狂人日記〜その1
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普通日記というものは、他人に見せるために書くものではない。では俺は、いったい何のためにこの日記を書こうとしてるのか。来たるべき破滅の予感。俺の存在した証。それとも自己顕示欲のなせる業か。
俺が初めて人を殺したのは、それもいたいけな少年を殺したのは、もう二ヶ月も前のこと。俺はその時、かつてない快感を覚えた。これまでに味わったこともない快感を。それまでにも少年を何人も抱いたことはあった。しかし、あの少年の命を奪ったときの快感は、少年の中で果てる時とは比べものにならぬ、異質な、至高の快感であったのだ。
まずはその日の出来事を、振り返って記すことにしよう。
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