大上は身体を離しペニスを抜き、コンドームを取ろうとする。コンドームを続けて
二回使うと、破ける事もあるし、身体に害を及ぼすかもしれない細菌がつくからだ。
 「・・・外さなくていい」
律儀な相方。少し嫌になる。
 「・・・ええの?」
今日は、乱暴に抱かれたい。そんな優しくせんといて。そんな大上も好きだけど、今は違う。
・・・そんな優しさ、要らない。俺は頷き、大上にキスをする。少しエロくなる大上の目。・・・それでいい。
 「・・・挿れて」
好きなだけ、射精して。
 「・・・ユウキ」
大上はまた俺の身体を抱き寄せて、ぐっとペニスを挿入した。
 「・・・少し・・・キツいな。・・・痛い?」
 「うん。・・・でも、いい。痛くして」
大上に好きやって言われて、無邪気に愛されたい、と思う俺の馬鹿さを、貶して欲しい。
 「・・・んぁっ、あっ、・・・うっ、ああぁっっ・・・!」
アナルが切れそうだ。血も出ているかもしれない。それでもいい。全部、粉々に壊して欲しい。
 「・・・ユウキ、ユウキっっ・・・!」
身体は傷つきながら、抜き差しされる異物を締め付ける。大上はそれがたまらないんだろうか、
俺の名前を夢中で呼びながら、腰を前後に動かす。気持ちよさそうな顔。・・・大上。
 「・・・う・・・あぁっ、・・・もっと、もっと奥っ・・・!」
自ら大上の腰に手を伸ばして、奥に来て、とせがむ。
 「・・・ぁ、んっ、・・・はぁっ、あぁっ、・・・ああっっ、・・・あああぁっ、
まだ、逝きたくない。でも身体は、もう耐えられないと疼いて止まらない。
  ・・・もう、あかんっ・・・大上、大上ぇぇっっ・・・・・・!!」
二回目の射精。大上も射精したらしい。腹の中に、大上の精液が出されるのを感じる。
 「・・・はぁ、はぁ・・・」
 「・・・全部出していいよ、大上・・・」
大上は痙攣しながら、精液を全部俺の中に出した。
 「・・・気持ちよかった?俺の中」
俺のアナルから出された大上のペニスは、すっかり萎れてしまった。
 「・・・・・・うん」
大上はティッシュで俺の局部を拭くと、コンドームを外し、自分の下半身も拭く。
 「・・・まだ残ってるよ、ベッドに」
大上は俺が指した、ベッドに残る精液の後を拭いた。奥さんと、やれへんやろ?こんなイか臭かったら。
 「・・・んっ・・・」
ふとこっちを向いた、大上の唇にキスをした。
 「・・・やらしいな、俺等」
大上は笑う。
 「スリルあるやろ。・・・自分の奥さん抱いたベッドの上で、俺を抱くの」
と、俺は自分なりに嫌味をこめて大上にそう言ったのに。
 「・・・・・・うん」
大上は心地悪い気も見せず、そう言って笑った。
 「・・・ええの?浮気やで浮気?」
子供もおるし、奥さんにバレたら、俺もお前も、どうなるか分からんで?
 「浮気・・・なぁ。・・・くせになりそうや」
・・・おーい。腹刺されるかもしれへんねんぞ?包丁かなんかで。
 「・・・アホ」
俺はぽかっと、全然力を入れないで大上を叩いた。
 「・・・アホでええもん」
・・・嗚呼。全く。・・・愛らしいと思ってしまう俺は、馬鹿で駄目人間なんだろうな。

次の日。・・・腰が痛い。やはり歳だろうか、二度セックスをすると、こうなってしまう。
大上も痛いらしく、先ほどから苦い顔をしながら、腰をさすっている。新宿までは、まだ遠い。
 「・・・痛いなぁ」
今の時間は、新宿駅も混んでいるだろう。関係者以外立ち入り禁止のあの階段、・・・嗚呼恐ろしい。
 「・・・やりすぎたやろか」
一歩歩く度に、ズキズキズキズキ痛みが走る。
 「・・・・・・ええやん。・・・愛の印」
と、大上は自分の腰を指して、ニヤっと微笑んでみせる。・・・愛しい馬鹿。
 「・・・アホ」
笑う。嗚呼、何て気持ちが悪い。
 「んっ・・・」
また、身体が欲しくなる。貪欲な性欲。大上の身体を、全部俺のものにしてしまいたい。
愛している。大上はきっと中途半端な感情しか俺に抱いてはいないだろうけど。

・・・何時か本当に刺されたりして。(苦笑)






END