よう!
わしは、スカッドというケチな鍛冶師じゃ。
WMから、操兵についてなんか話せと言って、ここに連れてこられたんじゃが・・・。
全く、はた迷惑な・・・。
まぁ、奴には世話になっとるしな・・・わしで解るところまで話してやろう。
1.操兵の種類
まず、『操兵』とは何かについて話してやろう。
ま、簡単に言えば、「不思議な力で動く鉄巨人」じゃ。
なに?それだけじゃ、わからん?
まあ、そう急くな。中身の詳しい事については、これから話してやるから。
今は、大まかな種類についての話じゃ。
鉄巨人と言ったが、その大きさは全長約2リート、鋼の鎧を全体にまとってるため重さも数グローもする。 で、その操兵の種類じゃが、大まかに3種類に分類される。
まず《狩猟機》じゃな。普通、操兵と言えばこれを指す。
人型の鎧をまとった姿から、「剣を扱う者(フェンサー)」とも呼ばれるな。じゃが、一般的には「頭あり」の方が通用するじゃろうな。
《狩猟機》は後から話す他の種類に比べ、全体的な格が高く、格闘戦においてはほぼ無敵な強さを発揮する。しかしな、格が高いということは、それを乗りこなすには高い技量が必要じゃ。技量が低いと操兵に振り回されて、本来の力を発揮することは不可能じゃろう。
それに技量の他にも身分や家柄などに優れた者、つまり騎士にだけに与えられる機種と言える。このため、機体の装飾は他のものに比べて多く、武器も主に剣などの「騎士の装備」を使用することが多いのう。
次に《従兵機》じゃ。
こいつは「狩猟機の簡易版」と言うのが相応しいのぅ。
狩猟機より機体の格が落ちとるから、機体反応が鈍い。が、作る手間や価格が狩猟機よりかなり低くなっとる。低いと言っても、膨大な資金を用意するのはかわらんがの。
で、その機体反応の鈍さから、初めて操兵に乗る人間の練習用や狩猟機を補佐する機体として位置づけられとる。そういう狩猟機の簡易版じゃから、指や腕の機体の部分は狩猟機ほど精密にできとらん。指も「物を握る離す」ぐらいのことが出来る程度じゃから、持てる武器も両手で握って体重をかける武器、つまり槍や両手持ちの斧などが基本じゃな。
形も、大きい四角か卵形の物体に手と足をつけたような形をしとる。そして、主な武器から「槍を持つ者(パイカー)」や「頭なし」とも呼ばれておるの。
最後に《呪操兵》じゃ。
この操兵は《練法師》と呼ばれる術師が自分の術を増幅するための操兵じゃ。実際に触った事があるから、その経験を話そう。
基本的には狩猟機と同じように人型じゃが、機体の格としては低い。ただ、指だけは精密に作られておる。これは、《結印》と呼ばれる術を行うときに行う動作を精密に行うためじゃ。その他の外見は狩猟機などに似ている。ただ、聞いた話では、腕が6本あったり、顔にあたる《仮面》が2つあったりと、不可解な構造だと言えよう。
それから、詳しくは後で話すが、操兵を動かす人間−つまり《操手》−が乗り込む、《操手槽》が狩猟機や従兵機とは異なっておる。
ちなみに呪操兵はこの《西方》では作られておらん。これは、《西方》での制作法の知識が欠如している為じゃ。基本的に《東方》で制作しており、それを捕獲して研究はしているものの、従兵機による《疑似呪操兵》というものしか制作できないようじゃ。
こいつも「言葉を唱える者(ワーダー)」と呼ばれておるの。この時の「言葉」は呪文を指すそうじゃ。
2.操兵の呼び名
その操兵にもさまざまな呼び名がある。
次は、その呼び名について説明しよう。
様々な国に操兵は存在する。それは、国を守ったり攻めたりするのに使われとる。この時、操兵の軍団を指揮する操兵が存在する。この指揮を執る操兵は、国の象徴であったり、その国の最強の操兵じゃろう。この操兵を《旗操兵》と呼んどる。これは主に狩猟機の役目で、従兵機がその役目に就くことは少ないじゃろう。
次は《古操兵》じゃ。
古操兵は、紀元前3000年前に存在していたと思われる西方先史文明時代の操兵じゃ。主にその遺跡から発掘されることが多いのう。ただ、その機体は精巧に出来ており、現代の鍛冶師でも理解できないところが多い。その為、現行の操兵の部品では修理が出来ないという事じゃ。
まあ、出来ても装甲の交換や小さな傷を治すことぐらいじゃな。
その古操兵の中で先史文明の絶頂期に作られた操兵を《秘操兵》と呼んでおる。これら秘操兵は神のごとき力を有し、不老不死だったと伝えられておる。
以上、操兵の種類について駆け足で説明したが、どうじゃったかな?
次から、もっと突っ込んだ話をしていこうと思う。
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