「兄貴、良いのか…?そんなに飲んで」

ベッドに腹を出したまま横たわっている無防備な俺のパートナーは、烏龍茶を何杯も飲みながら寝返りを打った。
パジャマの上着から覗く健康的な腹が少しだけ赤くなっている。
…ひっかいたのか。
俺は自分の図体の事も考えながらベッドの端に腰掛けた。
ぎしり、と案の定ベッドが揺れる。
パートナーは目を瞬かせながら俺を見ると、少しだけ笑って手を伸ばした。

「…良いんだよ。それよりもあっち行け…風邪感染るから」

額に汗を浮かべたパートナー大門大は、赤い顔をして軽く手を振る。
夏真っ盛りであるこの日に、俺のパートナーは風邪をこじらせてDATSへ行けなくなった。
俺にとっては涼しい部屋の中で兄貴といられるから嬉しいけど、兄貴はそうでもないらしくて時々寝ながら戦っているときの寝言を言っている。
そんな兄貴を見るたびにどうにかしてやりたくなっちまうのが発情期を控えた俺のきもち。

「…俺はデジモンだぜ?風邪なんか感染らねェ…。それより、そろそろ薬の時間じゃないのか?」

枕元に置いてある薬をちらりと見ると、兄貴はかぶりを振って立ち上がった。
でも体が言う事をきかないらしくて、その身体は俺へと倒れてくる。
アグモンの時は大きいと感じる兄貴の体も、今ではこんなに小さい。
肩は細くて、少しでも力を入れると折れてしまいそうだ。
トーマも細いし…肌も白くて綺麗だけど、俺の目には兄貴のほうがずっと綺麗に見えた。
そっと上着をまくって、むき出しの腹を撫でてやると兄貴は俺の腕に顔を寄せて小さく息をつく。

「…っは、力…入んねぇんだから…遊ぶな…」

たしなめるような声だ。
別に遊んでいるつもりはない。
けれど兄貴の反応を楽しんでいる辺り遊んでいるんだろうな…俺は。
汗をかいているせいで少ししっとりしているパジャマのボタンに手をやると、髪を縛っていない兄貴がほんの少し髪を乱して僅かにかぶりを振る。

「…服、取替えようぜ?」

そう言ってパジャマを脱がすと、兄貴はどこかそわそわしたような目を俺に向けながらしきりに両足を擦り付けている。
兄貴も発情期になったんだろうか。
だとすると、今の状態の兄貴を助けられるのは俺しかいない。
そうおもって兄貴をベッドに寝かせようとすると、弾かれるようにベランダへと駆けていく背中が見えた。

「…兄貴、俺が嫌いか?」

「そんなんじゃねェよ…」

短くそれだけ言うと、兄貴は少しだけ肩を震わせて俺を見た。
窓際のカーテンは開け放たれていて、向かいの家がよく見える。
俺は兄貴の背中に立つように歩み寄ると、小さな体をそっと抱きしめた。
兄貴いわく…2m近くもある俺は大きいし、兄貴とは比べ物にならないくらいしっかりとした体をしている。
施設にいたころ、薬をたっぷり投与された副作用で時々人間の姿になってしまう事を除いては普通のデジモンだ。
人間とは、やっぱりどこか違う。

「…傍にいてくれ。…俺から逃げるな…」

兄貴の首筋に顔を寄せて呟くと、腕の中の体が震えた。
そっと、焦げ茶色の髪の隙間からつり目がちの瞳が見える。
見慣れたはずの瞳はしっとりと濡れていて、俺との行為を期待するような光が混じっている。
俺は黙って兄貴の唇を塞いだ。
しっとりしていて冷たい唇が素直に吸い付いてくる。
俺を求めるようにひくりと動いて、それでも窓際へ逃げるように腰を引くからつい虐めたくなっちまう。
兄貴を窓ガラスに押し付けて唇を吸いながらパジャマの上着を捲り上げると、小さな抗議の声がした。
今の兄貴は病人だ。
そのせいで体に力が入らないのか、抵抗にも力は入っていない。
他の奴に、兄貴のこんな無防備な姿、絶対見せられない。
俺は兄貴の唇や首筋に口付けを落としながら上着の中で手を動かした。

