俺の名前は大門マサル。
3度の飯より喧嘩が好きってことだけがとりえの14歳だ。
もちろん、弱いものいじめだとかの可愛くねェほうの喧嘩じゃない。
漢と漢で拳をぶつけ合う、正々堂々とした喧嘩の事だ。
喧嘩番長を自称できるほどに俺の腕は周りのゴロツキ共に認められている。
時々、なんか勘違いした奴らも出てくるけど。
つい先日現れたヤツらもそれだった。
人が公園で涼んでいるときに、突然大勢で押しかけてきて俺は…。
情けねェことに不意を突かれて奴らの良いように弄ばれちまった。
今思い出しても腹ん中がムカムカしやがる。
腹が立って妹の知香に話したら、「それってレイプじゃないの?」って言われた。
そっか、こういうのをレイプって言うんだな。
無抵抗な人間相手に好き勝手するなんざ漢じゃねー。
まぁ…たっぷりとブチのめしておいたけどよ。
それはそうと、問題は俺が不意を突かれた要因。
アグモンっていう…デジモンだ。

「あにきぃ、何難しい顔してんだよぉ?早くあいつをやっつけよーぜ!」

間延びした声でアグモンが俺を呼ぶ。
コイツは俺を「あにき」って呼びやがる。
何だかこそばゆい。
俺は、不良共を叩きのめしたあとにアグモンと喧嘩勝負をした。
漢のプライドがかかった勝負だ。
なんたって、こいつのせいで俺は「レイプ」されかけたんだぜ。
一発ぶん殴るのが漢ってモンだろうが。
そうおもっていたんだが、喧嘩を終えてみると何故かすっきりした胸の内に、怒りなんて感情はなかった。
それどころか達成感と脱力感。そんな余韻に浸っていると、アグモンが俺に笑いかけてくれた。
ま…ここからがタイヘンだったんだけどな。
淑乃とかいう女に追い回されたり、デカイにわとりが現れたり…。
果てはデジヴァイス、とか言うものを知らないおっさんに渡されて…アグモンが変身した。
後々聞くと、あのおっきなヤツはジオグレイモンって名前らしい。
へーえ、アグモンとは違うんだな…なんて呑気におもっていたんだが、俺は今…。
すっげー重大な場面に立たされている。
俺はちょうど昨日、DATSって言う淑乃が所属しているチームの建物に行った。
アグモンは元々そこにいたらしい。
コカトリモンとの戦闘後、淑乃に引っ張られるようにしてDATSに来た俺とアグモンは、そこで隊長の薩摩に「アグモンをデジタルワールドに強制送還する」と言われた。
もちろん冗談じゃねー。アグモンは俺の子分だ。おまえらなんかに渡してたまるか。
そう言って飛び出した俺は真っ直ぐ家に向かったわけ。
けど家では母さんと知香にアグモンの存在がバレてすっげー肝を冷やした。
いつの間にか家族の輪に馴染んでてびっくりしたけどよ。
うちの家族が特殊なだけなんだろーか?
こんなデッカイ生き物がいたら女なら悲鳴上げて卒倒だとおもうんだけどよ。



じゃあ、いい加減今日の話に移るか。
今、俺たちは巨大な蜂を相手に苦戦している。
蜂だぜ、ハチ。
もちろんこの蜂野郎はデジモンだ。確か…淑乃が「フライモン」だって言ってた。
フライモンは知香の学校の飼育小屋を荒らした張本人らしい。
何でも、タカシって言う飼育係の児童にくっついていた。
こりゃブチのめしてやらないとな!なんて意気込んでみたはいいものの、今の現状は…。

「ねばねばして…きもちわるい…もう、最悪なんですけどーっ!」

DATS隊員である淑乃の体にまとわりついているのはフライモンが吐き出した糸だった。
フライモンは空を飛び回りながら甲高い声を上げて鳴いている。
アグモンはと言えば、飼育小屋を荒らした犯人をおびき出すためにフライモンが出てくる前から飼育小屋へ入れてしまった。
しかも頑丈に、番号を合わせて開錠するタイプの鍵までかけてしまったから、出したくても出せない。
つか…俺が鍵の番号を忘れちまったってゆーか…。
俺はフライモンを見上げて声を上げた。

