第二話→初H。
いきなりセックス、という事は無かった。思ったより、有野は落ち着いていた。・・・というか、
すぐセックスと思っていた俺が可笑しいのか。・・・光は、ベットスタンドの小さい灯りだけ。
「・・・ん?どしたん?さっきから、きょろきょろして」
有野より、むしろ俺の方が緊張している。何だか急に、力が抜けた。
「・・・・・・せえへん、の?」
「すぐしたい?」
顔を横に振った。有野は少し残念そうに笑いながら、俺の後ろに回り、そのまま俺を抱き締
めた。俺をそのまま包み込んでしまうほど、背が高い有野。息がかなり荒くなってる。
「・・・怖い?」
めっちゃ怖い。逃げたい。しっかり捕まえられた身体。・・・嫌、嫌やぁっ・・・!!
「・・・可愛いなぁ、ほんまに・・・」
逃げたいと思っていると、後ろから胸を揉まれる。
「・・・んっ、・・・んんっ・・・!?」
自分の口から、甘い声が漏れる。何とか両手で抑えようとするが、胸を激しく揉まれた為、喘
ぎ声を止める事が出来ない。・・・嫌や、このままいったら絶対、可笑しくなってまう・・・!!
「・・・逃げんでええよ、濱口。・・・すごいなぁ、もう勃ってるで、ここ」
三角形に勃ってしまった乳首。人差し指で、もどかしく触れられたり、押されたりする。その
度に、身体は反りあがり、口から溜息と甘い声を出す。・・・有野が、嬉しそうに愛撫を重ねる。
「・・・ん、んぁぁっ、・・・ふぅっ、・・・んん・・・!」
もう、喘ぎ声を出すのにも慣れてしまう。鏡に、後ろから身体を弄くられている姿が見える。
「・・・嫌っ!・・・そこは、・・・嫌やぁぁっ・・・!」
下半身に手をかけようとする、相方の手を必死で止める。
「・・・大丈夫やで、痛くはせえへんから・・・」
有野は優しく俺を抱きかかえ、そっとベットに押し倒した。タオルをめくる相方、・・・さんざ
ん愛撫を重ねられた為、抵抗をする気にもならない。・・・無防備に勃起している、突起物。
「・・・濱口、ちょっとごめんな?」
有野は足を広げ、陰部の穴にいきなり指を入れた。
「嫌ぁぁぁっ!?・・・ああぁっ、・・・ぁぁっ、・・・んぁぁぁ・・・!」
そのまま、ぐりぐりと指を奧へと入れられていく。たまらない痛さに、涙が出る。
「・・・嫌あぁぁっっ!はぁあっ、・・・ぁぁあぁっ、あぁぁ・・・っ!」
耐えられない痛感に、無意識のうちに涙が出ていく。身体を差し込まれる事は、考えていた
以上の痛さを伴うものだった。有野の身体はぐんぐん近くなり、足を曲げて、腰に絡ませた。
「ぅぁあぁっ、・・・あぁっ、・・・んっ、ぁぁ・・・!」
腰を振られ、異物が入り込んでいく感触が、怖いほどリアルで。痛みはまだ残ってるけど、そ
れを掻き消すみたいに快感が身体を走る。気が付くと、手の甲がすっかり熱くなっていた。
「・・・ごめんな、痛いやろ?」
確かに、激痛は止まらない。でも、何か気持ちいい。有野の手が、優しく俺の顔を包み込む。
「・・・大丈夫、・・・よくなってきた・・・」
可笑しい。先刻まで痛い痛いと泣き続けていた身体が、気持ちいいと快感に震わせている。
「・・・んふぅっ・・・・・・有野ぉ・・・」
相方の唇に吸い付いた。もっと、もっと奧。
「・・・ああぁぁっ、有野ぉ、有野ぉぉっ、・・・はあぁぁあぁ―――――っ・・・!」
身体を振った。・・・気付くと、俺はベットの上に横たわり、荒い息を何とか抑え込もうとしていた。
・・・有野は、ティッシュで、周りの精液を拭いていく。
「・・・痛っ・・・!」
手伝おうと足を上げた途端、先刻身体を差し込まれた時と同じくらいの、痛さが走った。
「・・・ああ、あかんよ、痛いやろ?ごめんな、・・・もう少し、優しく抱けばよかったな・・・」
有野が嫌に優しくて、切羽詰っていた気分が、解けていく。
「・・・・・・なぁ・・・もいっかいしよ?」
濱口が、そっと身体に寄り添う。・・・もう、一回・・・?俺の聞き違いだろうか?
「・・・ええん?」
濱口が、首を縦に振った。
「さっきのん、実感無かったし。・・・な?ええ、やろ?」
望んでも居ない事に、身体は正直に喜んだ。でも、もう一回なぁ・・・・・・まぁ、ええか。
「・・・んあぁっ、・・・はぁっ、ぁぁ・・・有野ぉぉ・・・・・・!!」
濱口の後ろの方に回り込み、身体を差し込んだ。・・・相方の脈が、陰部を通して身体中に響く。
相方は、腰を前後に振りながら、ベットシーツをめちゃくちゃに引っ張る。たまらん・・・・・・。
「・・・あぁ、はぁああぁっ、・・・ああ・・・!!」
ずっとずっと、好きだった。こいつが好きになったんは、確かめちゃイケが始まった頃ぐら
い。その時はまだ、はっきりとした実感は無かったけど。でも、何処か可笑しかった。椎名林
檎のコスプレをした時も、上半身を裸にした時も、確実に下半身は勃起寸前になっていた。
「・・・大好きやで、・・・濱口・・・!」
今まで何度、「やりたい」という衝動を抑えてきたか分からない。
「・・・あぁぁ、ぁぁああ、・・・・・・あああぁぁぁ―――――っっ・・・!!」
濱口は、精液をたっぷりと放出し、またベットシーツに突っ伏した。・・・止められなかった。
「・・・・・・濱口、ごめんな・・・」
気付いたらまた、すっかり力が抜けた濱口の身体を裏返し、また身体を差し込んでた。気持ち
ええ、もうこのまま、どうにかなってしまいそう。濱口とずっとやりたいやりたいとは思っ
ていたのは確かだけど、こんなに気持ちいいとは思っていなかった。男根をきつく締め上げ
る感触も、俺のサディズムを刺激する事にしかならない。喘ぎ声も、また快感を伴って聞こ
える。濱口の足が、だらしなく垂れ下がる。背中に腕を回し、抱き上げて、キスをした。
「・・・んっ、んはぁぁっ、・・・んんっっ・・・!!」
身体が密着して、快感がまた大きくなっているのか、濱口は必死に俺の背中にしがみつく。
「・・・ん、有っ、野ぉぉっ、・・・ふぅんんっ・・・!!」
自分が何処に居るかも、今の時刻も、相方と抱き合っている事以外、全て頭の中から消えて
いた。必要が無い、そう身体が拒否をしているような感じ。濱口と俺は、お互いの身体をきつ
く抱き締め、三回目の絶頂に達した。何度も、何度もお互いの口を貪った。気持ちがよかった。
汗と、精液を軽く拭き、布団の中で抱き合いながら、またキスをした。・・・甘いキスを、ずっと。
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