「マサルにいちゃん、いつになったら帰ってくるのかな」
夕刻と呼ぶよりも日の高い時間、洗濯物を取り込む背中に声をかけた幼い声がどこかつまらなそうな声をしている。
夏が過ぎ去ったとは言え、まだむし暑い日差しに照らされた茶髪の髪をふわりと丸めた母親はゆっくりと物干し竿にかけていたハンガーを取って室内にいる娘の姿を見やった。
娘は、おやつに与えたプリンを食べかけたまま椅子に座った姿勢でベランダの母親を見ている。
娘の足元には赤いランドセルが転がっていた。
今日は早帰りだからと元気よく家に駆け戻ってきた娘の知香は、母親手製のプリンを食べながら兄の帰りを待っている。
帰ってきてのんびり過ごしては、またすぐにデジタルワールドへ行ってしまう兄、マサルのいない家はとても静かだった。
知香の母である小百合は洗濯物を取り込む手を止めるとおもむろに室内スリッパに履き替えて娘の元へとやってくる。
食べかけのプリンをちらりと見てから、そっと頭を撫でる母親を見て知香はもう一度口を開いた。
「マサルにいちゃんがいないと…つまんないね…」
そう呟いた娘は椅子から飛び降りると、やにわに母親のエプロンに飛びついた。
兄にも母にも甘えたがりの年頃である知香は今の現状がつまらないのか目を細めて俯いた。
こうして暇を持て余していれば学校から帰ってきた兄が快く遊んでくれるのに、今はその兄がいない。
いればいたでうるさいし、子供っぽくてデリカシーのない兄だ。
それでも、こうして家にいないと心細い。
まだ幼い知香にとっては生まれてからずっと兄が傍にいたため、その兄が離れている現状がたまらなく寂しいのであった。
心の中で寂しいと分かってはいるが、口には出せずに"つまらない"と復唱する。
そんな娘を見て、小百合はうーんと小首をかしげた。
小百合には父の代わりもできないしマサルの代わりもできない。
何か、娘の気を紛らわしてやれる方法はないだろうか。
「…そうだわ、ねえ知香」
「なあに?」
小百合は、ポンと軽く両手を叩いた。
にこにこと満面の笑みを浮かべる母親を見て、知香は丸い瞳をぱちぱちと瞬かせながら首をかしげている。
そんな娘と同じ身長になるように座り込んだ小百合は、知香とよく似た顔で言った。
「これから、お母さんとクッキーを作らない?マサルとアグちゃんが帰ってきたらきっとおなか空かせてるでしょ。だから甘くておいしいクッキーで労ってあげるの。やってみない?」
小百合の問いかけに、知香はしばし目を瞬かせていた。
クッキーを食べるのは好きだが作った事はない。
それでも、兄やアグモンが喜んでいる姿を想像すると少しだけ笑みが漏れた。
「うん、あたし…やってみたい!お母さん、教えて?」
甘えた声で飛びついてきた知香を抱きとめた小百合は、すっかりクッキーの事ばかり考えてしまって取り込もうとしていた洗濯物を放置したまま台所に立った。
あまり使っていないクッキーの型やボールなどを棚から取り出して、タマゴ、砂糖、バニラエッセンスなどを冷蔵庫から出していく。
知香は念入りに手を洗いながら、ずらりと並んだ材料を見て口を開いた。
「ねえねえ、ホットケーキミックスは使わないの?」
「うふふ…今日は生地から作るのよ、だからがんばりましょう」
小百合は意味深に笑うとボウルにバターを入れ、卵黄や小麦粉を加えながら知香に生地を混ぜるようにと指示を出した。
知香は小麦粉の粉でパサついた生地を念入りにこね始める。
あまり力を入れて混ぜたらだめよ、と小百合が楽しそうに言った。
そうして生地も作り終え、型抜きをしてフルーツやジャムで軽くトッピングをしたあと、オーブンに入れたクッキーが香ばしい匂いを漂わせたとき、小百合はそっとオーブンの蓋を開けてクッキーを確認した。
きつね色になっているそれは甘ったるくて食欲をそそる形をしている。
「出来たー!わあ、これあたしが作ったクッキー?すっごくかわいい!」
知香は大喜びでクッキーを取って頬張りながらにっこりと笑った。
