ぼくがジローになった日
あの日から、ぼくはジローになりました。
幼稚園の頃、どうせ無理だからって心のおくにぼくがしまった夢は、広いお庭のある家で、犬を飼って、一緒に遊ぶことでした。
お母さんが新しいお父さんと結婚して、ぼくの忘れかけていた夢はかない、ぼくは幸せな日々を過ごせるはずでした。でも、小三に上がってすぐ、僕にはまた不幸がやってきたのです――
藤々さんにイラストをいただき、裏設定をうかがってそれを短編小説に仕上げました。
うちの作品としては幼い少年の独白体で、肉親の愛に恵まれない生い立ちが語られます。「大人の悪意」が読者にははっきりと伝わるのに、少年自身は……。
表紙の絵はは藤々さんのイラストをトリミングして着彩・加工したものです。このクライマックスに向かい、物語は進みます。
文・とりさん 挿絵 藤々京太
B5 12P 挿絵1
表紙カラー、本文モノクロレーザープリンタ印刷 90K白上質使用
頒価200円