non sweety?
『・・・帰んの?』
『・・・おん』
シーツが寄った、ベット。明かりを消した真っ暗な部屋に、カーテンの下から、馬鹿に明るい光が
はみでてきてる。岡田の、細い身体。身体中に残った、キスマーク。岡田が、Yシャツを羽織る。
「・・・つまらんなぁ」
奥さんと家族がおるから、っていうのは分かんのよ。ただ・・・もう少しだけ。
「・・・つまらん、言うても・・・もう二時間後には、また会っとるやん」
ラジオの仕事。すっかり忘れてた。
「嫌や。・・・二時間も一時間も三十分も十五分も、我慢できへん」
岡田は、俺の側に座り、キスしてきた。
「・・・俺も、我慢、・・・できへんけど、・・・・・・」
止まらないキス。どんどん、奥へと入っていく。柔らかい舌、絡まっていく。背中に腕を回され、俺
も回し返す。キスは間隔を無くしていき、又ベットの上に、押し倒される。さっき着たばっかりの
Yシャツを、まさぐられ、脱がされていく。俺も、岡田のYシャツを、すっと脱がした。
「あかん!・・・あー、あかん!もう、帰らな・・・」
帰らすかっ。
「ちょっ、増田っ・・・」
ぎゅっと、抱きついた。
「離せ、もう!」
「嫌や!絶対、離さへん!」
浮気相手は、素直に引け?何で浮気すると思う?相手だけじゃ、満足できんからや。自分で満足さ
せれへんくせに、何で文句言うん?風俗はただの遊びや、浮気、不倫は一度でも、相手よりそっち
の方が、自分を満足させてくれるって思ったからや。文句言うんやったら、その前にせいぜい、自
分を磨いたら?世の中には、浮気をせん人ももちろんおる。魅力がある人もおるって事。浮気相手
を言い訳にして、自分の魅力の無さを隠してる。そういうん、大っっ嫌い。やから、絶対引かない。
「・・・・・・なぁ。俺、子供もおんのよ?・・・ヤバいんよ、バレると」
分かってるよ、そんな事。馬鹿にせんといてくれる?
「・・・でも・・・」
「正直な、増田とばっかやってて、家ではご無沙汰や」
・・・・・・。
「・・・ついでに?増田の家に泊まってるから?家にも、ろくに帰ってない」
「・・・やから?やから行くん?」
そんな事、言い訳や。岡田が俺ん家に泊まるのも、岡田の意識やろ?
「・・・・・・やって・・・」
岡田の身体に、のっかかる。
「・・・なぁ、岡田さん」
わざと、さん付けで。
「ええ言い訳、・・・考えてよ」
なぁ、天才芸人さん。
「・・・増田が倒れた」
昼の二時。ラジオの仕事。朝、増田と又やってしまった。昨晩もやっていたから、四回か。俺も増
田も、もういい年だ。でも、すぐにお互いの身体が欲しくなる。絶対可笑しいよなぁ・・・こんなん。
「岡田―?どーしたん?」
家・・・又帰らんかった。
「・・・ヤバいなぁ・・・。家、何日帰ってへんか分からんわ」
「でも、顔は出してんねんやろ?」
向こうには、増田との打ち合わせでって言ってある。俺やったらできへんけど、理解してくれとる
みたいやから・・・最近仕事熱心になった、ぐらいにしか思ってへんと思う。・・・めっちゃ気ぃ悪い。
「・・・やけど・・・」
「何が嫌なん?モテモテやん」
モテモテ・・・言うたら、モテモテか。
「・・・他人事みたいに、言うなや」
「・・・ほんまに他人事やから、しゃあないしぃ」
・・・全く。俺の事、ほんまに好きなん?やったら、もう少し、気ぃ使ってくれや。俺、意外と傷つきや
すいんやで?・・・なんてのは冗談やけど。一応、何度も何度も愛し合ってる仲やないか・・・。
「・・・俺の事、・・・ほんまに好きやなんて思ってへんのやろ」
・・・は?
「・・・何言うてんの?好きやなかったら、あんな事せえへんわ」
そんなん、考えたら分かるやろ?
「・・・やって・・・奥さんと、扱いちゃうもん」
・・・ああ、それか。
「・・・優しく、して欲しいん?」
・・・そういう所、可愛いんやもん。
「・・・別にぃ」
・・・そう拗ねなくても。
「へーぇ、お前がして欲しいって言うたら、今日、泊まろうって思ってたんやけどなーぁ」
・・・・・・増田が、黙りこくる。
「・・・・・・ごめん。白状する」
これだから、止められない。いけない事とは分かってる、でも、ついつい。
「・・・さ、行こか♪」
END