先ほどのつまらなそうな表情はかけらも見られない。
クッキーは知香の口の中でサクサクと砕けてとても良好だった。
これならスーパーで売られているクッキーよりも美味しいだろうと自賛しながら小さな缶にクッキーを詰めて知香が言う。
「マサルにいちゃんが食べたらきっと感激して涙流すよ、うまーいって!」
「うふふ…そうね」
すっかりクッキーの香りがする手で知香の頭を撫でながら小百合が頷いた。
外ではパタパタとハンガーにかけられたシャツが揺れている。
それに気づかず、小百合と知香はクッキー缶を持ったままリビングへと移動しながら先ほどの
クッキー制作について熱心に話している。
その時、控えめなチャイムの音が聞こえた。
「あら、どなたかしら」
小百合が壁時計を確認するとあと30分で16時になりそうだ。息子もそろそろ帰ってくるだろう。
もしかしたらマサルだろうか。
そんな事を考えながら玄関へ行こうとすると、先に知香がクッキー缶を持って走っていった。
「きっとマサルにいちゃんよ!あたし出てくるねー!」
早くクッキーを食べて欲しいのか、知香はクッキー缶を抱いたまま玄関へと走った。
もう一度控えめなチャイムの音が聞こえる。
知香は家のチェーンを外してからドアノブを掴んだ。
扉が開けられると、そこに立っていたのは見知らぬ白衣の男と数人の黒服を纏った男たちだった。
新聞の勧誘だろうかと知香は眉を寄せる。
「あのっ、新聞の勧誘なら…」
「大門知香さん、ですね?」
男は締まりのない笑みを浮かべて言った。
おずおずと頷いた知香の頭を軽く撫でた男はちらちらと知香の顔立ちを見てニヤリと口の端を上げた。
大袈裟すぎるほど両手を上げて愉快そうに手を叩いている。
「いやァ、プリティーキュートなお嬢さんですねェ…お母様にそっくりですよ」
「お、お母さんを知ってるの?」
どこかいやらしくも見える微笑みに、知香はぎこちなく眉を寄せた。
同時に、パタパタとスリッパの音をさせて後ろから現れた小百合は男の顔を見て目を丸くした。
「あら…倉田さん」
若干複雑そうな表情を見せた小百合は軽い会釈をした。
倉田と呼ばれた男は、小百合に大袈裟な褒め言葉を向けると図々しく家に上がっていく。
ぞろぞろと黒服の男たちが家に入っていった。
知香にとって、大きな大人がぞろぞろと入ってきて気分が良いわけはない。
もし、今兄が帰ってきたら満足に休めないだろう。
握ったままのクッキー缶に力を込めると、知香はおもむろに口を開いた。
「…あの、そんなに大勢で上がられたらマサルにいちゃんが帰ってきたとき…マサルにいちゃんがゆっくりできない…」
そう呟いた知香を小百合が控えめにたしなめようとするが、倉田は全く動じないまま笑った。
そのまま白衣のポケットに手を突っ込んで、3枚の写真を見せる。
写真にはどれも見覚えのある人物が映っていた。
知香は写真をまじまじと見て小さな声を上げた。
それに映っているのはトーマ、淑乃、そして兄であるマサル。すべて身近な人物だ。
倉田が口を開く。
「上の命令でね…この3人は記憶を消され、上層部の慰み者になったあとDATSを追放されました。大門小百合、大門知香、あなた方の記憶も消させてもらいますよ」
倉田がそう言ったとき、男たちが2人を拘束した。
背中から抱くように腕を回され、小百合が小さな悲鳴を上げる。
知香はおもわず身を乗り出して叫んだ。
「や、やめて!お母さんに酷いことしないでよ…っ!」
「ひどいことォ?」
知香の悲痛な叫びに、倉田はわざとらしく首を傾げてからゆっくりと小百合に歩み寄った。
記憶消去装置を手に取って、小百合の飛来にかざした倉田は僅かばかり考え込むように小百合を見つめてから装置をポケットに仕舞う。
装置を握っていた手が、やにわに小百合の乳房を掴んだ。
「そうですねェ…どうせ記憶を消すなら…楽しませてもらってもバチは当たりませんし…くくッ…若い人妻の体を食べさせてもらいましょうかねェ…」
