「・・・挿れて欲しい?」
ノブと暮らしとった時、何度か音と声が聞こえてきた事がある。
「・・・はい」
・・・あ、そうや。
「騎乗位ぐらい、できるよな?」
もう何度も、しているだろうから。昨日どんなHをしたか、で盛り上がった事もあったから。
「俺の上、乗り。・・・気持ちよう、なりたかったらな」
といって、仰向けになる。大悟はあっさり、俺の身体に跨ってきた。結局そういう気はあるん
やん、やらしいなぁ。尻を掴んで、乱暴にアナルの中に身体を挿入する。びくつく身体。
「・・・はぁ、はぁ・・・」
大悟とやった事は・・・なかったか。未遂だったと思う。大悟は目隠しされとったから、分から
んかったやろうけど。おおおお、大人しく腰振っとるわ。・・・やらしい顔。そんなに欲しい?
「・・・はぁ、あっ、あぁ、・・・ぁっ、あっ・・・!」
気持ちええなぁ・・・こら、ノブもやりまくるわ。この、締め付け感がたまらん。
「あぁ、ああっ、・・・あ、はぁっ、はぁっ・・・!」
はぁはぁはぁはぁ、荒い息に混じって、喘ぎ声が、中途半端に開けられた口から聞こえる。目
は虚ろに、じっとこっちを見ている。・・・と、携帯が鳴る。電話か。画面には、ノブの番号が。
「・・・聞かれんの、嫌やんなぁ?」
と言いながら画面を見せると、大悟は顔を縦に動かした。床に転がっていたネクタイを取り、
大悟の顔に、猿轡の様にして結んだ。アナルは、いまだにねっとりした蜜を、滴らせている。
『・・・もしもし?』
大悟は、また腰を動かし始める。
「どうしてん?」
・・・理由は、俺の身体に乗って、やらしく腰を動かしている人間に関する事だろう。
『あの・・・大悟来てません?』
「んっ、んんんんっ、・・・んんっ、んっ、んっっ・・・!」
そう、物欲しそうな顔すんなや。今、さっきまでずっと欲しかったもん、あげとるやろ?それ
とも、まだ足りへんのか?・・・これ以上は無理やなぁ。・・・しっかし楽しいなぁ、こういうの。
「・・・あ〜・・・来てへんなぁ。・・・何?ケンカでもしたん?」
丸出しの大悟の突起物の先に、ぐりぐり、ボールペンを入れていく。
「・・・んんっっ、んぅうんんっ、んっ、んっ・・・!?」
顔を横に振るが、許さない。最初に言うたやろ?優しくないで、って。
『・・・そうなんですよねぇ。自分でも、よう分からんうちにキレてて』
ふーん。
「・・・大変やなぁ。・・・ま、何かあったらまた電話しぃ」
大悟は身体の自由を更に制限され、悔しいのか、目に涙を浮かべている。でも身体を見ると、
その拘束状態に、酷く感じているようにしか見えない。笑いがこみ上げるのは、鬼畜やろうか。
『・・・何かさっきから変な声聞こえますけど、もしかしてお楽しみ中ですか?』
・・・・・・お。さすが相方やね、よう分かっとるやん。
「・・・バレた?そうそう、やからできるだけ早く、電話切って?」
今な、お前の相方とやっとるわ。俺が誘ったんちゃうよ?向こうが、してって言うたんよ?
『・・・冷たいなぁ。・・・じゃあ、また』
通話が、切れる。
「・・・逝きたい?」
腰を振りながら、こくっと顔を縦に振る大悟。
「・・・じゃあ、しっかり受け止めてから、出そうな」
がっと腰を掴み、大悟の身体の中に射精する。ボールペンを抜くと、大悟はすぐに果てた。
「起きたか?」
大悟が、むくっと起き上がる。あの後、また3回ほど、無理やり犯した。大悟は見事に失神し
た。限界まで行ってしまったらしく、それから2時間ぐらい、起きる事がなかった。疲れ果て
た目。もう、苛めたいとは思わない。俺も限界まで、可笑しくなっていたらしい。寝ている大
悟を見ていると、すっと性欲が消えていった。冷蔵庫からビールを取り出し、大悟に渡す。
「・・・有難う御座います」
きっちり拭いたが、まだ少しぬるっとした感触がある。やりすぎたか。
「どうや?壊れられたか?」
「・・・・・・そうですね。失神、しましたし」
お互い、苦笑する。何やってたんやろな、俺等。セックス、ちゃうな。SMともちゃうし。
「・・・哲夫さんて、ほんっま鬼畜ですよね」
失礼な。
「・・・普段はあんなに、ならへんよ」
相手が失神しようがどうなろうが、やりたかった。壊れている自分がいて、それを冷静に見
ている自分がいた。でも、止めようとは一切思わなかった。結局、両方ともしたかったんだ。
「・・・嘘くさ」
やっている間の、大悟の顔さえ思い浮かばない。そこだけくっきり、記憶が無い。
「・・・シャワー、浴びてきていいですか」
「ああ」
大悟はシャワーを浴びると、そのまま帰っていった。今からノブと仲直りしてきます、言う
てたから、ノブの家に行ったんだろうけど。そのままやったんだろうか。・・・やったやろな
ぁ。・・・何やったんやろ、ほんまに。俺は、性欲処理係だったのか?・・・いや、俺も大悟で性欲
処理をしていたといえば、していた。まぁ、気分は最悪だったけど。・・・早く、早く忘れたい。
END