光...
波うつ星の胎動
光る原始の海は
月光に揺れる 海底世界へ
まるで夢だと思った。
夜の海。
一人で歩く、暗い海岸。
闇が世界を喰らい、夢の切れ端が静けさを落す。
まるで、夢だと思った。
目を閉じた瞼の裏に現れる、幻想。
たった一人だけ見ることの出来る、幻想。
揺らめく光は、希望の影。
たった一人で。
届けと祈って。
届くと信じた、その夜の便り。
冷たい煌きに海へと落ちた、青白き魂。
両手で掬い上げて。
初めて知る、手のひらの温度。
光の光臨よ。
たゆまぬ 波の音に誘え。
静かなる終焉へと。