あべこべ
『んっ、・・・ぁあっ、堤下ぁあっ、堤下ぁあぁぁっ、・・・はあ、ぁああぁあっ・・・!』
何時からだったかな。自分の身体が、あべこべになってきたと感じるようになったのは。
『・・・一緒にコンビ、組んでくんない?』
・・・何か嫌な予感がして、本当はちょっと止めようかと思ったけど、・・・OKを出してた。
『・・・・・・ちょっとさ、話があんだけど』
・・・確か、コンビ組んで一年目ぐらいの時。
『・・・何・・・・・・んっ・・・!』
・・・あの時はかなり、ビックリした。罵声を浴びさせたい、この変態、とは言いたかったけど。
『・・・ごめん!やっぱ、気持ち悪いよな』
完全に勃起していた、自分の陰茎。俺も変態じゃん、攻める事ないじゃん、と思って。
『・・・んっ、ぁっ、あ、うぅうぅっ、ん、・・・ふ、んんぅんっ・・・!』
自分が完全に受身のセックスに快感を感じている事が、はっきり分かった。
『・・・はあっ、あっ、あっ、ぁあっ・・・!』
・・・どんどん溺れていった。一日に何回も何回もやりまくった。・・・多分、相性がよすぎた。
『・・・ふぅうんっ、んんっ、ん・・・ぁ、ん・・・』
同性だから分かるんだろうな、セックスも愛撫も前戯も後戯も、確実に快感に繋がる。
『・・・んっ、ダメっ、・・・もうすぐ、仕事っ・・・』
堤下も俺も、どんどんのめりこんでいった。・・・あ、でも、
『・・・8番のお客様、ご用意が整いましたので、どうぞ、お部屋に』
女と、やってない訳じゃない。
『こんばんはぁ、ナオミでぇす。・・・あれぇ?・・・お客さん・・・』
バイセクシャルって奴。まぁ楽しいよ、両方ともやれるんだから。苦労しないしない。
『・・・お笑い芸人じゃなかったっけぇ?・・・・・・何かぁ・・・テレビ出てるぅ・・・』
てっとり早くやるには、風俗店が一番。しかもここは、本番OKの、緩い子が多い。
『・・・人違いだよ』
バラすと、後がめんどくさい。
『・・・そっかぁ・・・』
『ナオミ』と名乗った、頭の軽そうな色黒茶髪女も、本番OKだった。
『・・・んっ、ぁ・・・』
俺は、一方ではその黒ずんだ乳首を弄り、
『・・・は、ん・・・ぁっ・・・ん・・・』
一方では、乳首を弄られる。
『ぁっ、んっ・・・嫌だっ、・・・ぁ、は・・・』
一方では、緩んだイソギンチャクみたいなアナルを舐めて、
『ん・・・あ、ダメっ、・・・出ちゃうぅっ・・・!』
一方では、舐められて。
『ぁああっ!・・・はぁっ、・・・あぁっ・・・!』
一方では挿入して、
『はあ、あぁ、・・・ぁっ、んぁあ、んっ、あっ、・・・んっ・・・!』
一方では、挿入されて。
『・・・ん・・・ふっ、むっ・・・んっ・・・』
一方では、咥えさせ、
『あっ、・・・んっ・・・ダメぇっ、・・・ぁあっ、は・・・ぁっ・・・!』
一方では、咥えられて。
「・・・おい、風呂、入るぞ」
・・・バイって便利だけど、時々、自分がどっちが好きなのか分かんなくなってくる。男とやっ
てる時は常に気持ちよくて、女とやる時はマチマチだから、普通は男なんだろうけど。
「・・・ふぅん」
今日はオフ。俺の家で、ダラダラしてる。
「・・・一緒に入ろう?」
聞いてきたくせに、堤下は俺をぱっと抱えあげて、浴室へ歩いていく。・・・勝手なんだから。
「・・・待て。俺が、脱がしてやるよ」
白いシャツしか着ていなかった為、トイレの蓋にぴったりついた陰茎が、冷や冷やしてる。
「・・・エロいねぇ」
ボタンを口で外されていき、袖を抜かれ、身体が顕わになる。大きく開いた、股間。
「・・・したい?」
昨日の夜は、何度もやったけど。
「・・・んっ・・・」
・・・バッドタイミング。甲高く鳴る、ドアホン。
「・・・行ってらっしゃい」
・・・そんな、拗ねないでよ。後、追いかけたくなんじゃん。
「・・・・・・」
あべこべでも、いっか。どうせ世の中、そんなもんでしょ。
END