「…はぁ…っ、ライズグレイモン…」

兄貴の声が、ようやく俺を呼ぶ。
髪の毛が額に張り付いていて、どこか色っぽい。
俺は兄貴の髪に顔を埋めて軽くそれを食んだ。
じゃれるような俺の行為に兄貴がくすぐったそうな声を上げる。
窓ガラスが軋む音が聞こえた。
髪から耳朶へと唇を寄せて小さく吸い上げながら、ふと窓の外を見ると向かい側の家のベランダに人間が立っている。
その人間はどうやら俺たちを見ているようだ。
四角くて黒いものを構えて俺たちをじっと観察している。

「…兄貴、見られてる」

そっと兄貴の耳朶に歯を立てると、兄貴は俺の服にしがみつきながらぼんやりと顔を上げた。
立っているのもやっとといった状態で甘ったるい声を上げている。
しきりに両足をもぞつかせながら俺を呼んでいた兄貴の顔が、少しだけ強張った。
窓ガラスの向こうを見やると、兄貴もその人間を確認したらしくカッと顔を赤らめて俺の袖を強く握った。

「…良いのか、見られても」

俺がぽつりと呟くと、兄貴は何度もかぶりを振りながら眉を寄せる。
風邪のせいという理由では誤魔化しきれないくらい真っ赤に染まった頬が何だか可愛い。
耳朶から口を離して兄貴の頬へと唇を寄せると、抗議の声が耳に入った。

「やめろっ…!アイツ、近所でも有名な覗き魔なんだ。女の着替えとか洗濯物とか…ああやってカメラで撮影してんだよ。男の風上にもおけねェ奴だ。だ…から、ぶっとばしてや、るっ…」

風邪のせいか、兄貴の声が掠れている。
俺はゆっくりと窓ガラスよりももっと向こうにいる人間を見つめた。
何やら興奮しているらしく、しきりに口の端を緩めて兄貴の事を"カメラ"で撮影している。
兄貴は、俺との交尾を他人に見られて恥ずかしいらしい。
人間の事は良く分からないけど、多分そうなんだろう。
いつもの俺なら、ここで素直にカーテンを閉めてきちんと兄貴をベッドに寝かせる所だが今日は違う。
兄貴のいやらしい姿を、他の奴にも見て欲しい。
むしろ…。
他の奴に見られて恥ずかしがる兄貴の姿が見たい。
そうおもったら、俺の行動は早かった。
兄貴の腰を掴んで、くるりと窓ガラスのほうを向かせる。
そうして窓ガラスに押し付けてやると、兄貴は慌てたように振り返った。

「ばッ…何やってんだよ、やめろ…ライズグレイモン!…っうぅ…」

勢い任せで叫んだせいか、兄貴の吐息は上がっている。
少し苦しそうに額を押さえて小さく喘ぎながら、ゆっくりと窓ガラスに手をついた。
面倒くさい事はしたくなかったから、爪で下着とズボンをまとめて引き裂く。

「…うあっ…ひ、っあ…ライズグレイモンっ…おまえ、何やってんだよっ!?ズボンが…」

「黙ってろ」

上擦ったような兄貴の声が震えている。
俺は少しだけ低い声で言うと、ふっくらしていて綺麗な兄貴のつぼみを指で撫でた。
まずはほぐすように、つぼみの周りを指で揉みながら片手は兄貴の尻に添える。
女の胸みたいにふくらんでいる兄貴の尻は撫で心地がよくてすべすべしていた。
少しだけ力を入れて揉んでやると、兄貴は窓ガラスにへばりついたまま小さく呻き声を漏らす。
感じてるのか。
ちらりと視線を上げると、兄貴は涙の溜まった目で俺を見つめたまま短い吐息を吐いている。
両手は窓ガラスについていて、尻は俺に突き出したようなポーズ…何と言うか、とてもエッチな体勢だ。
このくらいじゃ満足いかないだろう?
そうおもって、俺は窓ガラスの向こうを見つめる。

