mix colors
one×恋愛感情×pink
セックスは運動だ。恋愛は日常必需品だ。・・・俺の持論。
「・・・すーがちゃん」
上半身は裸、下はトランクスと、すっかりジッパーの開いたジーンズ。だらしない格好で、宇治原
とじゃれる。夏はいい。こんな格好でじゃれても、寒くならない。・・・扇風機の風が、気持ちいい。
「・・・ご飯、食べよ」
宇治原と居ると、落ち着く。とは言っても、宇治原は自分の姉と一緒に住んでるから、一緒に居ら
れるのは、俺ん家だけなんだけど。宇治原は俺に寄りかかりながら、脇に腕を割り込ませ、そのま
ま持ち上げる。笑いながら、足をバタバタさせる。宇治原も笑う。・・・何か、幸せだと思う。
「・・・トーストでいい?」
「うん」
宇治原は軽くキスをし、キッチンに向かう。袋から二枚、食パンを取り出す。フライパンを持つ。
「・・・手伝う」
後ろから抱きつく。
「・・・寝てていいのに」
宇治原の手が、頬に触れる。顔が近い。・・・キス。
「・・・手伝うの!」
何か、馬鹿にされてるみたいで嫌だ。俺だって、簡単な家事くらいできる。宇治原に抱きかかえら
れ、頭を撫でられる。撫でられるのも嫌。俺、もういい歳なのに。宇治原、だからいいんだけど。
「・・・卵、どーする?スクランブルエッグ?目玉焼き?」
結局俺は、手伝う事になった。
「目玉焼き」
冷蔵庫から、白くて綺麗な卵を二個、選ぶ。フライパンに油を布き、卵を二個、落とす。
「・・・わ」
卵の白身と白身が、くっついてしまった。箸で離す。両方とも、白身が少し凹む。
「・・・宇治原の、目みたいvv」
何か嬉しい。はしゃぐと、宇治原が変な目で見てくる。
「・・・宇治原の目―」
箸でつつく。
「・・・共食いやねぇ」
宇治原が苦笑する。
「・・・ゆっくり喰ったろ」
二人で笑う。トーストが焼きあがり、宇治原が軽く、マーガリンを塗る。目玉焼きもいい半生加減
で、皿に取る。二人で朝飯。『宇治原の目』を、口に頬張る。宇治原が微笑む。・・・嗚呼、幸せだなぁ。
「今日も仕事、頑張ろうな♪」
嗚呼、思い出したくなかったなぁ、仕事。
「・・・仕事嫌」
宇治原は、困ったような顔で見てくる。困らせてやる。困らせて困らせて、仕事なんて行かせない。
「・・・あかんよ。仕事しよ」
仕事なんてしたくない。
「・・・や」
ピコピコ尻尾を振る犬みたいに、宇治原に甘える。一緒に居たいの。離れたくないの。
「・・・だーめ」
必殺技、上目使い。目をウルウルさせて、宇治原にキス。・・・大抵はこれで落ちるが、宇治原の場合
は上手くいかない。慣れているとでもいいたげな、ポーカーフェイス。・・・意地悪。嫌なのに。
「・・・嫌、嫌、嫌―――!!」
十一時半。もうすぐ、行かなければ遅刻寸前。宇治原に無理やり服を着させられる。
「・・・・・・菅ちゃん。ずっとそんなん言うんやったら、置いてくよ?」
宇治原の、真剣な目。
「・・・宇治原・・・」
俯くと、宇治原は顔を上げさせ、涙を拭き、優しくキスをした。長くて、ソフトなキス。・・・甘いキス。
宇治原は意地悪だ。何時もこうして、納得させてしまう。ピンク色の恋愛。・・・桃色の、甘―い恋。
「・・・仕事、行こうな?」
もう一度キス。キス、キス、キス。
「・・・うん」
そう言うと、宇治原は俺の背中に腕を回し、座り込み、キスを立て続けに重ねる。俺も宇治原の首
に腕を回し、同じ様に連続してキス。・・・優しい唇。ずっと俺と居てね。・・・案の定、遅刻した。
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