「ヤロー…降りて来い!この大門マサルさまが相手に…ッ…」

俺の言葉が分かるのか、フライモンは羽をばさばさと動かしながら燐ぷんを吹きかけてきた。
避けようとするが、それは空気に乗って俺の体に降ってくる。
筋肉の弛緩するような感覚を覚えて膝をつくと、フライモンは得意げに鳴いて上空を旋回した。
そうして口から糸を吐き出してくる。
あれに捕まったら淑乃とおなじ目にあっちまう。
俺は精一杯の力を出してその場に転がる。
吐き出された糸はグラウンドを汚した。
何とか、糸の攻撃は回避できたようだ。
今は…俺はともかく、淑乃のほうがやべぇ。
淑乃は身を捩じらせながらぜぇぜぇと息を吐いていた。
この燐ぷんには人を興奮させる効果があるらしい。
現に俺の体もじわじわと温かくなっている。

「…っはぁ…サンフラウモン、助けて!」

淑乃が掠れた声で助けを求めると、燐ぷんで痺れているサンフラウモンが少しだけ頭を起こした。
この、ヒマワリに体がついたようなヤツはサンフラウモン。ララモンが進化した姿だ。
ララモンとおなじく、何だかひょうきんな顔をしている。
サンフラウモンは、ぎこちなく体を動かしながら淑乃に近付いた。

「う…淑乃、傍にきて。今…ヒールをかけるから…。私、体が痺れて…うまく動けない…」

「わ、私だって動けないわよぉ…んく…っ…」

サンフラウモンの声に、淑乃は少しだけ語気を強めて反論するけど小さく体を震わせて吐息を吐いた。
淑乃の体を拘束する糸は、細く長い糸のように見えるけど糸なんかじゃねェ。
これは…。

「や、いやぁ!入ってこないでっ…!」

淑乃が悲痛な叫び声を上げる。
糸は小さくうごめきながら、淑乃の体をまさぐっていた。
この糸はとても細くて長い芋虫。
俺も目をこらさないと見えないほどの細い虫だった。
芋虫は淑乃の体を這いながら、おもむろにジャケットの隙間に忍び込む。
短パンの合間に入り込むヤツさえいた。

「…うぁ…は、だめ…そこ、だめなのっ!」

淑乃は必死に足を閉じながらいやいやとかぶりを振っている。
芋虫たちはゆっくりとうごめきながら、丁度男根のような形に変わっていく。
それを見る淑乃の目には涙が浮かんでいた。
男根はおもむろに淑乃の口の中にねじこまれていく。
俺はおもわず口を押さえた。
だって、あれは虫だろ?虫が口の中に入ってくるなんて信じられねェ。

「むぐ…うぇ…ん…やめ、ふぇ…たすけて、サンフラウモン!」

淑乃はぽろぽろと涙をこぼしている。
別の虫たちが、淑乃の短パンの中にもぐりこんできた。
くっきりと細長い形を残して入り込んでいく虫は、淑乃の股座部分を執拗に擦っていく。
くちゅ、と水の跳ねるような音が聞こえた。
まずい、このままだと…。この芋虫ヤローの餌にされちまう。

「くっそォ…何とかなんねーのかよッ!?」

誰にともなく俺が叫ぶと、倒れていたままのサンフラウモンがゆっくりと俺に近付いてきた。
そうして、俺の体の痺れを治療するように、浅葱色の腕から柔らかな光が漏れてくる。
光が俺を包むと、体の痺れはみるみるうちになくなっていく。

「こ、これで大丈夫だから…早く淑乃を助けてあげて…」

俺に力を使って疲労したのか、サンフラウモンがゆっくりとくずおれる。
虫は相変わらず淑乃の体を弄んでいた。
やにわに駆け寄って引きちぎると、淑乃はがくりと膝をついて大きく息をつく。
俺は、まだ上空で飛び回っているフライモンをにらみつけた。

「おら、今度はこっちからいくぜェ!!」

大きく息を吸い込んだ俺は、ゆっくりと近付いてくるフライモンに向かって拳を叩きつけた。
きた。
オレンジ色の光。俺の力に呼応して、きらきらと輝くまぶしい光。
俺はポケットからデジヴァイスを出すと、即座にその光をデジヴァイスへと叩き込む。
デジヴァイスから漏れた光を浴びて、アグモンの体が輝いた。
次の瞬間にはジオグレイモンへと進化している。