「…兄貴、丸見えだぜ?俺が兄貴の尻撫でてる所…。兄貴のソレも丸見えだしな…」

「っく…言うんじゃねぇっ!…っくぅ…あぐ…」

兄貴はギュッと目を閉じてかぶりを振ると、再度両足を擦り合わせるように腰をもぞつかせた。
両足をぴたりとくっつけられると上手くつぼみを愛撫してやることができない。
俺は強引に兄貴の足を開かせて尻のつぼみに指を差し入れた。
ギュウギュウに狭くて熱い兄貴の入口は俺の指を締め付けて離さない。
まだ1本しか入れていないと言うのに、兄貴のそこはヒクヒクと痙攣していた。

「…そんなに欲しかったのか?それとも…見られてるから普段より感じちまう?ピクピクしてんだもん、ココ」

俺はわざと声をひそめて言った。
パートナーとして安心しているせいかセックスの時だけ従順な兄貴は普段なら素直に頷いてくれるはずなんだけど、今の兄貴は歯を食いしばるようにして眉を寄せていた。
何かを我慢するように、時折短い喘ぎ声を漏らして嫌々とかぶりを振っている。
俺以外の奴に見られるのは嫌なんだろうか、ともおもった。
だが、俺の予想は全く外れている。
兄貴の下腹部…生殖器がパンパンに腫れているのを目にした時、俺はしばらく目を瞬いていた。
俺の視線に気付いたのか、兄貴は恥ずかしそうに目を瞑る。

「さっき、烏龍茶たくさん飲んだからだっ…くそっ、見んじゃねえ!…だから早くやめろ…なっ?便所…行きてぇ…」

兄貴の生殖器がピクピクと痙攣している。
時折先端からうっすらと先走りの混じった雫を滴らせながら、苦しそうに震えていた。
俺はつぼみから指を抜くと、兄貴の下腹の辺りを軽く指で押した。

「ひぐっ…やめろって言ってんだろ、ライズグレイモンっ!ホント…んくっ…俺ぇ、ずっと我慢してて…あぐッ!」

俺の刺激を受けて、兄貴が窓ガラスに爪を立てる。
必死に腹へ力を込めてソレに耐えるようにかぶりを振りながら俺を呼んだ。
人間の膀胱ってどの辺りだろうなんておもいながら、俺は兄貴の下腹を押す力を強めた。

「…俺、兄貴が漏らす所見たいんだけど…見せてくれるだろ?俺たち、兄貴と子分だもんな…」

「ひっ、や…やめろッ…!!」

兄貴の声は悲痛な叫びだった。
本気を出せば俺の行為を力ずくでやめさせることもできたろう。
でもそんな余裕さえないのか、兄貴は喉から吐息を零しながらいやいやとかぶりを振っている。
肩に垂れている髪が兄貴の口元に張り付いて、何だか卑猥だ。
俺は指先に力を込めて膀胱を撫でるように押してやった。
だんだん兄貴の体がびくびくと震え始める。
こんな場所で排泄してはいけないというきもちがそうさせているんだろう。
窓ガラスの向こうではしきりに"カメラ"を操作する男が見える。
――コレが俺のパートナーなんだ。可愛いだろ?
俺は見せ付けるように兄貴の体を強く窓ガラスに押しやると耳朶に唇を当てて言った。

「出せよ、アイツの目の前で…」

「は…ぁあああァ…ッ!」

俺が強く下腹を押すのと同時に、兄貴のものから張り詰めていたものが一気に放出された。
それはガラスに叩きつけられてどろりと床に垂れていく。
こんな所で放尿させるなんて初めてだ。
きっと兄貴も興奮しただろう。
そうおもいながら濡れた兄貴のものを掴むと、すっかり涙ぐんだ瞳が俺を映した。

「ばっきゃろォ…なに、しやがんだ…」

カクカクと震えた兄貴の足がふらついた。
同時に、俺は先ほどまで指を入れていたつぼみをなぞりながら兄貴の腰を掴む。
またガラスにへばりつくような格好になった兄貴は、真っ赤になった顔を向かい側の"カメラ"を持った男に見られて悔しそうにしゃくりあげている。
熱い吐息のせいで白く曇ったガラスが何だかエロチックだった。
さっきはギュウギュウに締め付けてきたそこに再度指を挿し入れてやると、軽い抵抗感はあったもののゆっくりと俺の指を飲み込んでいく感覚を感じる。
上下左右の内壁が一斉に異物を押し出そうと、それでも指以上のものを求めようとしてヒクヒクと動いているのが分かった。

