ジャックナイフ


 「・・・そういえばさ」
何時もの様に、シャワーで跡を消して、全裸のまんまで冷蔵庫を開ける。あ、ビール発見。こ
のビールのCM、出たから・・・会社の人にでも貰ったのか。いいなぁ、俺も今度もらお。
 「ん?」
テーブルの上に、ビールを二本置く。持ち主には全く似合ってない、何とも可愛い机。
 「最近、楽屋でやってないね」
抱きかかえられる。体重かけんなよ、このデブ。乳首を弄られる。・・・おーい。
 「ちょっと」
 「何?」
やらしいなぁ・・・そう、こねくりまわすなよ・・・
 「・・・さっき、風呂入ったばっかなんだけど」
ヤバい、感じてきた・・・。潰して、立たせる。
 「じゃあ感じんな。・・・後で、一緒に入ろ」
するっと、下半身にも手を伸ばされる。
 「あっ・・・」
もうこうなると、自分でも手がつけられない。そのまま、堕ちていく。最近、何時もこうだ。会
話が成立しない。セックスをするのは楽しい。気持ちいいし。でも、心配になることもある。

次の日ルミネの劇場に行くと、西野が居た。
 「お早う御座います」
お姫様、いないんだ。
 「梶原は?」
 「ああ、トイレです」
・・・ふーん。無茶なセックスでもして、腹下したのか?そんな事無いか。西野、馬鹿みたいに
優しいもんなぁ。梶原はいいよな、沢山可愛いって言われて、めちゃくちゃ可愛がられて。
 「・・・堤下は?」
 「同じ。トイレだよ」
昨日、あのまま二回、犯された。風呂入るって言って、そのまま浴槽の中でもやりまくった。
訳が分かんなくなってた。・・・気持ちよければどうでもよかった、何もかも、いらなかった。
 「昨日も、してたんですか?」
 「・・・・・・うん。何で?」
やりまくってたよ。悪い?
 「堤下に用があって、ずっと電話してたんですけど・・・。繋がらなくて」
西野は、梶原とどんなセックスをするんだろう。緊縛も、69も、ローションプレイもしない
んだろうなぁ。俺は・・・しまくってんなぁ。嫌じゃないんだけど。時々、普通が羨ましい。
 「・・・ごめんね。夢中でやりまくっててさ」
西野は、気分が悪いだろうか。自分の友人がバイで、しかも相方とやりまくってて、・・・そこ
までは自分も同類だから文句も言えないだろうけど、自分の友人の行為は、異常な所は。
 「・・・いえ。別に気にしてません」
嘘だ〜。すげー気にしてる顔じゃん。
 「いいよ、嘘つかなくても。気持ち悪いでしょ、・・・幾らでもけなしてよ」
自分でも時々思う。嗚呼、何やってるんだろ、って。
 『あっ、あぁっ、堤下ぁあぁぁっ、・・・はぁっ、はぁっ・・・!!』
今でもまだ、ペニスが自分の中に入ってるみたいだ。思い出すだけで、自分の下半身に粘々
した蜜が充満していく。ああ、一回買いもん行こうって言われて、出発する前にいきなり、バ
イブ入れられた事あったなぁ。しかも、一日中それでいろって言われて。マゾだもんなぁ。
 『はぁっ、はぁあぁっ、・・・んっ、はぁっ、ああっ、もっと、もっとっ・・・!』
女装もよくするから、コントの衣装のまんま、犯された事も多い。
 「・・・けなしませんよ」
押し倒される。・・・あれ?
 「・・・何すんの?」
とか、かまととぶってみる。
 「・・・たまってるんです、最近」
するする、服を脱がされる。おー、早い早い。上手だね、西野。
 「・・・梶原とは?しないの?」
した事ないって事は・・・・・・まさかないよね?
 「最近、ガード固くて」
 「あは。俺、緩いもんね」
ほんと、ゆるゆるだよ。ゆるゆるのガバガバ。一応、次の日には元に戻ってるけど。ぴろーん
と拡げたら、何処まで拡がるか分かんない。堤下は嬉しそうに俺を抱くから、いいんだけど。
 「・・・板倉さんはいいんですか?」
・・・よくないけど、別に気にしない。
 「・・・ひみひなひえ(気にしないで)」
昨日は堤下の身体を下の口で受け入れて、今日は上の口で西野の身体を咥えてやる。本当に、
気にしなくていい。こっちも昨日の事思い出して興奮してた所だから、タイミングはいい。
 「・・・あ」
携帯が鳴る。俺のだ。
 「・・・んっ、・・・ごめんね」
西野の身体から口を離して、携帯を取って、電話に出る。
 『もしもし?』






continue・・・