狂人日記〜あとがき
究極の虐待の形とも言える、殺人をネタにして作品を書いてみたいと思いました。構想としては、一話完結の連続もので、一話に一人の少年が登場し、その子のキャラクター、つまり抱えている不幸や、心の痛みが浮き彫りにされ、その子にもっともふさわしい死を「俺」が与えていく、というものです。当初六部構成で、兄弟ものの前か後にもう一人死ぬか、ラストのエピソードが二部構成になる予定でした。結局五部構成になりましたが、今回出さなかったエピソードは、いずれ短編ででも、書いてみようかなと思っています。
このような狂った物語を、主人公にめいっぱい感情移入して書きました。こわいですねえ(笑)。でも、死に向かうその時にこそ発揮される究極の美みたいなものって、本当にあると思うのですが。ありがちなエロとはちょっと違う、自分にしか書けない世界が書けたかな、という自己満足は少しあったりします。
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