「…兄貴はヘンタイだな…こんな所弄ってんのに吸い付いてきやがる…。感じてるか?」

俺は指を増やしながらわざと羞恥心を煽るように言ってやった。
ガラスにへばりついたままの兄貴は、ガラスに爪を立てながら俯いている。
顔を隠すように頭を垂らしているから、俺は多少強引にいつも兄貴が縛っている後ろ髪を引っ張って顔を上に上げさせた。

「ひっ、ぐ…ライズグレイモン…てめ…今日の夕飯、おまえだけ卵焼き抜きにしてもらうから、な…ひぎっ…んんっ…」

「サユリの卵焼きが食えねェのはヤダな…」

俺はぼんやりと考えながらも指を抜こうとはしなかった。
俺の指が動くたび、ぴくんぴくんと兄貴の腰が跳ね上がるからもっとしてやりたくなっちまう。
指の動きに合わせてぎこちなく腰を揺らす兄貴が可愛いから、俺は卵焼きよりも兄貴の痴態に満足していた。
そんな俺に振り返って兄貴が掠れた声を出す。

「卵焼きと…俺、どっちが大事なんだよ…っ…卵焼き、好きだろ?…だから、やめ…」

だんだんと兄貴の語尾が弱くなっていく。
何を言っても無駄ということに気付いたんだろうか。
卵焼きと自分を比べる兄貴が何だか可笑しくて俺は笑いながらズボンのジッパーを下ろした。
膨張した俺のものを兄貴の薄桃色をしたつぼみに押し当てるとその熱さのせいか息を飲む声が聞こえる。
俺は上体を兄貴の背中にぴったりと寄せて言った。

「…今日は兄貴が卵焼きよりも美味そうにみえるぜ?…顔真っ赤で、腰なんかエロくて…すげえゾクゾクする」

俺は言いながら兄貴のつぼみに猛ったものを挿入していった。
びくんと震え上がった小さい背中がいやらしい。
後ろからゆっくりとうなじを舐めてやりながら撫で心地の良い尻を掴むと、兄貴が艶めいたため息を吐いた。

「っひ…!や、やあぁっ…うぐっ…ああぁっ…ライズグレイモ…!」

涙混じりの吐息がガラスを曇らせていく。
俺は兄貴の背中から手を差し伸べて尖りきった突起を摘み上げた。
同時に「いや」と色っぽい声が耳に入る。
兄貴、やべえよ…そんな声出されたら。

「兄貴…知ってるか?俺って肉食なんだよ…」

俺は片手で兄貴の顎を掴んで振り向かせた。
涙で濡れた瞳が俺を見ている。
口の端から銀色のきらきらしたものを零して、小さい声で俺を呼んでいた。
俺はその唇を塞ぐように、それでも食らいつくように吸い上げてやる。
兄貴のくぐもった声が飲み込まれていく。
よたよたと足をふらつかせてバランスを取りながら唇を押し付けてくる兄貴はやっぱり可愛い。

「んっ、んんうっ…ふ…ぐぅ…ライズ、ぅ…こっち向き、嫌だ…。おまえの顔…見てェのに…」

兄貴は口付けを強引に解くと、軽くガラスを指で叩いて言った。
俺と兄貴の唇に互いのものが伝っている。
掠れたような懇願を耳にした俺は、なんとも言えない幸福感に包まれてしまってガラスの向こうにいる人間を見て舌を出してやった。

「…悪ィな、最後まで見せてやれねーみてェよ?」

そう言った俺は一旦兄貴の中から自身を抜き取ると、勢いよくカーテンを引いて窓ガラスを覆った。
既にふらふらになってしまった兄貴の体を抱いてそのままいつも兄貴が眠っているベッドへと押し倒す。
正確にはほおり投げる…と言った感じだが。
兄貴の体はベッドの上で跳ねてからおずおずと俺を見やった。
その目はいつもの兄貴とは違う。
もっと色っぽくて、俺を野性に戻すかのような目だ。
俺は兄貴の体を組み敷くと、再びつぼみの中へと侵入していく。
体位を変えたせいか、兄貴は甘ったるい声を上げて体を突っぱねた。

