この唐突なネタは、泉鏡花の短編「薬草取」より。男の子が異界にとらわれ行方知れずになるモチーフは彼の小説には多いのですが、これもその一つ。大男に肩車で運ばれてたんですが、大雨が降り出し、台無しになるてんで誕生日の記念に着せられていた美しい着物を全て剥がれて全裸に。そのあと、男の合羽だけかぶせられていっさんに山道をかけるのです。桐油合羽の資料は見つかりませんが、たぶんただの大きな四角い油紙だと思われます。渋紙の子どもの小包、という表現が出てきますしね。原典においては「月代を剃ったばかり」の設定ですが、絵にするのにそれはこだわらなくていいだろうということで。まあ合羽かぶってるんで設定通り描いてもよかったかもしれませんが……。
 かなり視覚的には萌えると思うんで、かわいい子で実写映像化を希望(笑) 設定は数えで九歳になったばかりですから、八歳でしょう。

 鉛筆でざざっと下絵描いて、筆ペン一本で極力修正しないで描いていきました。アナログなら水彩で色をつけたいところなので、ペインターを試したんですがどうも重い。キャッシュの設定かなんかまずいのかなあ。結局フォトショのナチュラルブラシで薄く淡く塗りました。クリックでちょっと大きいのが出ます。