コ○○―ムは使ってません。
ベースの楽屋。地下にあるからしょうがないんだが、煙草臭い。男ばっかりの為、その煙草の量も
半端じゃない。アジアン、青空といった女性芸人もいるが、この臭いは、相当きついだろう。
「・・・おう」
千鳥の楽屋。・・・何でノブがいーへんかな。・・・美味しすぎんねん、このシチュエーションは。
「・・・お早う御座います」
大悟はさっと、椅子ごと身体を遠ざけた。そういう風に嫌がられると、・・・逆に燃えるんやけど?
「・・・酷いなぁ。仲ええ、先輩やん」
俺がそう言って近づくと、又逃げる。・・・ドアノブの鍵を閉める。大悟の目線が、鍵へと移り、その
顔がみるみる強張っていく。全く、そういうリアクションは、サディズムを刺激するしか無いのに。
ま・・・こいつもマゾやからね。本能的に誘ってるんかもね。・・・やったら、頂くしか無いでしょう。
「・・・哲夫さん」
ゆっくりと、後ろに回りこんで。
「・・・ん?」
ジーンズのジッパーを開けて、トランクスの中に手を入れる。
「絶対・・・・・・ノブにはっ・・・!」
・・・おー、ぐっちょぐちょ。・・・結局そうなんやん、お前は。
「・・・言わへんよ、大人しくしてれば・・・な」
ぴくんと、身体がびくつく。感じているんだ、乱暴な口調に。・・・ノブはきっと、俺みたいに乱暴な
口調では苛めない。やから、その代わりに、俺が苛めてやる。三ヶ月ぐらい前、大悟とノブがネタ合
わせをしていて、ノブが近くのコンビ二に行って来ると言って、大悟が一人になったのを面白が
って、・・・所謂間男という奴か、こうして、弄くってやる。最初は大悟もかなり抵抗していたのだが、
すっかりハマってしまったようで。・・・俺も少し、入れ込んでいるけど。こうなっちゃあ、なぁ。
「・・・ぁっ、うあぁっ、・・・ふうぅぅっ、うぅっ・・・!」
しっかり開いてもうたなぁ、アナル。全く、こういう事をやるようになってからほんの数ヶ月しか
経っていないだろうに、短い間で何回抱かれたのか。・・・めっちゃ、締め付けええしなぁ。
「・・・哲夫さんっ・・・!?・・・あっ、あぁっ、は・・・ぁぁっ・・・!」
アナルを愛撫しながら、四つん這いにさせる。・・・ジーンズを脱がし、トランクスに手を掛ける。
『・・・・・・大悟ぉ〜?開けてー?』
ノブの声。・・・邪魔なんが来た。
「・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」
大悟の身体を、楽にしてやる。大悟は崩れ落ちるように床に座り込んでしまう。
「・・・服着ぃ。・・・見られたくないやろ?」
きっと、こっちを睨む様な目。
「・・・苛めて欲しいか?」
・・・ええんよ?俺は、ノブに見られても?
「・・・いえ」
大悟はそう言うと、トランクスとジーンズを直し、ジッパーを閉めた。
「・・・ザーメンにじんで、尻」
大悟はさっと、局部を隠した。
「・・・嘘や。・・・可愛いなぁ、拭いて欲しかった?」
さっきより強い目線で、睨まれる。・・・おーこわ。俺はおどけて両手を上げて、大悟の尻を揉んで、
ドアを開けた。俺はにやけていたのか、ノブは不思議そうな顔で、俺と大悟を見比べていた。
ノブは知らないんだろう、あんな事。
「・・・はっ、・・・ぁあっ、はあっ、あぁっ、あっ、ううんっ・・・!」
奥に入ってくる異物。もうこの感覚にも、すっかり慣れてしまった。本当は慣れたらあかんのやけ
ど、気持ちいいんだ、これが。身体中が痺れて麻痺したみたいに、何か宙に浮いてる感じがする。
「・・・大悟っ・・・!」
座位でやってるけど、背中が床についてしまったら、そのまま痺れが身体中に通ってしまいそう
な感じ。身体の中心部分は柔らかく常温だが、外側は強張り、硬くなっている感じ。頭はずっと、ク
ラクラしている。奥へと異物が入る度、頭蓋骨にチンコ型の快感が入り込み、脳内を壊していく。
「・・・はぁ、はぁっ、ノブ、ノブっ・・・!」
もうあかん。気持ち良過ぎ。・・・逝きそうっ・・・!
「大悟っ・・・んっ、ふぅうっ、ぅうん、んっ、ん・・・!」
お互いの髪をくしゃくしゃに掻き混ぜて、キスをする。ウイルスに壊されていく、パソコンみたい
な気分だ。普通は嫌でたまらないはずなのに、犯されていくのが気持ちよくてたまらない。
「・・・んっ、ふうっっ、んぅうんんっ、・・・んんっ、ん・・・」
キスしたまま、逝ってしまう。ヨダレが出ている。・・・白く濡れた接続部。
「・・・はぁ、はぁ・・・」
ノブが、ヨダレを拭いた。
「・・・もっかい、ええ?」
・・・・・・。
「・・・・・・おん」
そのまま脚を開かれ、また抜き差しされていく。忘れるんだ、何もかも。セックスは便利な道具だ、
というかチンコは便利な道具だと思う。皆忘れさせてくれる、悩みも嫌な事も。気持ちよくなると
同時に脳も軽くなるんだから、これ以上にいい事があるだろうか?と思えてくる。これは本当は
やったらいけない事で、こうしている事は全部他人には隠しているっていうのも、又、気持ちよさ
に拍車をかけているんだろう。あの事は忘れるんだ、きっと、ノブは知らないで居るから。
「・・・はっ、はっ、はぁっっ・・・」
さすがに二回はきつかった。・・・また頭が、正常に戻っていく。ぐっちゃぐちゃで気持ちよかった
脳みそが、すっと自動的に熱を冷ましていく。ノブは立ち上がり、冷蔵庫を開けて、ビールを二本
取り出した。・・・全部分かってしまっている、相方が愛しくて憎い。嗚呼、気持ちいいもんだ。
「・・・ノブ・・・・・・」
「・・・ん?」
「・・・・・・いや、何でもない」
END