「おーい、こっちこっち」
健康的なふとももをむき出しにした部下は浮き輪を片手に手を振った。
夏の暑い日差しがチリチリと肌を焼く。
私の肩にもたれているクダモンも、すっかり夏バテで伸びていた。
そんな中、休暇という事で今日は地元の海でのんびりと少し早い夏を満喫している。
早速楽しんでいる様子の子供たちを見ながら私はビーチパラソルの下でのんびりと飲み物を飲んでいた。
すぐ傍では、サングラスをしてうつ伏せになっている部下の姿がある。
私は小さく咳払いをした。
「トーマ、君も大のように海に入ってきたまえ」
私がそういうと、トーマはサングラスを少しだけずらして拗ねたように眉を寄せた。
サンオイルをガオモンに塗らせている途中だったためか水着は解けていて、ちらりと発育途中の胸が覗く。
いかんいかん、私は大人なんだぞ。子供に欲情してどうする。
「肌を焼くことの意味が分かりません。皮膚ガンにもなります」
トーマはマセたことを言ってオイルの瓶を手に取った。
そうしてガオモンに目をやる。
「ガオモン、さっきから海ばっかり見ているな。行っておいで」
「イエス、マスター」
トーマの背にオイルを塗っていたガオモンは、主人の言葉に表情を明るくすると早足で砂浜を駆けていく。
海が好きだなんて可愛いところもあるじゃないかとおもっていると、トーマはオイルを私へと向けてどこか誘うような顔をする。
私が眉を寄せると、案の定。
「隊長、ガオモンの代わりに塗ってください」
「…はぁ」
私はため息をついて瓶を取る。
そうしてゆっくりとトーマの隣へ腰掛けるとオイルの匂いがした。
べたつくオイルを手にしてトーマの背に塗りつけていくと、さも当然といったようにトーマが目を瞑る。
一応私は隊長なんだが。
そう言いたいのをこらえて、私は両手でトーマの背を撫でていった。
トーマがサングラスをかけなおす。
「…隊長、上手ですよ」
「褒められても嬉しくはない」
「…硬派なんですね」
「子供が何を言ってる、大人を誘うな」
「…え?」
しまった。
私は手を止めた。
トーマは少しだけサングラスをずらして不思議そうに私を見たあと、みるみるうちに白い頬を赤くして身を堅くする。
そのまま、下腹部にかけていたタオルを私に投げつけた。
「何を考えているんですか!僕はそういうつもりで言ったんじゃありません」
そう言って抗議をし始めたトーマはすっかり上体を起こしてしまっているからふくよかな胸が私の目の前に晒されるハメになる。
つんと上を向いた桃色の突起が揺れていた。
乳房の形も、型崩れはせずにしっかりと丸みを帯びている。
私は小さく咳払いをして、軽く胸を指した。
すぐさまトーマが胸を庇う。
不意打ちだったらしく、トーマはびっくりしたような顔をしていた。
「すいません…隊長」
「人前で素肌を晒すんじゃないと教えただろう?」
「はい」
私は大きくため息をついた。
トーマは裸を見られることに抵抗が無い。
日本に来たトーマに、私はきちんと教養をつけてやるためシャワー室の脱衣所でむやみに裸を晒すなと言い聞かせた。
視線を逸らしている私を見て、トーマが目を瞬く。
そうして身を乗り出すと、私の顔とは別のところを見て不思議そうに言った。
目の前でトーマの胸が揺れる。
「隊長の生殖器が勃起していますが…」
「馬鹿者、触るんじゃない!」
邪気なく私の下腹部に手を伸ばしてきたトーマを払って、私はビーチパラソルから抜け出た。
トーマと一緒にいては心臓が持たない。
せっかくの休暇なのに、何故こんなに疲れるのだろうか。
「たいちょー!隊長もやろうぜぇ、ビーチバレー」
砂浜の上で大が大きく手を振った。
健康的な肌と、引き締まった体つき。
胸は14歳らしく適度に膨らんでいた。
トーマとは大違いだ。
ちゃんと日本人としての教養も備わっているのかは謎だが。
「何だ、3人でビーチバレーをしていたのか」
私がゆっくりと大へ近付くと、アグモンやガオモンもビーチバレーに参加しているようだった。
大は膨らませてあるボールを手でむにむにと弄りながらこくんと頷く。
トーマは参加してくんねーし、と呟く大に私はおもわず吹き出した。
ビーチパラソルの下でのんびりとメロンソーダを飲んでいるトーマは海に入らずとも満足しているらしい。
結局、4人でビーチバレーをやることになった私たちは2チームに分かれて敵チームと向き合った。
私と大、アグモンとガオモンという公平なチームだ。
大は砂浜の上に横線を引くと、すぐ私の元に走ってくる。
「隊長、あそこの線からこっちが俺たちのエリアな。うー、燃えてきたぜぇ!」
大は花柄の明るい水着に負けないくらいの笑顔で言うとすぐにボールを高く投げた。
バシンと音を立ててビーチボールがデジモンチームへと飛んでいく。
それをガオモンが跳ね返した。
なかなか、こういうのも童心に返ったような気分で楽しいかもしれない。
私はそれなりに良い汗をかきながらビーチバレーを楽しんだ。
お互い油断せずに激しい攻防戦を繰り広げているためか得点は未だ0だ。
