「ゼロ、失礼します」

ノックと短い声のあとに、そっと室内に入ってきた少女は何やら後ろ手に小さな箱を持っていた。
俺は丁度シャワーを終えて、アジトに設置している自室のソファでくつろいでいたところだ。
しっかりと仮面をつけて「ゼロ」の姿のまま少女と対面する。

「どうした」

「あの…今日はバレンタインですよね」

少女、カレンは声に恥じらいをこめたような、それでも平静さを装ったようなハキハキした声で言うとおもむろに手に持っているものを差し出した。
カレンの手にあるのは、丁度両手にすっぽり入るほどのハート型をしたピンクの小箱。
小箱を手にしている指にはいくつかの切り傷が見られた。

「…コイツを作って切ったのか」

俺が問いかけると、カレンは大きくかぶりを振って否定した。
その顔はすっかり真っ赤になっている。
分かりやすい。
俺は仮面の下で笑った。
俺の笑みなど気付かないカレンは、ピンクの小箱を差し出して小さく息を吸う。

「毎日お疲れ様です。受け取ってください」

「ありがとう、カレン」

俺が小箱を受け取ると、カレンは見ているこっちが微笑ましくなってしまうくらい穏やかな笑みを浮かべて頷きを返す。
小箱を開けると、カラフルなチップを散りばめたチョコがちょこんと入っている。
チョコの下に隠れるように、メッセージカードが置いてあった。
カードを取って中身を確認しようとすると、慌てたようなカレンに押しとどめられる。
カレンは俺の腕を掴んで、メッセージカードから離した。

「あっ!そのっ…今はだめですっ!私がいるときに見ないで…」

カレンは真っ赤な顔で言った。
そんな顔をされると意地でも見たくなってしまう。
「やましいことでも書いてあるのか?」

俺の問いかけに、ただかぶりを振るカレン。
カレンは俺の腕を掴んで、そのまま恥ずかしそうに視線を逸らした。
俺は、黙ってメッセージカードを開いた。
カードには「いつもお疲れさまです」とだけ書かれている。
これのどこがカレンをあそこまで赤面させるのだろう。
カードを読んだ俺を見て、カレンは肩をすぼめて俯く。

「…っ、もっと気が利くを書けばよかった…のに、その、私…ごめんなさい…」

ひとりごとのように呟いたカレンは、遠慮がちに体を離して一礼した。
俺を見上げたその瞳は何かを求めるように潤んでいる。
求めるように見えたのは俺の気のせいかもしれないが。

「用はそれだけか…」

短く、できるだけ無感情に言ってのけると、彼女は頭を下げながら返事をした。
ただ帰すのはもったいないな。
男の欲が、少しだけうずく。
俺はカレンのおとがいを掴んだ。
この女は魅力的な体をしている。
ふっくらとした豊満な胸に、柔らかそうなふともも。
極上の抱き心地は毎夜味わっている。

「カレン、少し話そう」

そう言うと、カレンは素直に頷いた。
簡易ベッドに腰掛けてカレンを手招くと、彼女は大人しく俺の隣に座る。
何をされるのか薄々感づいているのだろう。
カレンは俺を見ずに俯いている。

「…いつもしていることだ。できるな?」

「はい…」

短い会話の後、俺はカレンの体をベッドに寝かせた。
上着をずり上げて大きな乳房を露出させると、ぷるんとした張りのあるそれが露になる。
俺はすぐに部屋の明かりを消した。
仮面を外して、服も乱暴に脱ぐ。
聞こえるのは衣擦れの音だけだ。

「はっ…んん…ふぁ、ゼロ…」

掌で大きな乳房を愛撫しながら、俺はカレンの唇に口付けた。
すぐに鼻にかかったような声と甘ったるい吐息が耳に入ってくる。
俺は手探りでチョコの入った小箱を取った。
小さなチョコを手に取って口にほおる。

「…甘いな…」

そう言ってカレンの唇に口付ける。
舌で熔けたチョコを送り込むと、カレンは喉を鳴らしながらそれを飲み込んだ。
乳房への愛撫をやめた俺はカレンの下腹部へと手を伸ばす。
デルタをなぞると、そこは幼児のようにつるんとしている。
以前、忠誠の証として俺が剃らせた。
だから何も生えていない。生まれたときのままだ。

「いっ…やぁ…はずかし…い…」

カレンは息を荒げながら俺の手を挟むようにふともも同士をすり合わせる。
指を下ろして膣口の周りに触ってみるとそこはすっかり濡れていた。
本当によく感じる女だ。
俺は前触れもなく、カレンの花びらをかきわけて指を二本挿入してやる。
くちゅ、くちゅ。
卑猥な音と共にカレンの花びらからは愛液がとめどなく溢れていた。