ぐにぐにと乳房を大きく揉みこむたび、小百合が目尻に涙を溜めてかぶりを振る。
二児の母とは言え、まだ若い小百合の身体は張りがあり乳房もしっかりと揉みごたえがあった。
倉田は笑みを深めながら手の中の乳房を大胆に揉みしだいていく。
「大門英のような男の奥方にしておくにはもったいない。どうせなら私の妻になりますか?小百合夫人…」
そう言って小百合に顔を近づけた倉田はクッキーの甘い匂いをさせているエプロンを捲り上げて上着の中へと手を差し入れた。
肌を触られているショックから涙をこぼしていた小百合は、倉田を見て震えながら口を開く。
「あの人の…英さんの悪口を言わないでください…っ…!」
「何故です?もう10年も帰ってこないのに」
倉田はネチネチと責めるような言い方をしながら小百合の付けているブラジャーのホックを外した。
大きな胸が男たちの前に晒される。
恐怖からピンと尖っている桃色の突起を指で摘まれ、くりくりと転がされている小百合は小さくしゃくりあげながら言った。
「帰って…きます…帰ってくるんですっ!…だから、それまで…私が子供たちをまもらないと…ぁふっ…」
気丈を振舞っている小百合の声が上擦る。
間近でそれを見せ付けられている知香は両足をガタガタと震わせながら身を竦めた。
白い頬を赤く染めて、快楽と羞恥に抗う母親の姿を初めて見た恐怖がぐるぐると知香の中を回っていく。
倉田は、喘ぐ小百合の顔を見ながら周りの男たちに指示を出した。
黒服の男たちは小百合の服を1枚1枚脱がせて、エプロンだけの姿にするとふとももや尻を撫でながらニヤニヤと笑い始める。
それでも、歯を食いしばってかぶりを振る小百合は小さくしゃくり上げながら夫の名を呼んだ。
「英さん…英さぁん…ひっく…私…」
エプロン1枚で体を撫でられている小百合は目を瞑って時折びくびくと肩を震わせている。
倉田は眉を寄せて忌々しげに舌を打つと、知香を拘束している男へと目配せをした。
男の手が知香のスカートを強引にたくしあげる。
「い、いやぁっ!や…やめてよぉ!」
母親への仕打ちを見てすっかり萎縮している知香は、大きくかぶりを振って泣き喚いた。
下着の隙間に手を差し入れた男の指がもぞもぞと小さく動く。
知香は身を捩りながら手の中のクッキー缶を落とした。
床に転がる缶を見てふと兄をおもいうかべる。
「まさ、る…にいちゃ…うっく…いやぁああああっ!!」
室内に知香の絶叫が響いたとき、小百合が顔を上げた。
小さな花弁にグロテスクなものが挟まっている。
みしみしと音を立てて、乱暴に突き上げている男は愉悦の表情を浮かべながら知香を貫いていた。
「やめ…死んじゃう…ひぐ…ううっ…痛い、の…痛い…あぐっ…!」
「知香…っ!知香ぁ!!」
小百合は、おもわず失神しそうになって倉田に頬を叩かれた。
よく見るようにと顎を掴まれ、娘の犯されている姿を見せ付けられる。
小百合はぽろぽろと大粒の涙を零しながらかぶりを振った。
「や、やめて…!娘に酷いことをしないでくださいっ!私なら何でもしますから…お願い…っお願いっ!」
すがるような目で言った小百合を見て、倉田は口の端をヒクヒクさせながら笑った。
大分、サドの傾向が見られる倉田は自分のズボンの前を開けると小百合に突き出す。
男の腕から解放され、腰が抜けてしまった小百合の顔前に出されたそれは、大きな肉棒だった。
夫のもの以外受け入れないと堅く誓っている貞操の堅い小百合ではあるが、まさかこれを挿入されるのではと察して怯えながら倉田を見上げる。
倉田は小百合のほっそりした顎を撫でながら笑った。
「…じゃあ、私のものを気持ちよくしてもらいましょうかねェ?その口と、大きな胸で。奉仕くらい何度もしたことあるでしょう?大門英に。アツアツ夫婦でしたからねェ…あなたたちは」
倉田は嫌味ったらしい言い方をして小百合の後頭部へ手を移動させると、そのまま小さな頬に肉棒を押しつけた。
