身体の力が抜け、精液まみれで床に倒れ込んだ白川を抱っこして移動させて、ベットの上に乗せて、
精液をさっと拭き、布団を被せて寝かせた。俺も上を着替え、居間を適当に綺麗にして、待たせ
ていたサバンナの二人を中に入れた。ライブが終わって、食事をしていたが、あまりにもする事が
無く、もしかしたら起きているかも・・・という事で、来たらしい。
何も、セックスをしたすぐ後になんて、来る事無いのに。・・・って言っても、しゃあないか。
「・・・浜本さん」
茂雄が、きょろきょろと周りを見渡す。
「ん?」
「・・・白川さんと、やってたんですか?」
思わず、飲んでいたコーヒーを吹き出してしまう。八木も、困惑した表情で茂雄を見ている。
「何でそんな事っ・・・」
「思いっきり臭いしますよ。・・・それに、時間置いたし。白川さんも、ベットで寝とるし」
そうか・・・ま、この二人相手やったらバラしてもええか。
「・・・したよ」
二人とももう経験しているからか、驚きはしない。本当は、驚くべきなんだけど。・・・ペニスが、未
だに温かい。白川の身体はよく拭いたが、自分の方はよく拭いていないからか、ペニスにまだ、白
川の精液が残っている。・・・もう一度挿入したい。後輩の前とは分かっていても、頭は欲望のまま
に、厭らしい映像を流していく。本当に思う、白川の身体は、何度抱いても満足させてくれない。
「・・・何か・・・邪魔でした?僕等」
ああ邪魔や。早よ帰ってくれ。
「・・・別に?」
白川の身体ん中・・・めっちゃ気持ちよかった。寝てる間に、やったあかんかなぁ・・・。
「・・・なぁ、・・・お前等は、年齢差、嫌?気になる?」
八木と茂雄は、突然の質問に驚きながらも、口を開いた。
「僕は・・・茂雄は別に気にしてないかもしれないですけど、気にしますよ。年上なんになめられ
てるなぁって事、ようあるし、やってる時も、甘えたりしたら本気にされへんし」
確かに。
「・・・僕はそんな事無いですよ。なめてる・・・つもりは無いし、それに、一年差ですからね」
・・・意外と冷たい。まぁサバンナの二人は年齢の割に、嫌に落ち着いている。年齢の近い奴等は大
抵必死で相方に接している(しょうがない。その年齢から分かっていたら、ある意味気持ち悪い
し)のに、二人は自分は自分、とでも言う様に、少し距離を置いている。それはきっと二人にとって
は気持ちのいい距離で、何も苦労していないんだろう。俺は・・・分からない。今まで、白川に頼って
きた事もあるからかもしれない。白川に先輩として慕ってきて、コンビを組んだ後も料理を作っ
て貰ったりして、白川との距離は近かった。俺は完全に甘えていた。だから、どう距離を置いてい
いのか分からない。今まで距離が近かった分、二人の間に距離をおくのが少し怖い事もある。
『・・・浜本ぉ』
白川の声。振り返る。・・・全裸。
「・・・うわああぁぁぁっっ!!」
俺は思わず、奇声を上げてしまう。白川の身体を何とか隠そうと、サバンナの二人に向かって、白
川の身体を隠す。・・・完全にこっちに向けられている、サバンナの二人の目。・・・見られたか。
「・・・見えた?」
「・・・全部」
白川は訳が分からない様子で、うろうろと歩き回ろうとする。俺は何とか白川を捕まえ、自分の服
を適当に引きずり出して、ジーンズとTシャツを着させた。・・・白川は眠そうな目で、座り込む。
「・・・何か浜本さん、可愛い」
茂雄が笑う。・・・しゃあないやろ、あんな姿・・・他の奴には見せられへんもん。
「・・・浜本・・・」
白川を何とか抱え上げ、側に連れて行くが、相当眠いのか、ぴったりと俺の身体にくっつき、半分
くらい閉じた目で、俺を上目使いで見つめる。・・・可愛いって思うんは、俺が馬鹿なだけだろうか。
「・・・ラブラブですねぇ」
『阿呆』って笑い飛ばしたいのは山々だが、・・・白川が腕に絡みつき、・・・動けない。
「・・・浜本ぉ」
白川に呼ばれ、横を向く。キスをされる。・・・後輩の前やぞ!?・・・唇を離すが、何度も唇をくっつ
けられ、離す事が出来ない。簡単なキスだが、立て続けにキスをしている為、興奮が収まらない。
「・・・んっ・・・」
何とか離す。呆れた顔の茂雄。・・・言いたい事は分かっとるわ。
「・・・帰ろ、八木。・・・浜本さん、又これからやるんやって」
「別に・・・!」
白川が、またキスをする。
「・・・やっぱ、帰りますわ」
半分呆れたような、八木の顔。
「・・・ごめんな」
何に謝ってるんだ、俺は?・・・二人を玄関まで送ると、白川が、又キスをしてきた。・・・ドアを後手
で閉め、キスを返した。白川は俺の首に腕を回し、キスを返す。短いキスを交わし、長く唇をくっつ
ける。白川の、半分閉じた目が色っぽく、たまらなくなり、腰に腕を回し、Tシャツを掴む。お互い、
興奮してキスをしている為、息が上手く出来ない。・・・もう、誰も居ない。『Hしよ?』、『・・・して
ええの?』、『・・・誰も居ないよ?』・・・無言の会話が、キスをしながら交わされる。深くキス。
「・・・白川・・・!」
こうしてがっついてもいいのは、年下の利点だろうか。
「・・・おいで」
・・・白川はまた、俺の身体を受け入れた。・・・二回目抱いても、まだ白川は俺のものにはならない。
それでも、抱いている時だけは、その身体は俺のものになる、・・・気がする。他の奴のものじゃあな
い、俺だけのもの。・・・白川は、セックスの後、俺の頭を抱え込み、ずっと髪を撫でてくれていた。
・・・翌朝。ベットの上で目が覚めた。・・・白川が居ない。居間を歩き回る。白川は、素っ裸で料理をし
ていた。普通にこっちを見て、にっこり笑う。下の方に目が行きそうな自分を抑え、笑い返す。
「・・・なかなかたまらんやろ、素っ裸で料理されんの」
フライパンの上には、美味しそうな目玉焼き。・・・目の前には、美味しそうな白川の身体。
「・・・よだれ出てる」
白川が、意地悪そうな目で笑う。思わず唇を押さえる。
「・・・嘘や」
白川に、キスをされた。・・・全く、本当に、一筋縄ではいかない。俺の一回りも、二回りも大人で、俺
をからかっては嬉しそうに笑う。・・・でも、ベットの上では俺の可愛い恋人。甘えてきたと思った
ら、俺を馬鹿にする。どっちが本当なのか分からない。・・・でも、白川が好きな事だけは、確実だ。
END