「ごめんなさぁっ…あああっぐ…!」
まず耳に入ったのは絶叫だった。
ゆるく引っかけられたネクタイが彼の首もとで揺れている。
幼児にさせるように足を高く上げた真似をして、男のアレを無理矢理突っ込まれているらしい。
彼はなにを謝っているんだろうとおもいつつ、僕の頭の中は冷えきっていた。
恋人が、僕の恋人が犯されている。
彼は謝りながらそれを受け入れていた。
小島航…僕の恋人が。
「どうだい小島くん?岩崎くんのより全然いいだろ…太くて硬くて逞しくてさァ…」
航を犯していたのはクラスメートの野口だった。
前々から航をいやらしい目で見ていたけど、まさかこんなことになるとはね。
僕は教室の扉から情事を見つめたまま笑った。
航の体がガクガクと揺さぶられている。
机の上に寝かされていて、彼のものは根本から靴下で縛り上げられていた。
ああ可哀想に。
そうおもいながら僕は笑うのをやめられない。
航は机の角を強く握って大きくかぶりを振る。
「ひっ…ぐ…野口く…ああっ…嫌だ…こんなの嫌だよ!」
「どうして?こんなに締め付けてるし…ほら、小島くんのココだってぐちゅぐちゅ言いながら僕が欲しいって泣いてるよ」
「そこは…やっ、あああぁッ!!」
野口はもう航の弱点を見つけたのか、腰を使いながら笑っている。
耳をつんざくような悲鳴を上げた航の目は大きく見開かれていて、翡翠の瞳からは涙がこぼれていた。
突き出された航の舌を野口がゆっくりとねぶる。
航は目尻に涙をいっぱいためて目を瞑った。
僕がそっとテレパスを使ってみると、航の意識に忍び込む事が可能だった。
彼の中は後悔でいっぱいになっている。
『…岩崎くん…今どこにいるんだよ?岩崎くん…岩崎くん…岩崎くん…』
心の声を耳にして、僕は笑った。
僕のことで頭がいっぱいだなんて可愛いじゃないか。
教室では、航が野口のキスを受けながら身を捩っている。
けど僕に開発された体は感じやすくなっているらしい。
乳首を摘まれただけで全身を震わせてかぶりを振った。
「本当に小島くんは女の子みたいな顔して泣くんだな。はぁはぁ…いいよ…すごくそそる。もっと聞かせてくれよ」
野口は航のものを戒めている靴下を解いてそれを上下に擦り上げた。
ようやく解放されたそれは上を向いていて、航はいやいやとかぶりを振りながら野口が望むような可愛い鳴き声を聞かせる。
サービス精神旺盛だなぁ?なんて、僕はこっそり笑った。
「野口くんっ…そこはやだ…だめ、だ…あああっ…も…許して…うっく…」
『くうぅ、何で俺がこんな目に合わなきゃいけないんだよッ!…野口くんも野口くんだ、どうしてこんな酷いことを…あう…』
航はぜえぜえと喘ぎながら先走りを流していく。
気持ちの中はずいぶん勝ち気のようだった。
野口の手が航のものを執拗に擦り上げていく。
ねちっこくていやらしい愛撫だとおもった。
航が強く目を瞑る。
『くそ…手を離せ!5秒以内に離さないと蹴り飛ばしてやる。5、4、3、2、1…』
「お…どうしたんだ小島くん?…悪さする足は縛っておこうか」
野口は、すぐに航の行動を読みとったのか足をしっかり掴んで腰の動きを早めた。
航の蹴りを読むなんて、それほど本気なんだろうな…彼は。
肝心の航は技を見切られて大きく喘いでいる。
足を強く掴まれてしまったために抵抗もできないんだ。
航にできることは、早く終わらせるために彼を締め付ける事と可愛い声で喘ぐことだけだ。
「はぁっ…うあ…岩崎くんっ!岩崎くんっ…ひぐっ…あっ…強くするなっ…うう…」
「だめだよ、岩崎くんのことなんか考えてたら。あんな奴より僕の方が良いって教えてやろうか」
野口は笑っていた。
女の子みたいなあの体を無理矢理組みしいて、犯している。
そろそろ航も限界だろうな。
そうおもった時、愛しい声が脳内に入ってきた。
『ごめん…ごめんなさい、隊長』
航は懺悔するように静かな声を聞かせてくれる。
同時にびくんびくんと航の体が震え始めた。
野口が気持ちよさそうに唸る。
「ああ…出すよ、航…」
『名前で呼ぶな。名前で呼んでいいのは…』
「い…岩崎くっ…あああァッ!」
航の体が弓なりに反り返った。
野口と同時に達したのか、航の秘部には白濁の残滓が見える。
航とは違って満足そうな顔を浮かべている野口は大きなものを引き抜いて航の顔へ精液をぶっかけた。
よほど長い射精だったんだろう。
航の秘部からはとろとろと野口のものが流れている。
その顔は、涙と精液でぐちゃぐちゃだ。
いじめてやりたくなるような表情をして虚ろに天井を見つめている。
「また犯したくなったら呼ぶから。気持ちよかったろう?すぐに僕のことが欲しくてたまらないって泣くような体にしてあげるよ」
野口は満足そうに笑うと、航のふとももを指でなぞってから身支度を整えた。
教室から出ていく野口に目もくれず、航が上体を起こす。
航は荒い息をつきながら、自分の頭を両手で抱えた。
「うわああああぁっ!!」
ヒステリックを起こしたように航が叫ぶ。
きれいな黒髪を手でかきむしって、それから啜るように泣いた。
心の声は聞こえない。
航がゆっくりと顔を上げる。
綺麗な翡翠の瞳はゾッとするような真紅の色をしていた。
人でも殺すんじゃないかっていうくらい、とても怒りに満ちた瞳。
涙を流しながら、君は人形みたいに無表情でぼうっと窓の外を見つめている。
僕はしばらく考えてから、おもむろに教室の中に入っていった。
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日記から、拍手で「野口×航」の話が出ていたので妄想を膨らませながら書いたテレパスプレイです。
野口の扱いが酷くてすみませ…!