私の出会った少年達〜前編

  いささか恥ずかしいのですが、自分の過去を回想して、今の僕の世界を形作った少年達との出会いを披露したいと思います。と言っても別に艶っぽいいい話があるわけでもないので、興味のない人は読まないでね^_^;。

 私の初恋といえば、中一の時でしょうか。私立の中高一貫校に通うようになり、同じクラスになったS.K君を好きになりました。いわゆる異性を好きになるように彼に惹かれていることに気づくのに、そう時間はかからず、この感覚は私を大いに悩ませることになりました。自分が同性愛者であることを受け入れるには、私の周囲の空気はあまりにも保守的だったと思います。
 S君はとてもまじめで大人しい子で、気弱なぐらいでした。猿系の丸顔で、「かわいい系」で、一般的なゲイに受けるタイプの子だったと思います。たまたま住居が学校から同じ方向で、行きの電車の時間を合わせて、できるだけ乗り合わせるようにしたものです。私の乗る駅発の、ロマンスシートの電車で毎朝出会い、隣に座るのが楽しみでした。しかし、私は我慢ができず、彼の太股に触ったり、しまいには股間に手を伸ばすようになりました。気弱なS君がはっきり拒絶できないのをいいことに、だんだん調子に乗ってしまったのですね。
 しまいに嫌われて、電車の時間をはずされるようになってしまいました(T-T)。当時人付き合いのヘタだった私は、遊びに誘うこともできず、やがて彼とは別のクラスになってしまい、次第に疎遠になってしまいました。内なる本性をむき出しにして彼を脅していじめていたら、どんな展開になっていたか、神のみぞ知る、というところでしょうか。
 それから中二、中三と進級していく中で、私の嗜好は年下に向かっていることを強く認識させられました。かつて性対象でなかった小学校時代のかわいい同級生も、夜のオカズになっていきました^_^;。
 中三の頃、後輩の中一でD.O君というのがいました。この子は色白、小柄で誰が見てもかわいい子でしたね。今から思うとその性格の悪さもちょっと魅力的です。先輩の立場をかさにきてけっこういたずらしましたが、結構強気につっぱねられましたね。おかげでこっちも強気に出て、人目につかない屋上で押し倒してやったことがありますが、あまりに暴れるし、普段口の達者なその子が、まじで泣きべそかいて抵抗するんで、解放してしまいました。あの頃なら大して罪にならなかっただろうし、惜しいことをしたものです(ぉぃ)。
 高校へはエスカレーターです。進級前に、小六でうちの学校へ受験に来たS.I君に出会いました。うちの高校生は、アルバイトで受験の助手をするんです。休み時間に何人かの受験生と話して、S君と仲良くなりました。人なつっこい子で、休憩時間は私の膝に抱かれて話をしていました。その日腹の調子が悪かった私は、S君に「俺のふとんになれー」なんて冗談を言ってずっと彼を膝に抱いていました。ちょっと太め、色白で丸顔で瞳がきれいな男の子です。私の好みの原点ですね。私のヘタクソなイラストの男の子は、S君によく似ていたりします。一般的なゲイの人にはあんまり受けないタイプかもしれませんね。
 S君は5倍の倍率を勝ち抜いて入学してきました。彼の顔を見るのが楽しみでしたね。彼が入学して間もないある日、こんなことがありました。食堂前の廊下で彼と出くわし、彼の方から話しかけてきました。私はその日偶然腹の調子が悪く(後で盲腸とわかった)、不機嫌そうに「いまちょっと腹の調子が悪いんや」と答えました。彼は「またおふとんする?」と自分からすりよってきたのです。ああ、何てかわいいんだと思いました。
 その子と、いわゆるスキンシップレベルの接触は多かったですが、もちろんゲイとしてつきあったわけでもなく、性的関係があったわけでもありません(本当)。しかし、当時の私に、今と同じぐらいの性知識と、思い切りというか、ソノ気があれば、この子とは最後までいけたな、という実感はあります。一対一なら、たぶん、何をしても拒まなかっただろうという確信はあります。S君のその後は知りませんが、ひょっとするとゲイの道に進んでいるかもしれませんね。このS君との関わりが、私の中高時代の最高の思い出の一つだと思います。
 中高時代の思い出をもう少し。自分自身のことではないのですが、同級生に、Kという、ホモを公言している輩がいました。彼は柔道部のコワモテで下級生や同級生を威圧し、毒牙(笑)にかけていました。廊下で下級生を捕まえて抱きしめ、キスをするまで離さないとか、教室の後ろで押し倒して服を脱がしたりとか、「かわいい」同級生や下級生が本当にかわいそうでした。その時の私は、Kに「お前ええかげんにしとけ」と止める役割です。本音は、どんなにKがうらやましかったことか^^;。一緒にやるなり、立場かえるなり、本当に、もっと悪人になりきれればよかったと思います。彼に三年間ずっとつきあわされたH君、当時は好きでやってると思っていましたが、後から聞くと怖くて拒めなかったらしくて、気の毒な話だと思いました。コワモテのKがなぜ私には好意的ないし低姿勢だったのかよくわかりません。まあ、私は中三の時、悪さが過ぎて退学リスト(私立なので退学はあり得る)に載ったこともありまして、あんまりナメたもんでもないと一部では思われていたようではありますが。
 このKがしでかした悪行の中で、一番強烈な話を紹介しておきましょう。高二の時だったか、中学生をトイレに連れ込んで、自分のをしゃぶらせたそうです。Kは今有名企業に勤めて何食わぬ顔なんですが、それこそよく退学にならなかったものです(停学にはなったようですが)。当時あまり表沙汰にならなかったのは、やはり被害者の方の事情でしょうな。当時事件と同時的に事情を知っていた人間はわずかですから、噂が広がるのを一番怖れた処理がされたのでしょう。無理矢理だったようだから、被害者の生徒は、ある意味、一生傷でしょうな。かわいそうな話です。それにしても後日談でそれを知った私がいかにKをうらやんだかは言うまでもない話です。

2001/06/24記す 後編に続く