「メガバーストッ!!」

ジオグレイモンは一歩足を踏み出すと、大きく息を吸い込んで灼熱の炎を吐き出した。
炎をモロに浴びたフライモンは、ゆっくりと卵…デジタマ、というやつへ返って行く。
デジタマっていうのは、デジモンが命を落としたときに出てくるものらしい。
デジモンのタマゴ、だから…このデジタマからもフライモンが生まれるんだろうか?
なんて考えても俺にはわかんねー事だし思考を中断しておく。
俺はデジタマと淑乃を連れてDATSへと戻った。
DATSの司令室へずかずか踏み入ると、そこには隊長の薩摩と、薩摩の首に巻きついているエリマキみたいなデジモン…クダモンがいる。

「俺とアグモンを、DATSに入れてくれッ!!」

俺は大きく息を吸い込んで薩摩へと頭を下げた。
突然の告白に、淑乃もララモンも、コンピューターの管理をしているオペレーターのねえちゃん2人もポカンとした顔をしている。
好きでDATSに入るわけじゃねェ。
俺がDATSに入ればアグモンはデジタルワールドに送られなくて済むし、強ェヤツとも戦える。
まさに一石二鳥だ。
ぽかーんとしているヤツらを見て、俺の後ろにいるアグモンが拗ねたように言った。

「何だよぉ、俺たちがDATSに入っちゃいけねーってのかよぉ?」

「い、いや…そうじゃないけど…ねぇ?」

淑乃は、少し歯切れが悪そうにオペレーターたちを見やる。
頭を下げたままの俺を見て、薩摩がゆっくりと近付いてきた。
僅かに衣擦れの音がする。
俺は黙って頭を下げた格好のまま口を閉じた。

「頭を上げなさい、大門マサル。今日から君たちをDATSの一員と認めよう」

「マジでッ!?さすがたいちょ…」

俺は、おもいきり顔を上げた。
目の前には、赤黒い何かがそそり立っている。
しばらく瞬きができなかった。
俺の目の前には薩摩がいるんじゃなかったのか?
この赤黒いのは、何だってんだよ。

「DATSに入隊するためには試験が必要でな…君が立派に試験をこなせば、DATSの隊員だと認めるが、認められなかった場合…アグモンは即座にデジタルワールドへ強制送還する」

薩摩の手が俺の前髪を掴んだ。
無理やり引っ張られた俺は、その手を乱暴に払ってから顔を上げる。
すると、目の前には何の変哲もない薩摩の姿がある。
だけど…。

「何、出してんだ…よ…」

薩摩は下腹部を露出させて口元に笑みを浮かべていた。
後ずさる俺を見て、アグモンが心配そうにしがみついてくる。
一体全体、何がどうなってんのかサッパリわかんねェよ。
何で薩摩はあんなとこ出してんだ?
頭の中がギモンだらけの俺に、淑乃が小さくため息をついた。

「DATSに入るものは、隊長を性的に満足させなきゃいけないの。私も…白川さんや黒崎さんもその入隊試験をこなしたわ」

「な、に言ってんだよあんたら…」

俺は口をぱくぱくさせながらかぶりを振る。
淑乃は、先ほどまで虫になぶられて気弱な声を上げていた女とはおもえないくらい人相を変えて笑った。
不敵な笑みっつーか、馬鹿にしたような笑い方だ。

「ふーん?できないんだ。日本一の喧嘩番長なんでしょ、キミ。日本一なのにそんな事もできないなんて呆れたわ」

淑乃はわざとらしく肩を竦めると、おもむろに薩摩のアレを見て顔を赤らめる。
やっぱり、恥じらいはあるわけか。
妙に納得した俺を見て、薩摩が口を開く。

「淑乃、君はマサルより先輩になるのだから…君が手本を見せなさい。私のものをしゃぶるのだ」

「わっ、私!?え、あ…いや、黒崎さんのほうがお上手だし…」

「これは命令だ」

急に声をかけられた淑乃はぎょっとしたように自分を指差すと、大袈裟に手を横に振った。
薩摩の声色が低くなる。
淑乃を庇うようにララモンが不機嫌そうに胸を張った。

「だめぇ!淑乃の口でしゃぶっていいのは私の…ふへっ…」

「ばかぁーっ!何てこと言ってんのよあんたはぁ!!」

「いたいー」

ララモンの顔をおもいきり引き伸ばした淑乃はすっかり真っ赤になってしまっている。
淑乃はぎこちない足取りで薩摩の目の前に近付くと、俺を恨めしげに見て「後ですっごくお高いケーキ買ってもらいますからね」と呟いた。
薩摩の足元に跪いた淑乃は、何度か息を吐いてから大きなものを両手に包む。
マジでやるのかよ…。
俺はアグモンの手を握って淑乃を見守っていた。
小さな口に、ゆっくりと薩摩のものが入っていく。
淑乃の手が小さく動いた。
肉棒を擦るようにして、何度も何度も上下している。
薩摩が笑った。

