大はちゃんと分かっているように見えた。
僕の気持ちにも、これからしようとしていることも。
だから、僕は早く終わらせたいとおもった。
君が僕の気持ちを察して何か言いださないうちに。
僕が変な事を言わないうちに…。
「何、焦ってんだよ…」
不意に大の声が下から聞こえた。
君は眉を寄せて、厳しい顔をしている。
ばれた。
きっと、考えている事がばれてしまったんだ。
そうおもうと返事ができなくて、僕は強く大のものを擦り上げる。
敏感になっている大の身体はすぐに反応を返してくれた。
気持ち良さそうだけど少しだけ悔しそうにも見える。
それはやっぱり、男とセックスしているから、か?
「はぁ…ぐっ、う…ああっ…トーマ…答えろ、誤魔化してんじゃね…ひっ!」
「…静かにしていてくれ。優しくできない」
僕は自分でもゾッとするくらい冷え切った声で言うと、濡れた指で大のつぼみを撫であげた。
言われた通りに唇を噛んで黙っている大は、僕をただ睨んでいる。
どうしてそんな顔されないといけないんだ。
僕だって好きでやってるんじゃないのに。
…いや、僕は大が好きだ。
だからこんな行為も望んでた。
けどそんなそぶり、君の前では一切見せなかったはずだ。
どうしてそんな顔をされなきゃいけないんだ…。
「マサル、僕にしがみついていて」
「…」
返事はない。
大は僕の体を抱きしめて肩に顔を埋めた。
普段よりもずっと小さく感じるその体。
髪に指を通すと、想像していたよりもずっとさらさらしていて気持ちが良い。
もっと触れられればいいのに。
僕には君を力で組み伏せる勇気はない。
「入れても…平気かな」
誰に言うでもなく呟くと、大は黙ったままだ。
張り詰めた空気が苦しかった。
ここは地面が陥没している場所…つまり地中と言っていい。
そんな中に長時間いるとさすがに息が詰まりそうになってくる。
僕は袖で汗を拭いながら大の髪にキスをした。
赤茶けた髪の隙間から覗くつり目の瞳が僕を映す。
そんな顔しないで。
僕を嫌いにならないで。
そんなおもいを込めて、君にキスを繰り返す。
大はつり目の険しい顔を作ったまま僕を見つめていた。
その瞳が時折、眩しいものを見るように細められる。
僕はおもむろに大の唇を塞いだ。
「ん、んん…」
くぐもった声が聞こえる。
つぼみに指を入れてよく解しながら口付けを繰り返すと、僕はそのまま自分のものを取り出した。
入れても良いのかな。
そんなもん自分で決めろと大の目が言っている。
僕は大きく息を吐くと、大の足を抱え上げて狭く細い器官への挿入を開始した。
ぎし、みしりと音が聞こえる。
すごく痛そうなのに大は歯を食いしばって耐えているようだった。
僕は大の額を撫でながら言う。
「喧嘩するのとこうされるの…どっちが痛い?」
「比べられっかよ…痛いの次元が、違ェじゃねーか」
大の声は息が上がっていて、苦しそうだ。
それでも僕を迎え入れようとしているところが健気に見えた。
僕が大を楽にしてやらなきゃいけない。
そんな使命感が僕の中にある。
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トーマサに激しく萌えている連載4弾目ですー。