Take the 'F' Train
でもこいつの言った「けがす」っていうのがどういうことか、わかりかけてきた。けれどほんの少ししかわかってなかったことは、あとで思い知らされた。
「見えないとこわいもんだろ? 何されてるかわからなくてさ」
車両の三枚のドアが開き、夜風が舞い込んだけど誰も乗ってこない。ついてないついてない。
「まだ四十分くらいあるな」
本当に死んでしまう。けどこの人はやめないだろう。
「やれやれ、よっぽど痛いのが好きなんだな」
僕はなんてバカな上についてないんだろう。
暴力的陵辱一直線の実用本位の短編。
学ランの新中一少年が味わう悪夢の六十分を一人称で描きます。
B6 本文(16P)、挿絵2 表紙ともモノクロレーザープリンタ印刷 白上質90kg用紙使用 中綴じ
頒価200円