むせるような声が聞こえる。
小百合は視界の隅で弄ばれている娘を見て目を見開くと、すぐに豊満な胸で肉棒を包んだ。
震える手が乳房を掴んで肉棒に強く押し付けられる。
ぺろぺろと竿の部分を舐めながらくぐもった声を上げている小百合は、懇願するような目で倉田を見上げた。
倉田はわざとらしくため息をつくと、知香を蹂躙している男に命じて知香を解放した。
そのまま知香を連れてくると、小百合の隣に並べてニヤニヤと笑みを浮かべている。
知香は、小百合の首筋に顔を埋めてガタガタと震えていた。
「おかぁ…さん…おかあさ…ひっく、うう…」
泣きじゃくっている知香のふとももには血が滴っている。
それさえも倉田の欲望をそそり、倉田は知香の肩を掴んだ。
顔を涙でぐしゃぐしゃにして、しゃくりあげている知香は倉田を見ると何度もかぶりを振りながら小百合を抱きしめている。
「おか…さ、んに…ひどいこと…しな…いで…!」
「おやおや、あんな事されてまだそんな事が言えるんですか?そのしぶとい所、あなたのお兄さんにそっくりですねェ…。さあ、知香さんも私にご奉仕をしてもらいましょうか。断れば小百合夫人がひどい目に合いますよ?」
倉田は知香の髪を乱暴に掴むと自らの肉棒に押し付けた。
息が止まるような声が聞こえる。知香はぼろぼろと涙をこぼして肉棒の先端をそっと舐めあげる。
小百合は、間近で同じ肉棒を舐める娘を見てきつく眉を寄せた。
悔し涙をこぼしながら、乳房で倉田のものを挟んで扱いていく。
「んっ…ふ、はぁ…んっ、ん…もうゆるしてください…知香に手を出さないで…私はどうなってもいいから…」
「いやでェす」
倉田はわざと間延びした声を出すと、白衣の中に忍ばせていたデジヴァイスを手に取った。
見慣れないそれを見て、小百合も知香も目を瞬かせている。
デジヴァイスを手にした倉田は下品な笑みを浮かべながら言った。
「ふふ、これは私が改良に改良を重ねたデジヴァイスですよ。そろそろ乱交パーティーといこうじゃないですか…ギズモン、リアライズ!」
倉田がそう言ったと同時に、室内に大きな紫色の機械が現れた。
床にぼたぼたと緑色の汁をたらしながら、それの下肢から触手のようなものが伸びてくる。
本体は機械のような無機質な作りをしていたが、伸ばされた触手はなまあたたかく、ぬるぬると滑っていて蛇のような動きをしている。
触手がぐるりと小百合たちの体に巻きついた。
にゅる、と音を立てて液体を噴き出しながら触手が豊満な胸やエプロンの下に忍び込む。
まるで無数の手に触られているような感覚を覚えて、小百合は大きくかぶりを振った。
「い、いやぁ…ああっ…!やめてぇっ…何なんですか…これは…ぁあっ!」
触手は甘ったるい匂いを吐きながら知香の体にも絡み付いていく。
まだ幼く平べったい胸にべたりと張り付いて、ズリズリと音を立てながら知香の体を擦っていく。
血を垂らしているふとももにも数本の触手が伸びた。
「や、やめてぇ!もうそこ…いじめないで!いやだよぉ…!!」
知香が声を上げると、触手は先端から緑色の液体をぶしゅ、ぶしゅ、と何度も吐き出しながら知香の花弁を濡らした。
ひんやりしたそれが花弁に触れるたび、知香は抑えた声を漏らす。
触手は知香の膣に挿入することはなく、ただ股の間に入り込んでくすぐるように上下しているだけだ。
「な、何なのよぅ…ひあっ…あ、あぁっ…くすぐったい…!」
敏感な肉芽を擦り上げられて、知香が小さな悲鳴を上げる。
すっかり濡れそぼった花弁を弄りながらギズモンの触手が幼い膣へと忍び込んでいった。
破瓜の痛みを癒すように、ゆっくりと挿入されたそれはとめどなく液体を吐き散らしながらみだらな音を立てた。
痛みどころか快感さえも引き出す触手の動きに、知香は強く目を瞑ってかぶりを振る。
「や、やだぁ!…は、うぁ…こんなのやだよぉ!…たすけてっ、マサルにいちゃん!」
「イヤ?その割にはずいぶん濡らしてますねェ…」
