present as it for your birthday in next year


関係を結ぶ前に、身体を求めた。
 「・・・・・・」
向こうも『やりたい』と言ってきたし、ああ、同じか、同じやったらええわと思った。元々Sと
Mやったし、身体の相性もよかった。・・・好きという気持ちが芽生えたのは、その後だった。
 「・・・西田?何してんねん、ぼーっとして」
顔は悪くない。普段はずっと変な事ばっかしとるから、そういうイメージはないと思うけど、
まともな顔しとったら、かっこええのよ、意外と。・・・最近、こうして隣で見る事が多い。
 「・・・ちょっとな」
 「昨日の・・・・・・腰痛いん?」
 「なっ・・・お前なぁ!!場所考えろや、・・・
 「・・・やって・・・」
何かなぁ、変やと思っててん。妙にノブと大悟が、津田と西澤が、石田と井上が、田村と川島
が仲ええなぁって・・・・・・そら、コンビ組むぐらいやから、ある程度普通の関係より親密にな
るんは分かる。その割には、何やずっと側におるなぁ、って思って。・・・ありえへんと思った。
幾らノブがそっち系に走ってるからって、一緒に住んどった哲夫まで、そっち系には行って
へんやろ・・・って、半分諦めみたいな形で考えてた。・・・やからかな、最初、信じなかった。
 「・・・最近回数多いから」
 「・・・・・・お前・・・っ・・・ええわ、もう・・・」
まぁ、影響受けたんはノブやなくて、哲夫らしいけど。ノブが哲夫ん所出て、一人暮らしを始
めてから。ノブも多分大悟との回数が多なったと思うけど、・・・不思議と、こっちも多なって。
年甲斐もなく、週三回はやってます。大概が哲夫に無理やり押し倒されて、・・・なんやけど。
 「・・・これ、やるわ」
哲夫が取り出したのは、・・・まー似合わない、ピンクのリボンがかけられた、白の包み。
 「・・・何これ」
 「・・・来年の誕生日プレゼント」
 「は?」
 「・・・そんなんはどうでもええやん、開けてみ。とりあえず」
何か・・・変に、細長いねんなぁ。嫌な予感・・・
 「・・・・・・うわっ!!」
・・・出てきたのは、紛れもない、バイブだった。
 「何でお前、こんなもん、どこで・・・」
 「・・・どれに答えたらええの?」
・・・誕生日プレゼントって、お前・・・。
 「・・・ふざけてんの?」
 「半分は。・・・後は真面目な理由」
 「・・・真面目な理由?」
・・・全く。
 「うん。・・・お前、挿れる時に痛いって言うから、それつっこんで、慣れたら・・・
 「・・・・・・殴るぞ?」
何が真面目じゃ、どアホ。
 「・・・酷いなぁ。俺、ノブから、あんまり慣れさせないのに入れたら、病気になるって・・・」
・・・・・・そんな顔しても、騙されんぞ。
 「・・・何か、他のもん、あるやろぉ?」
 「他のもん?」
 「せやで!・・・例えば、・・・どっかのブランドもんの財布とか」
これは、大悟がノブに買ってもらったもん。のろけやからむかつくんやけど、ノブが散々梅
田を歩き回って、一時間かけて選んだもんらしい。大悟は大悟で、それを大切そうに持って。
 「・・・お前、この前新しいん買ってたやん」
 「・・・とにかく!・・・後はそやなぁ、・・・ネクタイとか」
これは、川島が田村に買ってもらったもん。あの二人は自分からはよう話さんけど、見てる
だけでめっちゃ仲よさそうやし、川島も何かとプレゼントされたネクタイを、つけている。
 「・・・お前、あんまつけへんやん」
 「例やって言うとるやろ、例やって!・・・もっと、普通なんでええやんか」
津田やって、井上やって、何かもらってるんやろうな。貢ぐって言ったら意味がちゃうけど、
周りの『彼女』の『彼氏』は、何かと自分の『彼女』を可愛がる。というか相方バカ。西澤は
まだ薄いけど、無い訳やないし、他の三人はかなり濃い。・・・やから、ちょっと羨ましい。
 「・・・・・・緊張すんねんもん、・・・普通の買うの」
・・・・・・哲夫?
 「・・・それって・・・」
 「そういう事。・・・だーもう!・・・何やねんもう!!」
・・・ほんまに、世話のかかる・・・。
 「・・・これ、一応もらっとくわ」
・・・安いもんでも、ないやろうし。
 「・・・あ!変なこと、考えんなや」
それだけは、何や気持ち悪いから嫌や。
 「・・・うん」
 「・・・後な、哲夫」
 「・・・うん?」
 「・・・再来年は、もっとましなん買うてきてな」
・・・恥ずかしがったりなんてしないから。周りの奴みたいに、素直に喜ぶから。



END