「肩が凝ったな」
そう言ったのは私ではなくて相棒のほうだった。
耳元で小さな欠伸が聞こえる。
肩にパタパタと相棒の下肢が触れた。
私はデスクの上に積み上げられたまっ白な書類を見て小さくため息をつく。
「…少し休憩にしよう」
そう言って、そっと肩の重みを机の上に放すと、彼はまじまじと私を見上げてから小さな手で毛づくろいを始めていた。
鼻先を両手で擦りながら、時折目を伏せて尻尾にも毛づくろいを施している。
私はコートのポケットに入れていたブラシを取ると、おもむろに相棒の背を梳いた。
すぐに相棒は毛づくろいをやめて目を伏せている。
無防備な表情が可愛らしかった。
小動物のような私のパートナーは、ブラシの動きにあわせてゆっくりと呼吸をしていた。
リラックスしきった表情だ。どうせなら風呂に入れてやろうか。
私はふとブラシの手を止めた。
それに気付いた相棒が少しだけ不満そうにつり目がちの目を私に向ける。
私は相棒を手首に乗せて立ち上がった。
「続きは風呂だ」
そう短く告げると、相棒のたれ下がった耳がぴくんと持ち上がる。
同時に、耳を低く伏せて体を丸めてしまった。
伏せられた耳の下にある小さな顔が赤く染まっているのを見る限り、彼も私と同じ事を考えているのだろう。
そうおもうと自然に笑みがこぼれた。
ゆっくりとした動作で脱衣所まで歩いた私は相棒を脱衣籠に入れてからバスタオルが入っている引き出しを空けた。
同時に、彼専用の"浴槽"も一緒に出してやる。
衣服を脱いで相棒を掌に乗せた私はそのまま浴室へと入った。
そうして"浴槽"と呼んでいる底のない筒を湯船に浮かべた私はその中へと相棒を促そうとした。
だが、彼は私の手首に巻きついて離れない。
「…どうした、クダモン」
私はシャワーを出しながら尋ねた。
手首に巻きついて離れようとしない彼は、小さく唸るような声を上げて私を睨んでいる。
その白い頬が薄桃色になっているのが少し可愛らしい。
相棒は私の手首からふわりと浮き上がるといつものポジション…首回りに寄り添って耳元で囁いた。
「私に泡をつけてくれ」
その一言だけで、私は彼が何をしようとしているのか悟った。
黙ってボディーシャンプーのボトルを取り出し、手のひらの上で泡立てながらちらりと相棒を見る。
相棒はあわ立った私の手元に近付くと、ぴんと手を伸ばして自分の体に泡をつけている。
私は両手で相棒をサンドイッチのように挟むと、マッサージをするように揉みながら相棒に泡をつけてやった。
私の手にしがみついて僅かに体の力を抜いている相棒を少しだけ弄ってやろうと、私は相棒の脇腹を指でなぞった。
「くっ…ん…こら、薩摩…」
たしなめるような声が聞こえる。
それでも、私は指をすべらせながら長い下肢や足の指、小さな手にも愛撫を施してやる。
相棒を手の中であおむけに転がすと、彼は少しだけ嫌そうに眉を寄せながら目を瞑った。
見れば見るほど小さな体だ。
私は足の付け根や、生殖器とおもわれる小さなくぼみに指を這わせてやる。
「…ひ、ふぅ…馬鹿者…痛いっ…だろうが…」
「すまん、痛かったか?」
力は大分加減しているつもりなのだが、相棒は目尻に涙を溜めて小さく下肢を震わせていた。
私が手を止めると、不意に相棒の体が宙に浮かぶ。
相棒の下肢からシャボン玉が舞った。
そのシャボン玉は、私の傍でふわふわと揺れながら消えていく。
相棒がゆっくりと私の下肢にたどり着いたのは、シャボン玉がうっすらと消えたときだった。
「…おまえは乱暴すぎる。…私にさせろ…」
相棒は掠れた声で言うと、私のものに体を絡めて小さな口を亀頭へと当てた。
ボディーソープまみれの体がぬるぬると私のものを扱く。
絶妙な力加減で私のものを包みながら、時折短い吐息を漏らしていた。
性器を私のものにこすり付けているらしい。
「は…ぁう…んう…ああぁ…っ…」
少しばかり甘ったるい声が響き始めたとき、相棒の背に描かれている文様がぼんやりと光り始める。
この文様はこういった行為に及ぶたびに光るのだ。
体にも進化にも悪影響を与えるのだろうと分かってはいるが、彼はこの行為をやめようとはしない。
それどころか、下肢をみだらにくねらせてそれを懇願する。
私は、泡のついた指で相棒の鼻先をつついてやった。
「きゅう…」
相棒は小さく鼻を鳴らして、私のものをやや強めに吸い上げた。
小さな口では私のものをくわえることはできない。
小指の爪ほどしかない舌を懸命に伸ばしてそれを舐めながら体を上下させている。
時折、絶妙な力加減で体いっぱいに使って私のものを締め付ける。
私は低い呻き声を上げて相棒の顔中に白濁したものを放出した。
長い長い射精だった。
私の迸りを受けている間、相棒はびくびくと全身を震わせながら私のものにしがみついている。
それが余計に快感を呼ぶから、私は相棒を自身に擦り付けたまま強く腰を使った。
「ひっ、い…ま、待て…っ、あう!あっ…あっ!ああぁっ…!」
私のものが丁度きもちいい部分を擦ったのか、相棒は上体を仰け反らせて両手を放した。
そっと両手にだきとめると、相棒は全身をヒクヒクさせながら耳を垂らしている。
全身、白濁まみれになってしまった相棒を見て私は一言だけ。
「仕方ない、また洗ってやる」
それだけ言ってボディーシャンプーのボトルを取った。
デジモンにも発情期があるのだろうか?
そう独り言を言うと、ピリリと掌が痛んだ。
どうやら、掌を噛まれたようだ。
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初のサツクダです。擬人化じゃないですよー。
クダモン可愛いので好きですー。
脳内で♀変換してます(笑)