倉田は他人事のように言ってのけると、腰が抜けてしまっている小百合の体を抱き上げて笑った。
乱暴に脚を開かされて、羞恥に目を瞑る小百合を満足そうに見つめながら倉田が言う。
「ギズモンの子供と私の子供…どちらを孕みたいですか?」
眼鏡の奥の瞳をギラギラと光らせて言った倉田は、すっかり濡れそぼった花弁に指を差し入れた。
部屋の中に響き渡る淫靡な音が知香や小百合の性感をますます高めていく。
小百合は、何度もかぶりを振りながら倉田の肩を弱々しく押した。
「どっちもいやぁ…っ…私には英さんしかいないんですっ!英さん…英さんっ、あ、ああぁっ…」
「ほーら、もう指が3本も入っちゃったじゃないですか。どうするんですか?小百合夫人…」
倉田が挑発するように言うと、控えていた男たちが小百合を羽交い絞めにして背後から大きな乳房を揉みしだきはじめた。
ある者は自らのグロテスクなものを小百合の口へ押し込んで乱暴に腰を振っている。
まだあどけなさの残る顔をした小百合は、男の先走りやら触手の液体やらで顔を濡らしてひどく淫猥な表情をしている。
すすり泣くことしかできない小百合に、倉田はすっかり勃ち上がったもので花弁をゆっくりと撫でた。
その焦らすような行為に、小百合は喉奥で声を殺しながら腰をもぞつかせる。
「…っあ、だめぇ…いれないで…!いっ…いやぁあああぁ…!!」
小百合の悲痛な叫びも無視するように、倉田は乱暴に腰を突き上げた。
二度、三度の突き上げで根元まですっぽりと入ってしまったそれは小百合の膣内をこねくり回すように暴れ始める。
倉田のものを受け入れた小百合の膣はヒクヒクと収縮を繰り返しながら大きな肉棒を締め付けていく。
腰を突き上げるたびに襲いかかってくる快感に笑みを浮かべながら倉田が言った。
「くくく…大門英のチンポよりもずっときもちいいんじゃないんですかァ?こんなに締め付けて…」
卑猥な言い方をして、倉田が桃色の肉芽を指で摘む。
それだけで小百合はつま先を震わせながら嬌声を上げた。
ぽろぽろと涙を零しながら、苦しそうに泣きじゃくっている。
「う、うぁ…あっ!英さんごめんなさ…英さん…っ…ふあ、あぐ…っ…」
小刻みに腰を突かれて、小百合は柔肌を桃色に染めながら身をくねらせた。
1人で時たま欲望を開放する事はあっても、不倫をしたことはない。
10年間もの長い間性行為をしていなかった小百合にとって、今の状況は抗いたくても身体はすっかり倉田を求めている。
敏感な所を擦り上げられたり、卑猥な言葉で罵られるうちにじわじわと快感が増していった事に気付いたらしい。
小百合は、夫の名前を出しながら倉田に合わせるように腰を使った。
「ああぅ…いいの…すごくいいのっ…はあっ…ああ…奥にぃ…当たってるの…英さんっ…!」
みだらなダンスをするように腰を揺らす小百合を遠めで見ながら、知香は朦朧とした意識のなかで兄の事を考えた。
ここにマサルにいちゃんが来ればこんな人たちやっつけてくれるのに、と意識を飛ばしながらも体内に入り込んできた触手の動きで現実に引き戻される。
いつの間にか、目の前に黒服の男がニヤニヤと笑って知香を見下ろしていた。
すっかり敏感になってしまった花弁を、男の手がまさぐる。
触手の液体で慣らされたのか、指は一本だけすっぽりと挿入された。
「…んぁ…あそこが熱いよ…はう…」
既に抵抗する気力もない知香は、両足を擦り合わせながらねだるように男を見た。
母親の痴態を先ほどから見せ付けられてすっかり気が高ぶっているらしい。
小さな手で己の花弁をなぞりながら男を誘うように腰を揺らす。
男は、知香の花弁を押し開くとサーモンピンクの綺麗な膣肉に太いものを突きたてた。
知香は僅かばかり苦しそうな表情を浮かべるが、すぐに揺さぶられるまましゃくりあげるような声を漏らした。
「んっ、んあ!あっ、あ…おちんちん…熱いよぉ!んっ…ん…いやあ…ぁっ!」
ぐちゅ、と小さな花弁から蜜が漏れていく。
打ち付けるように腰を揺すられて、知香は背を逸らして声を上げた。
