#08
ペットと少年達3

 

 Bは、跪いて彼のペニスを頬張るペットとなった男の子の、乞食のように伸びた蓬髪をハサミで刈っていた。せいぜい小1程度の、ぷっくりとした頬の愛らしい男の子だ。その髪、青痣だらけの体、首輪と鎖が、無残な対比をなす。男の子は、目を閉じてチュウチュウと音を立て、勃起したBのペニスを吸っている。彼がここで飼われるようになってから二週間が経つが、昨日濡らしたタオルでくまなく拭われた肌は、なめらかなきめを保って、湿疹なども見えなかった。四つん這いの尻には紙オムツがされていた。尻の締まりが悪くなって、いくらお仕置きをしても漏らすのでBが買ってきたのだが、小便も含めて世話が楽になることに皆気づき、袋ごと暗い倉庫の隅に買い置きしてあった。
 Aが立ちあがる。
 「そろそろ言おうと思ってたんだけどよ」
 その声はBに向けられたものだったが、Bは振り向きもしなかった。ちょうど絶頂を迎え、ズボンを下ろした彼の剥き出しの尻がブルルと震えると、男の子の唇とBのペニスの隙間からボタボタと精液がこぼれ落ち、口を離した男の子は四つん這いのまま姿勢を低くしてコンクリートの床に落ちた精液を舐めていた。
 その様子を露骨に不快そうに見下ろし、Aは続けた。
 「ここは俺たちの巣であって、その汚いペットとお前の居場所じゃないんだよな」
 『汚いペット』という言葉に、Bは説明不能の憤りを感じた。
 「お前も、コイツに咥えさせたりケツ犯したりしたんじゃなかったっけか」
 振り向いたBの死んだ目には凶暴な光が宿っており、Aはたじろぐ。
 「Cの意見は? Dはどうなんだ?」
 「お、俺は……」小6の頃Bに鼻の骨と歯を一本折る怪我をさせられているCは、怯えながらも言った。「Aに、賛成、なんだけど……でも……」
 「あたしは、Aに賛成。そろそろ飽きちゃったもん。それにウンチのお世話はゴメンだわ。まだ子ども産んだこともないのに」
 異常に化粧の濃いDは、煙草の煙をふっと吹き出してどぎつい口紅の唇を歪める。
 「わかった。明日までにどっかに捨ててくるよ。今日はいいだろ?」
 Bが淡々と言う。
 「ああ、好きなだけ楽しめよ。お似合いだ。うちに持って帰って飼えば?」
 Bの家は一間のボロアパートで、Bの部屋はない。
 Aは焼酎の角瓶を壊れた机の上にドンと置いて、倉庫を出る。CとDも、続く。
 「じゃあね〜」
 Dが黒いマニキュアの指を淫らに動かして手を振り、カラガラと倉庫のドアを閉める。

 「……だってさ」
 Bはシンナーの入った瓶と、ビニール袋を持って男の子の側にしゃがむと、足を持って仰向けにした。男の子は目を閉じ、すっと足を上げて大きく開く。首輪の鎖がジャラリと鳴る。紙オムツをビリビリと剥いで、Bは男の子の性器をなぶる。男の子は小さなペニスを固くして甘い声でないた。Bは、もう無理をしなくても侵入できるピンク色の穴に、まだ男の子の唾液も乾ききっていないペニスをゆっくり挿入した。
 シンナーを深く吸い、その袋で男の子の口と鼻をも塞ぐ。甘い気体を、男の子も深く深く吸った。頭痛がするので嫌いだったシンナーを、Bは繰り返し吸う。口に含み、繋がったままの男の子の口に口移しで注ぎ、唾液と一緒に反芻した。青い稲妻と緑の炎が周囲に迸る。Bは全裸になって、男の子の首輪を鎖から外し、キュッと抱きしめると、倉庫の扉を開け放った。
 黒い海に月明かりが白い光を投げているが、Bにはそこから幾筋もの鮮やかな虹色の煙が立ち上るのが見えていた。男の子を自分の胸にピッタリとくっつけ、向かい合わせにロープで縛り付ける。不思議そうな丸い瞳で見あげる男の子が愛おしい。自らの両足を束ね、コンクリートブロックを縛りつけると、Bは男の子をしっかり抱いて闇に飛んだ。

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