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赤木は夜道を走っていた。
やくざの代打ちの依頼を受けたのだが、契約に反する事をしてしまい追われる状況となってしまったのだ。
やくざの恨みはさすがの赤木でもやっかいだ。夜の街の路地に逃げ込んだ赤木は
息をつきながら今後の行動を考えていた。




赤木「クソ‥‥。何でああいう連中はこう面倒事が多いのかな‥。もっとスカッと生きればいいのによ‥」

赤木はタバコに火をつけた。


赤木「面倒くせえな‥。原田にでも片してもらいたい所だが‥。あいつに頼み事すると色々要求されちまうからな‥。
    カマ掘らせろとか‥。気が引けるんだよな‥。
    ‥でも‥。しょうがねえかもしれねえな‥。俺だけで解決出来そうもねーし‥。
    体与えるぐらいで解決するなら安いもんかな‥?」



赤木は悩んだ。その時路地に人の気配がした。


赤木「‥!誰だ‥?」

原田「クク‥。聞いたで、赤木‥」

赤木「‥原田!? お前こんな所で何やってんだ‥?」

原田「俺でもたまには一人になりたい時もあんねん‥。まあ‥散歩や‥。それよりお前大変らしいな?」

赤木「‥‥。ああ‥。モメ事起こしちまってよ‥。どうにもこうにもいかねえんだ‥。それで俺‥お前に頼みが‥」

原田「ええで。俺ならそんなモメ事軽いもんや。部下の部下の部下ぐらいでカタがつくで」

赤木「頼りになるぜ‥‥ありがてえ‥!」

原田「ただし‥や」

原田は赤木に近寄った。

赤木「‥‥やっぱり?」

原田「クク‥‥。分かってんねやろ。その代わり、お返しは貰うてええ言うことやな‥?」


原田は赤木を壁際に追い詰めた。赤木の目を上目で覗き込むように見る。


赤木「う‥‥。‥しょうがねえ‥。言ってみろよ‥」

原田「分かってる癖に小癪な奴やな。ええわ、ハッキリ言うたる。
    モメ事を片付けてやる代わりに‥‥‥‥


    お前の体を、いさざくぜ!





二人の時が止まった。





赤木「‥‥え?‥何だって?‥‥‥いさざくぜ?‥‥いさざくぜ!って言ったろ?今?
‥え?何?お前の体をいさざくぜ!って?‥‥何?‥‥え?いさざくぜ?
   え?‥‥いただくぜ!じゃねぇの‥?‥‥いさざくぜ!え、え?いさざくぜぇ?
   それ何?何それ?」

原田「‥‥うるさいのぉ‥。 ちょっと間違えただけやんか‥。お前が言わせるから‥」

赤木「え?え?俺?俺のせい?え?何て言いたかったんだ?」

原田「‥‥いただくぜ!‥‥やろ‥‥」

赤木「いただくぜ?え?いや言ってねえよ。いさざくぜ!って言ったぜ、お前。
   いさざくぜ!お前の体をいさざくぜ!

原田「もうええやん、もうホンマ、マジで」

赤木「え、いやいや‥お前ちょっと座れよ、いいから。いさざくぜぇ!ってお前。何それ?
大阪弁?どこの言葉?なぁ。コラ。もしかしてやくざ用語?なぁ。やくざはそう言うの?
   それ‥どうよ?それ‥。面白えか?」

原田「ホンマ、しつこいなぁもう‥‥!!」

赤木「お前がいさざくぜとか言うからよ。いただくぜって言やあいいのによ。なぁ?いさざくぜって‥なぁ?(原田をつつく)」

原田「‥‥‥(泣き出す)」

赤木「いさざくぜ!いさざくぜ!」

原田「‥‥うるさいのぉ‥!!‥‥うう‥‥」





end.

ごっつの「悪魔」からでした。