平たい乳房のてっぺんで尖りきった桃色の突起は触られてもいないのに堅く勃ち上がっている。
男の動きに合わせて腰を揺する知香は小百合の痴態を目に留めてぼんやりと目を瞬かせた。
「おかぁ、さ…うぁっ…うう…あっ!あ…きもちいいよぉ…!」
ふっくらとした小さな尻をびくびくと揺らしながら甘ったるい声を上げる知香は男の体にしがみついてよがり声を上げた。
そんな娘を見て、床を愛液でべたべたに濡らした小百合もうっとりとした表情を浮かべながら名も知らぬ男のものをしゃぶりながら腰を揺らしている。
レロレロと先端を舌の腹で刺激しながら小百合が与える愛撫に耐え切れなくなったのか、肉棒からは白濁した液体が飛び散る。
小百合は、白く濁っているそれを舐めて倉田を見やった。
「…んんっ、はあ…あっ…もう…だめ、です…倉田さんっ…私…壊れちゃうっ…!」
悲痛な声で解放を求めながら腰を揺らす小百合の声に、倉田はこの上ない満面の笑みを浮かべてギズモンや部下達に目配せをした。
最後の仕上げをしてやろう、ということらしい。
ガクガクと揺さぶられ、精液や触手の液体まみれになった大門母娘は、そのまま記憶を消されるまで犯され続けた。
「かあさーん…母さん!知香、起きろってば」
間延びした、子供っぽい掠れた声が頭から降りかかってくるのを感じて、小百合は目を覚ました。
いつの間にかソファに寝転んでいたらしい。
それをおもいだして、うっすらと微笑んだ小百合を見つめていたのは愛しい夫に良く似た人物。
ふと物悲しさを感じて、小百合は彼の首筋に抱きついてしまう。
懐かしい匂いがした。
「英さん…」
「どわっ!?ばっ、バカ…いつまで寝ぼけてんだよ!俺だ、どうみてもマサルだろっ!」
慌てて小百合を引き離したのは、長男のマサルだった。
マサルはクッキー缶を手にして丸い目を瞬かせている。
気がつくと、知香は小百合の膝の上でぐっすりと眠っていた。
軽く揺すってやると、寝ぼけたような声が返って来る。
そんな2人を見てマサルが腰に手を当てた。
「何やってんだよ、もー。さっき天気雨が降っててさ…洗濯物慌てて取り込んだんだぜ?」
「あ…あらあら、ごめんなさい…母さんたら忘れて眠っちゃってたのね」
「お母さん…ぽやーっとしてるんだからー」
子供2人に言い寄られて小百合は照れたように笑った。
ふと、知香の目線がマサルの手にしているクッキー缶へうつる。
それに気付いたのかマサルはクッキー缶を軽く揺らしながら、小百合や知香によく似た笑みを浮かべる。
「これ、誰が作ったんだ?すっげー美味かった」
「あ、あたしとお母さんだよ!」
慌てたように声を上げた知香は、少しだけ眉を寄せて首をかしげた。
クッキーを作ってから、ソファで寝るまでの記憶が曖昧だ。
だがそんな事も、兄の笑顔に比べたらどうでもよかった。
「また作ってくれよ、もうなくなっちまったからさ」
そう言ったマサルは、知香の頭をくしゃくしゃと撫でて満面の笑みを浮かべてくれる。
無遠慮に髪型を乱す行為は煩わしかったが、今ではそれが逆にきもちよかった。
自然と、知香の瞳に涙が浮かぶ。
ずいぶんの間、兄の顔を見ていないような気がした。
おもわず飛びついた知香を抱きとめたマサルは、きょとんとした顔をしてから知香と同じ目線になるよう座り込む。
全く変わらない、少しだけ大人びた兄の顔が目の前にあった。
「…どうした?」
「何でもない…」
知香は、泣き顔を見られてはにかみながら小さくかぶりを振る。
そのまま、まだ寝ぼけている小百合にふりかえると子供っぽい声で夕飯を急かした。
少しだけ感じる頭痛と、下肢のいたみに眉を寄せながら。
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日記にもちらっと書きましたが10月中旬に書き終えたやつです〜。
大門母娘受はずっと書きたかったのでこれでひとつ野望達成しましたー(笑)