「ただ舐めるだけではマサルに伝わらんぞ。どうやったらいいのか説明しながら舐めなさい」

薩摩の手が淑乃の髪を撫でる。
大きなものを口に含んでいる淑乃はくぐもった声で返事をした。

「はぁ…う、ふぁ…先端のとこ…ぺろぺろして、竿のところ…すりすりします…んむぅ…」

淑乃は小さな声で言った。
時折、口から出して舌でしゃぶりながらあんなものを愛撫している。
俺にとってはおなじ男のものだ。
できるのか?あんなこと…。
そうおもっている俺を察したのか、薩摩が顔を上げた。

「おまえの他にももうひとり、トーマという男の隊員がいる。数日後に日本へやってくる予定だが、彼も私の…」

「舐めたのか!?」

「トーマ」ということは外人か?
俺のほかにも男がいるんだ。
そんで、トーマは薩摩のアレを淑乃みたいに舐めたんだ。
トーマができて俺にできないはずはない。
救われたような気分になった俺に、崖から突き飛ばされるような否定の声がかかった。

「いや、トーマはとても優秀な隊員なので試験はない。だが…その代わりに仕置きの量を増やすと言った」

「…なんだよォー…そのトーマってヤツ、ひとりだけ試験受けてねーのかよ…」

俺はがっくりと肩を落としてため息をついた。
舐めたんじゃないのか…。
落胆しながら顔を上げると、淑乃に舐められているものはどんどん大きく膨れ上がっている。
あんなのを舐めなきゃなんねーなんて嫌だ。
けど、舐めないとアグモンは…。

「は…むぅ…たいちょ…の、おちんちん…すっごく熱いですぅ…んう…」

淑乃はわざとらしく卑猥な音を立てながら薩摩の肉棒をしゃぶった。
いや、わざとじゃなくて…そうするように言われてるんだろう、あの男に。
俺は薩摩を殴り飛ばしたいのを我慢して拳をきつく握った。
そんな俺を見て、薩摩が淑乃の体をそっと離す。
淑乃が身を引くと、俺の目の前には大きな肉棒が迫ってくる。

「…っ、マジで…舐めなきゃアグモンは…」

「そうだ」

むわっとした性器独特の臭いが鼻をつく。
後ろでは、アグモンがポーンチェスモンとかいうデジモン2匹に両腕をつかまれていた。
俺が舐めないと、アグモンをデジタルワールドに送るぞ、と脅しているんだろう。
DATSに入りたい。けど、舐めるのは嫌だ。
アグモンと離れたくない。けど、舐めるのは嫌だ。
俺は、どうしたらいいんだよ…。

「薩摩、これではラチがあかんな…」

薩摩の首に巻きついているクダモンが小馬鹿にしたように俺を見下ろした。
その言葉に頷いた薩摩は、いきなり俺を抱き上げて司令室のテーブルへ強引に寝かせる。
突然視界が変わってたじろぐ俺を薩摩が見下ろしていた。

「そんなに舐めたくないのなら、試験Bに移行する。君は何もしなくて良い。私が君の感度を確かめる…」

「へ…?試験Bって…うぐっ!?」

顔を寄せて低く囁いた薩摩は、不意に俺の唇に生暖かいものを押し付けた。
薩摩の唇だ。そう認識した途端、背筋にゾクッとした痺れが回ってくる。
無骨な手が俺のシャツの上から乳首を引っかいた。
痛い。
足を上げて蹴り飛ばそうとすると、薩摩の大きな身体は俺の両足の間に入り込んできた。
嘘だろ?俺、男にキスされてんのか…?
試験って、DATSって…。

