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慎太は、俺の見ている前でいそいそとうれしそうに服を脱ぎはじめた。しょうがねえな。俺も、服を脱ぎ捨てる。
ソファに俺が仰向けに横になると、慎太が体をかぶせてくる。あ、と言って慎太はいったん立ち上がり、小物入れからローションの容器を持ち出してきた。
俺の体に覆い被さる慎太は、俺より一回り小さくて、華奢な体をしている。色白だから、ビールでほんのり体が染まっているようだ。まあ、俺も一五〇ちょいしかないんだけど。
「うれしそうだね」
俺は、小さなペニスの皮をむいてしごき、いそいそとローションを亀頭の先に塗っている慎太に、そう言った。
「だって初めてなんだもん」
愛嬌のある笑顔だ。やっぱ小学生だよな。俺も一つしか変わらないけどね。
目の前で勃起させてる慎太を見ていると、俺のチンポもちょっと硬くなってきたみたいだ。慎太は、まだ毛は生えていない。俺は、申し訳程度に生えてきたところだ。‘奴’に出会った頃はまだ、まったくツルツルだったっけな。
「よし、行くよ!」
「ああ」
「ね、気持ちよかったら声出していいから、ね」
(こいつ、ホントにバカかも・・・)
俺は、それでも慎太の首に手を回した。そして彼が華奢な体を覆い被せ、濡れたペニスを押しつけてくる。
でもねえ。慎太が気分出してあんあんいいながら俺の腹の上で暴れていると、何かかわいいんだけど、俺の気持ちは何となく冷めていった。
(何か、入れられてるってよか、押し当てられてる感じだな)
ちっこいからな。‘奴’のが入ってくると、調子によっては痛くて逃げ出したいぐらいだし、それでなくても何か体が壊れそうで、今でも毎回恐い。でも、これはこれで頼りないかな。
(今、眠いっつったら怒るだろうな)
俺の体の上で腰を振る慎太の頭を軽く抱きながら、俺は思った。
その日、結局‘奴’は戻らなかった。二人で奴の悪口を言いながら帰った。寒かった。
奴の部屋の合鍵は、今日もポケットの中にある。
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