「んぁ…ひ、はふ…だめぇ…!いや…あっ…音、あぁっ!」

「いやらしいな、こんなに溢れて…私の指を濡らしているぞ?」

指を動かしながら、自分でもわざとらしいとおもう言葉を投げかけると、カレンは泣きそうな声で「言わないで下さい」と叫んだ。
腰をもぞもぞと動かしながら言われても説得力さえない。
親指で肉芽を責めながら、俺はさらにカレンへ言葉をかけてやる。

「クリトリスが堅くなってきたな…前より感じやすくなっているんじゃないか?普段からこうしているんだろう…?」

「ちがう…違い…ますっ…あふっ…あっ!あっ…そこ、はぁっ…あぐっ…」

カレンの抗議など、俺は耳に入れなかった。
足を大きく開かせて、膣口を指で押し開く。
その間も親指で肉芽を責める事は忘れない。
カレンは腰を浮かせて私を呼んだ。

「ぜろぉ…もっと、もっとくださいっ…はぅ…あぁ、んくっ…」

しゃくり上げるような声でそう言ったカレンは俺を求めるように両手を伸ばす。
暗闇の中で、カレンの濡れた瞳が俺を見つめていた。
柔らかなふとももが腰にまとわりつく。
学校ではセックスなんかに興味がないような顔をしておいて、夜はゼロである俺と絡み合っていやらしい声を出している。
それを考えるたび笑いが止まらない。

「入れるぞ、カレン…力を抜くんだ」

俺は、すっかり濡れそぼった花びらに自分のものを突き立てた。
くちゅ、くちゅ。
部屋の中に水音が響く。
ベッドのスプリング音がうるさい。
だがその音に性感が高められるのだろう。
カレンはシーツを握り締めてきもちよさそうな声を上げている。

「あっ…あうっ…ゼロ…ゼロ…ああぁっ!突いちゃ…だめ…ふぁっ…!」

ほっそりした腕が俺の背に回される。
しがみつくように俺の愛撫を受けて声を上げているカレンは、口付けをねだるように小箱の中にあるチョコをくわえた。
くわえたチョコを見せて、俺に口付けを求めようとする姿は色っぽい。
そんな事で俺の心は揺るがないのだが。
所詮カレンは俺の部下。それ以上でも以下でもない。
それを口にすると、カレンは目元をゆるめて笑った。

「それでもいいんです…ゼロに必要としてもらえるなら、何をされたって構わない…。エッチな事だって平気です」

カレンは、それだけ言って俺に口付けた。
小さな唇がチョコを押し当ててくる。
互いの熱で溶け合ったチョコが口の端に伝った。
俺はカレンの体内を突き上げながら性感を高めていく。
大きな乳房を揉みしだいて、目の前の体を貪った。

「はぁっ…私、もう…あっ!ひ…ゼロ、好きです…んあっ…はあぁ…っ!」

切羽詰ったような声とともに、カレンの膣内がキュキュッと俺のものを締め上げる。
俺は小さな乳首を指の腹で擦った。
そこが弱いのか、カレンの声は甘ったるいものへと変わっていく。
互いの吐息もチョコの甘い匂いで満ちていた。

「ぐっ…出すぞ…カレン!」

俺は徐々に荒々しい突き上げになりながらカレンの体を揺さぶる。
組み敷かれているカレンは虚ろな顔で喘ぎながら俺を呼んでいた。

「はっ、ああぁっ…ゼロ、ゼロっ…私も…イッちゃうっ…ぁああああっ…!!」

尾を引く喘ぎ声を上げたカレンは甘い液体を花びらから吐き出して達した。
カレンの体内にたっぷりと濃い精液を注ぎ込むと疲労感…そして満足感に近いものが襲ってくる。
俺はカレンの頬に口付けて髪を撫でてやった。
室内いっぱいにチョコの匂いが広がっている。

「…甘い、です…」

カレンはキスをねだるように俺へ擦り寄った。
チョコの匂いを全身から漂わせてそんな事を呟いた彼女は、ゆっくりと目を伏せて小さく肩を上下させている。
甘い匂いの寝息を聞きながら、俺は何となくチョコを口に含んだ。
ほんのすこしだけカレンの匂いがする。
好かれるのは嫌いだが、割り切った関係は心地いい。
そんな事をおもいつつ、俺はすぐに仮面をつけた。
バレンタインだろうがなんだろうが、黒の騎士団に休みはない。

「もう少し寝かせておいてやるか…」

俺はそれだけ呟いてカレンに布団をかけた。
情が移ったような気がしたのはその時だけだ。
飼い犬を手放すようなきもちで、俺はベッドから抜け出した。

















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ギアス小説第二弾。ノーマルです。中の人込みでカレン大好きです(笑)
ギアスに出てくる女の子はみんな可愛いので誰とくっつけようか悩みますがvv
スザク×ユフィとかコーネリア×ユフィも好きです(ノーマルじゃねえ)