ソファに沈んだ体が揺れる。
オレはたぶん犯されてる。
たぶん、ってのはオレに犯されてる自覚がないから。
なんだろ…頭がボーっとしてんだよな、さっきから。
コイツ何か盛っただろ。

「…っぐ…ひぃ…!」

オレの喉からオンナみてーな声が漏れる。
両手首は頭の上でキツく縛られてる。
ホラあの、注射するときに腕に縛るゴムみたいな、そんなやつで。
手首をギュッと強く縛られているから、血が止まって指先が冷たくなっているのが分かる。
けどオレにはどうしようも出来ねェわけ。
体に力が入らねーんだから。

「コウキくん…まさか男に抱かれ慣れてるって事はありませんよねェ?吸い付いてきますよ、コウキくんのココ…」

「…っあ…あ!」

オレの体の上に乗っている男が乱暴に腰を動かす。
マジやめろ。うぜぇ。
目だけで反抗してやっても、アイツは見ちゃいない。
つかどこ触ってんだよ、オイ。
きもちワリー。マジできもちワリーから。
もう終わりにしてくれよ。痛い。
手とか、そことか。さっきからスゲー痛ェんだから。

「…んぁ…は、ん…」

オレにこれ以上きもちワリー声出させんじゃねェよ。
今どんな顔してんのかわかんねーけどスッゲーみっともない顔してンだろ?
それを見てテメェはニヤニヤきもちワリー顔で笑いやがって。
マジでこっち見んな。
嫌だ。嫌だ。
「楽になりたいなら言う言葉がありますよね?言いなさい、コウキくん」

男がオレの耳朶に舌を這わせる。
やめろやめろやめろやめろやめろ。
そこ吸ったらどうなるか分かってんだろーな?
オレにこんな事してどうなるか、分かってんのか?

「…ひ、ふぁ…ん…倉田ぁ…ぁあっ…」

ぶっ殺す。
オレは震える口で男を呼んだ。
すぐ傍で男が笑みを深める。
だからコッチ見んなって言ってんだろ。

「…あ…んぅ…セーエキ…ほし…イカせて…くらたぁ…」

オレの口から突き出された舌から唾液が滴る。
尖りきった乳首をなぞるその手が、ぴたりと止まった。
止めてんじゃねーよ。殺すぞ。

「…素直な子は好きですよ」

眼鏡の奥の瞳が細められる。
近付くな。やめろ。早く。来て。違う、来るな。
やけに自分の息がうるさい。
全身で息をしているみたいな、そんな感覚。
ねっとりと、口のピアスを男の舌で舐められた。
きもちワリー。

「…ふ…あぁ…くむ…ちゅる…くらた…早くっ…もう、オレ…っ…!」

マジで、何言ってんだろ。
オレがこんなおっさんに従うはずないのに。
…そうおもってたのに。
オレは誰にも負けねーし、あのクソ生意気な大門マサルにも負けたくない。
だからこの男の「きみを今よりずっと強くしてあげますよ」って誘いに乗ったのに…この大嘘つきが。
変態ジジイ。最悪だ、ギズモンに潰されてくたばれ。

「ほら…コウキくん…出しますよォ…!ひひひッ…」

そのきもちワリー笑い方やめろよ。
なんつーか、ねちっこい。
オレの体を揺するテメェの動きもきもちワリーし。

「…ぁ…あうっ…出ちま…んっ、ひ…う、ぁああああァ…ッ!!!」

オレは男から逃げることもすがりつくことも出来ないまま、イッちまった。
こんなの、オレの自伝の黒歴史だ。最悪だ。
翼聖さまともあろう男が男に抱かれて、イッちまったなんて。
自伝には何て書こう?
男にレイプされました、ってか?ふざけんな、オレの大事な自伝が汚れる。

「…くら、たぁ…もっと…んぅ…」

「おやおや…可愛い事を言ってくれるじゃァないですか、コウキくん」

そうだ、こう書くことにしよう。
変態科学者に殺されそうになったけどオレは逆に科学者をねじ伏せてやった、って。
そのほうがカッコいいだろ?
「…オレのこと…いっぱい、犯して…クダサイ」

なんて。
オレの頭は現実逃避することしかおもい浮かばない。
口が勝手に喋ってんだよ。オレは何も言ってない。何も知らない。何もされてない。
自伝の黒歴史はオレ自身が抹消しなきゃいけないんだから。

















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ミクシで書き散らしたコウキ受ですー。しかも倉コキとかマイナー…デスガ!(笑)
現在とってもコウキ受に萌えてます。