26.はんしん(変換可)阪神(山吉)
ほら、またあの季節がきた。君が毎日テレビに被り付いて、俺が何を言ってもまともに口を
聞いてくれない時期が。今だって俺の家に居るのに、ビールを飲みながら、テレビを見てる。
「・・・なぁ、大介ぇ」
俺だって野球が嫌いな訳じゃない。でも、山田が俺を見てくれなくなるのは嫌だ。
「・・・ん〜?」
なぁ、テレビじゃなくて、こっち見てよ。そんなに野球が面白いですか。
「大介ぇ〜」
だらっとくっついて甘えると、一回軽く口付けられて、終わった。
「・・・おーい」
ちなみに、セックスの最中もこうだ。というか、あれをセックスというのかがまず微妙だ。
だって俺が大介の名前を呼んで甘えても、一方的にペニスで身体を突かれるだけだから。
どうせ考えているのは、阪神が今何位かって事と、今度の試合はどうなるのかって事だけ。
何かに夢中で、少年みたいな男の人が好きなの。時々、こういう意見を異性から聞く。
知らないんだ、ああいう意見を言う女性は。『何かに夢中で少年みたいな』男が、実際はどう
いう奴の事を指すかって事を。何て呑気なんだろう、としみじみ思う。無知は幸せだ。
「だーいすけー・・・」
でも困った事に、野球に夢中な大介の横顔が、好きなのだ。
「・・・枝豆でも、ゆがこか?」
文句の一つでも、言う事ができたらいいのに。一度好きになってしまったから、弱くて。
「ええの?ありがとv」
そう笑顔で言われると、心がかき乱される。
俺だけじゃないのに。大介の事が好きで、大介とセックスしているのは。
「よし?・・・おい、何で泣いてるんよ?」
「泣いてない」
どうせ、俺は保険でしかないのに。
「嘘つかんでええよ。泣いてるやん。・・・ヤキモチ妬いてるん?」
「ヤキモチなんか・・・!」
「・・・じゃあ、何で?」
分かっているなら、どうして。すっかり捕まえられ、逃げられない。
じっと見つめてくる目が、少し怖い。俺の中にすっと入り込んで、いつの間にかほとんど
支配していた。否定できない所まで入り込んできて、身体も、手に入れられてしまった。
「・・・ほら。やっぱりヤキモチやん」
何時も余裕なのは、大介の方。
「・・・だって・・・。全然構ってくれないから」
意地悪の一つでもできたら。浮気でもできたら。・・・したくないけど。
「・・・ほんまに。・・・じゃあ、よしも他の事で、頭一杯にせんといて?」
「・・・・・・俺がそうしたら、大介もそうしてくれる?」
「当たり前やろ。・・・よしが、好きなんやから」
もう、他に誰がいてもいい。受けてたってやろう、こっちは恋人より一緒にいるんだ。家族に
は負けるけど、大介の感情くらいなら読み取れる。許されない関係だし、感情も弱い。
でも、それでも好きでたまらない。この微妙なポジションを、誰にも渡したくない。
最初このお題を見た時、真っ先に浮かんだのが平行線でした。
米国金も阪神ファンで有名ですが、この二人は何か印象が強くて。
時々マニアックすぎてぽかーんとしてしまうけど、平行線のネタ、好きです。
峰之ちゃんの空回り具合も可愛くてめんこくてたまりません。
毎回思うんですが大介さんガリガリですよね。無形の明さんなみに。体型は。
平行線のユニフォーム、Tシャツタイプでいいんで単独で売ってくれたらな。
そしてネット販売もして欲しい・・・!買って配りますよ。
『何処のチーム?』とか聞かれたり。何て答えますかね。笑
大介さんモテモテらしいですから。でも相方をよしっていうのはどうなのさ。
腐女子レーダーが反応しちまいますよ、もう。