「…っ、あっ…ふざけんなァッ!こんな試験ッ…こんな試験ッ…!!」

「やめるか?」

薩摩の手は、既に俺のシャツの中に入り込んでいた。
何で、何で俺の体を知り尽くしたような顔で笑うのかわかんねェ。
その笑みが怖くて、不気味だった。
荒々しいかさついた手は俺の乳首をぐりぐりと押し付けながらゆっくりと揉んでいく。
もう片方の手はしっかりと俺の腕を掴んで押さえつけていた。

「…っ…汚ェぞ…てめェ…あふっ…ちくしょう…!」

ちくしょう。これが喧嘩だったら。
喧嘩なら誰にも負けねェのに。
何でこんな試験なんだ?もっと、別の…。

「…あぁ…っ、ん…うぁ、何だよ…この声ッ…んっ!!」

薩摩の手が触れるたび、擦れるたび俺の身体はどんどん熱くなっていく。
苦しい、熱い。何とかしてくれよ。
ふざけんな。男に触られてんだぞ、俺。
何でこんな声が出るんだ?女みてェじゃねーか。

「…乳首だけでイケそうか…マサル?」

不意に耳元にぬるりとしたものが触れる。
薩摩の舌だ。ぴりぴり痺れて、おかしくなっちまいそう。
俺はかぶりを振ってその感覚に耐えた。
同時に、乳首が痛いくらいに摘み上げられる。

「ふぁっ…あ!あぅ…ふ…ざけやがって…ッ!!こんなの…くすぐってぇだけだ…」

「そうか…ならもっと良くしてやらなくてはな…」

墓穴を掘った。
俺の言葉を聞いて小さく笑った薩摩の声が耳に入る。
薩摩はゆっくりと俺のズボンを膝まで脱がして腰周りを撫でた。
見られてる。淑乃にも、アグモンにも、オペレーターのねえちゃんたちにも。
こんなみっともない姿で、おっさんに組み敷かれてる俺を…見られてる。

「…ううっ…ぐぅ…あっ…見るんじゃねェ!見んな…ッ!見んじゃねェよォッ!!」

どんなに声を上げても、誰も何も言わない。
部屋に響くのは俺の怒声と、薩摩の荒い吐息だけだ。
薩摩の手は、俺のものを掴んで何度も何度も擦り上げている。
こんなの嘘だ。俺じゃねェ。
何が試験だ。

「はぁっ…んんっ…アグモンっ!!」

俺はアグモンの事を呼んだ。
あいつと一緒にいるためには俺がここで大人しくしていなきゃいけない。
だからアグモンのことだけを考えるんだ。
アグモン、アグモン…。

「…うん?感度がよくなってきたな…」

「…っ、やだぁ…!あっ…んっ、く…」

薩摩の指が俺のものの先端を擦り上げる。
同時に、尻に何か冷たいものを感じた。
身を起こそうとすると、いつのまに降りていたのかクダモンが俺のものの横から顔を覗かせてニヤリと笑う。
クダモンの尻尾には小さなカップが掴まれている。

「これでおまえの感度を高める。まぁ…正確には締まりをよくするためだがな…」

低い声で言ったクダモンは尻尾にカップの中のクリームを取ると前触れもなく俺の尻に塗り始めた。
冷たい液体が何度も擦れる。
クダモンの尻尾がくちゅくちゅと音を立てた。
いや、音を立ててんのはクダモンじゃなくて、きっと…。

「はぁあっ…うぐっ…ああ…離れろォッ!何してやが…るぅ…んっ、はぁ…」

俺の体が、ヘンな音を立ててるんだ。
クダモンの尻尾はだんだんと俺の体内に入ってきて、信じられないところにまでクリームを塗りたくっている。
クリームまみれの尻尾は多少の痛みと、ほんの少しの痺れがあった。
腰を小さく動かして抗議しようとすると、下肢への行為が早まっていく。

「あ、あっ…あっ…隊長ッ!も、やめぇ…ッ…!!」

俺は、薩摩を隊長と呼んでしがみついた。
薩摩の…隊長の手が早まっていく。
みんなの前で出せ、とでも言うように。
じゅぷじゅぷと、俺のあそこからクダモンの出し入れする尻尾の音がする。
俺は何度もかぶりを振って隊長の肩に顔を埋めた。

「うぁ…うっ…あぐっ、ふぁ…出る…出ちまうよォッ!…あぁあああ…ッ!!!」

びくんと脚を突っぱねると同時に、俺は隊長の手の中に勢い良く熱いものを吐き出した。
イッちまった。
よりにもよって、男の手で。
最近シてなかったから、心地良い腰の痺れと敗北感のようなものが押し寄せてくる。
俺は快楽に負けちまったのか?