「あ…あっ…!ライズグレイモォン…熱ィ…俺ん中…はぁっ…もっとおまえの事が欲しいって言ってる…っ…」

「へえ、兄貴の身体は欲張りなんだな?…そういうの、淫乱って言うんだぜ」

ベッドに沈んだ兄貴の体に覆いかぶさった俺は、健康的な色をした首筋に口を付けた。
そこをわざと高い音を立てて吸い上げてやると、兄貴の声色が変わってく。
兄貴の肌には玉のような汗がうっすらと浮かんでいた。
額からも首筋からも透明な汗が滴っていて、この行為は一層リアルなことなのだと俺に認識させる。
けど…興奮してくれているのだとおもうと、やっぱり嬉しい。
もっと感じさせてやりたくなる。
俺だけにしか聞かせられないくらい恥ずかしい声も聞きたい。
だって俺は兄貴のパートナーなんだから。

「ひっ、ああっ…ぐっ、ううぅ…っ…奥ぅ…あっ…ひ、や…こすれてやが、る…んんんっ…!」

兄貴は揺さぶられながらもしっかりと俺の背に腕を回して確かめるように俺の肌を撫でた。
俺は応える代わりに兄貴の首筋を強くしゃぶりあげた。
腰使いも、できるだけ焦らすような動きへと変えてやる。
兄貴は少しだけ不満そうに唇をへの字に曲げた。

「…っ、ライズグレイモぉ…ン…何してんだよッ…あふ…んんっ…」

別に俺はテクニシャンじゃないし、こんな真似しなくても兄貴はバッチリ感じてくれるんだけど今日は色んな兄貴が見たい。
俺のどんなテクで感じてくれているのかを見てみたかった。

「…兄貴、どっちが良い?コッチのゆっくりしたほうと…こういう…激しいセックス」

俺は声色を変えると、わざとらしく腰の動きを早めた。
あ、兄貴の声が変わった。
こっちが好きなのかな。

「あっ、あ…あぁっ!…あふっ…うう…わかんねェよ…そんなモンっ…!で、もなぁっ…男なら死ぬ気、でぇっ…向かってき…やがれぇッ…」

兄貴は激しく揺さぶられているせいか声を上擦らせて善がり声を上げた。
同時に入口の部分がキュキュッと俺のものを締め上げていく。
おもわず荒っぽい吐息を零すと、兄貴は喘ぎながら少しだけ笑った。

「ん、ぁあっ…へへ…おまえもそんな声出すんだな?や…らしい声…ひ…あッ…」

「黙ってねェと舌噛むぞ…」

俺は、やらしいと言われた事への照れ隠しに腰の動きを早めてやる。
互いの肌が擦れ合ってパン、パン、と淫らな音を立てていく。
その音に兄貴の甘ったるい声が重なる。
まるでセックスに慣れているみたいにも見えるからちょっと悔しい。
兄貴の初めての相手は俺…ってことはとっくに知ってるけど…もしかしたら俺以外に兄貴にこんな事をした奴がいるのかな、なんて考えちまう。
…好きな奴の事になると疑り深いよなぁ、俺。

「…なぁ、おまえは俺の兄貴だ。ずーっと俺だけにこうされてろよ?他の人間なんてやめとけ…デジモンのほうがよっぽど良い」

俺は兄貴が限界に近付いているのを感じながらそっと呟いた。
後半は、子供っぽい独り言だけどな。
それが聞こえちまったのか、兄貴は困ったように笑って俺の頬を撫でた。
同時に、兄貴の口が何かを紡ぐために小さく動く。
『好きだよ』って。
俺がそれを目にした時にはもう抑制がきかなくて、兄貴の言葉を遮るように無理やり腰を使った。