飛んだり跳ねたりしている大はすっかり息を上げて汗だくだった。
ここは私が大の手助けをしなければいけないようだな。
「くらえーっ!!」
アグモンが放ったボールがすぐ私の目の前に飛んでくる。
丁度、叩き落せそうな距離だ。
大は私からずいぶん離れていて、瞬時にはボールへたどり着けそうにない。
私は目を細めると、見よう見まねでボールを叩き落した。
ぼふ、と砂の擦れる音がして、ボールはデジモンチームの砂を抉る。
アグモンとガオモンはしばし目を瞬かせて驚愕していた。
大はと言えば、大きくガッツポーズをして私の首筋にいきなり飛びついてくる。
「すげーじゃん!さっすが隊長!!俺、信じてたんだからなーっ」
大は調子の良い事を言ってがくがくと私の肩を揺らした。
ただでさえ暑くて頭がくらくらするというのに、そんなに揺さぶられたら失神してしまう。
私は大の抱擁を解くように一歩後ずさった。
しかし、かかとが砂を蹴った瞬間体が大きく揺らぐ。
「うわ…」
私は大きな音を立てて砂に倒れこんだ。
おまけのようにして大も私の胸に倒れこむ。
ここがたっぷりと砂のある地でよかったと内心おもいながら、私はくらくらする頭を振って目を開いた。
私の胸に顔を寄せるようにして倒れている大は小さく唸りながら顔を上げる。
「いってぇ…急に倒れんじゃねぇよ」
「お前が悪いんだろうが、この馬鹿者!」
「すっ、すいませーん…」
私の一喝に大が肩をすぼめた。
そうして上体を起こした大の体についたあるものがゆっくりと私の胸に落ちていく。
正確には、私がそれを握っていた。
倒れる瞬間におもわず掴んでしまったのだろう。
それは、肩紐だけで結ばれた水着、だった。
水着は私の胸に落ちて代の膨らみかけた乳房を露にさせた。
至近距離に大の乳房がある。
私の視線と胸の異変に気付いたのか、すまなそうな顔をしていた大が私の手に握られた水着を目にして息を飲んだ。
「ぎゃーっ!!!」
色気のない悲鳴とともに何発も顔に鉄拳を食らう。
ようやく鉄拳が止んだ頃には私はもう心身ともにズタボロだった。
息を切らせた大が泣きそうな顔をして胸を庇う。
トーマとは大違いだ。
「う…うっ…母さんにもロクに見せたことねぇのに…」
胸を庇ってそう零した大の声には可愛らしいものが混じっていた。
健康的な肌と、手で庇われた胸の形などが私にいらぬ妄想をさせる。
しかも、幸か不幸か丁度私の下腹部の上には大のふっくらとした尻が当たっていた。
柔らかい新鮮な器官が、大が身を捩るたび直に感じる。
それに気付いたのか、大が私の腹辺りを見て少しだけ恥ずかしそうに眉を寄せた。
「た、隊長…何か当たってんだけどさ…これ、何…んっ…」
大の口から小さな吐息が聞こえる。
最近の子供はどうしてこうも早熟なのだろう。
私は自然と腰を突き出したような体勢になった。
びくりと大の肩が震える。
それでも、私の上からどこうとはしなかった。
なかなか感じやすい体質のようだ。
「…んん、く…あ、隊長のが硬いよぉ…」
艶を帯びた大の声に、私はここが外であるということも忘れて大の下腹部をまとう布を引き破ろうかと手を伸ばしてしまった。
だが同時に、手の甲に痛みが走る。
何事かと目を向けるとすっかり機嫌を損ねたクダモンの姿があった。
「薩摩、貴様…ビーチバレーで散々私を振り回して、あげく砂地にほおり投げた後に大に不埒な事をして…」
バテていたはずのクダモンは殺気を露にして私を睨んでいる。
よく分からないが嫉妬をされているのだとおもうと悪い気はしない。
私はゆっくりと手を持ち上げるとクダモンも私の手を銜えたままぶら下がった。
時を同じくして、後ろから砂を踏みしめる音が聞こえる。
仁王立ちになっているトーマ、アグモン、ガオモンの姿だった。
「隊長…僕にはあんなにうるさく裸を見せるなと言っておいて、大にはそんなことをするんですね」
「俺のあにきに何やってんだよぉ、薩摩のへんたーいっ!」
「…子供の水着を脱がせるとは…大人として最低ですね」
頭の上から降ってきた声に、さすがに言い返せなくなる。
明らかに嫉妬している様子のトーマは、大の体を立たせると私の手から水着をむしりとった。
そうしてきつめに、大の胸を縛っていく。
「いでっ!ちょ、トーマてめえ…隊長に構ってもらえなかったからって妬いてんじゃねーよっ!」
「うるさい!どうせ君が隊長を誘惑したんだろうがっ」
「お前だってしてたじゃねーかよ、巨乳トンマさんッ!!」
「僕はトンマじゃない!この貧乳オサルめッ!」
ぎゃあぎゃあと言い合いを始めてしまった2人を見て、私は大きくため息をついた。
これで本場の夏になったら私はどれだけ神経をすり減らす事になるのだろうか。
それを考えると、再び頭がくらくらした。
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初女体物が薩摩隊長になりました(爆)
大は微乳、トーマは巨乳だと萌えです。