「…よく出したな、マサル。最後の仕上げにいくぞ…」

隊長の声が遠く聞こえる。
俺はもう、これ以上体を触られたくなかった。
何度もかぶりを振って口を動かすけど、それは言葉にならない。
隊長は、放置されっぱなしだった自分のものを俺のつぼみに近づけた。
嫌だ。

「やだ…やめろぉ…隊長っ…むぐぅ…ッ!!」

俺の声は隊長の手に遮られた。
舌を噛まないようにっていう配慮なのか、隊長の指がねじ込まれる。
そんな配慮、いらねェ。
同時に俺の体内に、クダモンの尻尾よりも大きな隊長のものを感じた。

「…っあ…うぁ…あああっ!やらぁ…うえっ…ぐ、ぶ…」

俺は隊長の手を噛んで抗議をする。
隊長の動きは手馴れていて、あっさりと俺を押さえつける動作は警察みたいだった。
よく、俺が路上で喧嘩をしていると警察のおっさんが出てきて俺を取り押さえようとするそれに似てる。
隊長は乱暴に腰を動かしながら俺の中のずっと奥まで突き進んでいく。
俺にできることと言ったら、アグモンの事を考えることと…隊長の手を噛むことしかできなかった。

「うぐぅっ…は、あぐ…ぶ、ぐぁ…んっ、あ…ああぅっ!!」

くぐもっている声のせいで女みたいな声を上げてしまう俺を、隊長が見下ろしている。
俺は目を見開いて隊長を見つめた。
身体は好きにされ放題だけど、心まで翻弄されてるわけじゃないってことを目だけで伝える。
きつく睨んでも、目から快楽の涙が零れるけど、それでも睨む。
俺はいつの間にか隊長に合わせるように腰を使いながら声を上げていた。
それなのに、目だけは隊長を睨んでる。
体が言う事をきかなくなっちまったのかな。

「あっ…うあ…はぁっ、ん…ふぁいよー…も、らめぇ…ふぁい、よぅ…んぐっ…はぁ、ひ…」

俺は隊長の手をくわえたまま隊長を呼んだ。
体を揺さぶる力がどんどん早くなっていく。
隊長の息が荒い。
ゆっくりと隊長の手が俺の口から退いた。
手の代わりに、隊長の唇が俺を塞ぐ。

「んむぅっ…ふっ、あ…はあっ…!んんっ…たいちょ…はぁっ…」

唇が触れ合うたびに、ちゅ、ちゅ、と水っぽい音が聞こえる。
その音だけで可笑しくなりそうだ。
突き上げるような動きで俺の体を抉る隊長のものがビクンと震えるのが分かった。

「出すぞ…マサル…!」

唇を離したときに、つうっと銀の糸が引いた。
すぐ間近に隊長の顔が見える。
サングラスの奥の瞳がちらりと映った。
その時、体内に鈍い音が聞こえて、熱い熱い隊長のものが噴き出されているのだとようやく気付く。
俺はきつく隊長を抱きしめた。

「っ…あっあ…あ…っう…ぁああああっ…!!」

隊長の射精に合わせて腰を使うと、恥じらいやら怒りが吹っ飛んでいくようだった。
緩く腰を使われるたびに頭を後ろが痺れてしまいそうになる。
ぐったりと体を横たえた俺を見て隊長が口元を緩ませた。

「これで…君も我がDATSの隊員だ…大門マサル」

そう言った隊長の顔は、どう見ても淑乃たちから信頼される上司の顔じゃねーな、なんておもいつつ俺は意地悪に笑ってやった。
まだまだ。
俺はまだ堕ちてねーって、表面上だけでもうそぶいて見せるように。
これから俺がDATSで過ごすからには、必ずこういう下らなくて恥ずかしい行為が待っているんだろう。
それを乗り越えるためにも強靭な精神力が必要だ。
だから…俺はもっと強ェ漢になんねーと。
…もっと、強くなりてえ。

















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2話目終了ですー!次はようやく我らの天才トーマさま登場(笑)
トーマにどんなプレイさせようか考え中です。
3、4、5話はトーマ受でとびきりエロいものが作れたらいいなぁ、
やっぱり隊長が色々してくれるかなぁとおもっております。(笑)