「あっ…うあっ、バカッ…強すぎンだよっ…んんっ…あぁっ…ん…!俺、もう飛ぶっ…イっ…くぅ…!!」

ぐちゅぐちゅと、兄貴のナカがいやらしい音が聞こえる。
そんな兄貴をしっかり抱きしめて腰を突き上げながら、俺は兄貴の唇を吸い上げる。
愛してる、あいしてる。
吐息混じりに繰り返しながら唇を貪ると、兄貴はがっつくような口付けを返して俺を呼んだ。

「んんっ…ライズ…ライズぅ…好きだっ…マジ、もう…すげえのっ…おまえしか見らんね…んふ、ぅうっ…」

兄貴の口から俺の名前が出るたびドキドキした胸の高鳴りが押さえられなくなる。
俺は欲望が求めるまま乱暴に兄貴を突き上げると、そのまま兄貴のナカへと自身の猛りを放出した。
鈍く腸壁を叩くような音が聞こえる。
兄貴は強く目を瞑って目尻に浮かべた涙をぼろぼろと零しながら俺のものを受け止めてくれる。
逃げるように引かれた腰はすぐに俺の体に吸い付いた。
俺の全部を吸い尽くすようにヒクヒクと収縮するソコは、マジで生きてるみてぇに感じる。
まだまだ欲しいと言うように、体いっぱいで俺を求めてくる兄貴が可愛いとおもう。

「ぐっ…う…兄貴もホラ…良いんだろ?出してェよな、アッツイやつ…」

俺は兄貴よりもはるかに大きな手で勃起しているものを掴み上げる。
乱暴に扱いてやると、それだけで良かったのか兄貴はビクビクと背を逸らしながら俺の体を抱きしめた。

「あっ、あ…や、も…無理だ、あっ…ぁああ…あああァっ…!!」

艶めかしい声を上げて仰け反った兄貴のものから、白濁したものが音を立ててあふれ出してくる。
それは見事に兄貴の腹を汚して、だらりとシーツに滴った。
ずるりと兄貴の腕が俺から離れてベッドに倒れる。
兄貴は犬みたいに舌先を出して小さな呼吸を繰り返していた。
何だか、すげえ可愛い。
こんな無防備な顔されたらまたシたくなっちまうじゃんか。

「…お、い…俺はもう無理、だからな…」

俺の視線を感じたのか、兄貴はおもむろに舌を引っ込めて咎めるように呟いた。
不機嫌そうに言う兄貴の頬が赤く染まっているのは俺の意図を察したせいなのか、それともさっきの告白が恥ずかしかったのか…きっと両方だろう。
そんな事をおもいながら、俺は兄貴の隣で横になった。
そっと腕を出して兄貴に腕枕をしてやる。
ホントの恋人みたいだ。

「なぁ…ライズグレイモン…」

「うん?」

「掃除しとけよ、窓ガラスの…アレ」

兄貴は少しだけ身を捩ると、俺の胸に顔を埋めてため息混じりに言った。
ちらりと窓ガラスを見やると、カーテンに覆われている。
窓ガラスの下には水溜りがあった。
俺が兄貴に無理やり放尿させた名残だ。
兄貴はそれを掃除しろと言ってるんだろう。
だけど俺はきっぱりと断った。

「嫌だ、子分の責任は兄貴の責任だろ?」

「なっ…おまえな…俺は腰が立たねェんだぞ…おまえのせいで」

「それはバッチリ兄貴の責任だぜ、兄貴のがきもちよくってもっとシたくなっちまったんだから…」

「わー!わーっ!分ァかったよ、俺がやりゃ良いんだろっ!?ぜっ…たいに今日は卵焼き独り占めしてやる…」

「それとこれとは違ェだろ?それに、サユリの卵焼きはみんなのたまご…」

「人の母親を呼び捨てにすんなって何回言わせんだよっ」

兄貴は俺の胸を軽く抓るとすっかりふてくされたように唇をへの字に曲げている。
俺にとっては、兄貴のそんな表情さえ可愛くてついつい虐めてしまいたくなる。
そっと太陽の匂いがする髪に口付けながら、俺はこっそり笑うのだった。

















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とにかくエロをいっぱい書こうとおもって軽スカも書いたんですが何か足りない…!(爆)
ライズは男前鬼畜だといいなぁ…(笑)