灰色の瞳
合鍵 灰色の瞳
今日も僕のポケットの中には、《あいつ》の部屋の合鍵がある。
たまり場のマンションを居場所にしている少年たちの一人、丈司は十二歳
気持ちいいし、あったかいし。けど、終わったあと、何か自分が嫌になる
《あいつ》のマンションのエレベーターホールで、丈司は幼い男の子と出会う
もう二度と僕はあの子に会えない
その子は外国人で、親は不法就労者か何からしい。日本語も話せず、行き場のないその子は、《あいつ》部屋に、ずるずると住み着くことになる。
「やだよ、もうやめろよ……」
屈折した孤独な少年が求めたかすかなぬくもり。運命は彼に、さらに残酷な牙をむくのだろうか。
A5版 小説本 本文ジェルジェットインク印刷 表紙モノクロインクジェット印刷
本文20P(挿絵3P) 頒価200円