痛いとおもえば、声は幾らでも出して構わない」

隊長はしっかりとした声で言って俺の頭を撫でた。
琥珀の瓶にまだ入っていたであろう液体を、隊長が結合部にそっとかけるのを視界の端で確認する。
冷たいんだか熱いんだかよくわからない液体が肌に触れるたび、全身から火を噴きそうな感覚に襲われた。
とにかく隊長のものは大きくて苦しい。

「んあっ、ああ…ううっ…ひ、ぁ…はやく終わらせ…あぐっ…」

俺は上擦ったような声を出して言うと隊長へ手を伸ばした。
ゆっくりと隊長の体が俺に覆いかぶさってくる。
すぐに隊長の背に腕を回して強く抱きしめると、その体に爪を立てて痛みを紛らわした。
ガクガクと揺さぶられたそこがだんだんと熱くなっていく。
俺は、かぶりを振りながらされるがままの状態だった。
熱い、苦しい、もどかしい。

「はぁあ…うあ…奥、すご…んんっ…!!」

ぐちゅぐちゅと淫猥な音が耳に入ってくる。
俺は何を言ってるのかさえも分からなくなってしまって、ただ声を上げた。
隊長のものが体の中で暴れているのが分かる。
既に限界で、苦しくてわからなくて。
強く強く隊長の体を抱きしめるしかできない。

「大、そろそろ…」

隊長の唇が俺の耳朶に触れた。
同時に、自身に冷たいものが押し付けられる。
試験管か?
そういえば俺の体液を取りたいとか言ってたっけ。
了承もしてねーのに勝手な事ばっかり言いやがって。
でも、もうそんなことどうだっていい。

「あぐっ…ひ、うあっ…もう…もうだめ…だっ…あああぁっ!!!」

俺は、隊長の体を強く抱いて声を上げた。
泣き声なのか喘ぎ声なのか、それは分からない。
ただ強く背を逸らして、長く尾を引く声を上げる。
同時に秘部が強く隊長の事を締め付けるのが分かった。
俺がやってるんだとおもうともっと恥ずかしくなって、声が出ちまう。
どん、と腸壁を何か熱いものが強く叩いた。
驚いて顔を上げると、隊長と目があう。
ずっと見られてたのか。
そうおもうと恥ずかしくて情けなくて、でもすごく気持ちよくて。
俺は隊長の体を強く抱いたまま同じように熱いものを吐き出した。

「っああぁ…!はっ、あ…たいちょ…隊長…俺…」

「分かっている、泣くな」

隊長の手が俺の目尻を撫でる。
泣いてなんかない。
そのはずなのに俺のレンズは歪んでて、熱くて苦しくて、ぼろぼろと熱いものをこぼしていく。
行為に対する混乱や恐れが一気に迫ってきて、情けなくて、俺は隊長に身を任せたまましゃくりあげた。
しゃくり上げる俺をなだめながら、隊長はゆっくりと試験管を取ってコルクの栓をする。
試験管の中に入っているのは白濁した俺の精液だった。

「っ…隊長…罰も体液取るのももう終わりなんだろ?案外あっけなかったな、全然怖くなかったし」

俺は語尾を震わせながら何とか強気に言った。
隊長の手が俺の頭を撫でる。
その手が暖かくて、目のやり場に困った。
そんな俺を見て、隊長が顔を寄せる。

「ふふ、お前が望むならこれからも体液を採取してやってもいいぞ?」

「う…!?冗談じゃねえ!あんた何言って…うあっ…」

俺が力いっぱい反論しかけたとき、体内にまだ突っ込まれていたものが俺の中で大きくなった。
イッたばかりで敏感になっている俺の内部は些細な刺激にも反応を返してしまいそうになる。
俺の反応を見て、隊長が声を殺しながら笑った。
その余裕ぶったところがムカつく。

「どうした?」

「…ぐっ…あんたのがまた、大きくなってきやがった…」

「どこで…大きくなっているんだ?」

隊長が俺の耳に唇を寄せた。
全身の熱がじわじわと再沸騰を始める。
俺は拳を震わせながら隊長の胸を殴った。

「―――俺の、中でだよッ!…バカ!!」

おもいきり怒鳴って、身を離そうとすると大きな体に抱きしめられて変な安心感を覚える。
何かまたからかわれるのかとおもっていたがそうではないらしい。
隊長は俺の額に口付けた。
俺が顔を上げようとすると、それを制するように唇へ口付けられる。

「んんっ…ぶはっ、何しやがんだ!とっとと離せ」

「ははは、それは困った。クダモンにまた妬かれるな…」

「へ?」

「こちらの話だ」

隊長は機嫌良さそうに笑うと俺の額に口付けてからゆっくりと髪を撫でた。
その行為がもどかしくて照れくさくて、とにかくすごくモヤモヤする。
だんだんと熱くなっていく顔を感じながら、俺は隊長にとんでもない気持ちを抱いてるんじゃないだろうかとか考えて目を強く瞑った。

















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サツマサです。かなり妄想詰まったマサル(受)ですが…っ!