イントロダクション

 私立全寮制御堂学園。設立者は大企業「総合商社 御堂」の幹部であり、そこに通う子弟もまた、同社社員や、関連会社、関係者社員の子息でそのほとんどが 占められる。その特殊性としては、小学校五年生からの編入を基本とし、中、高を合わせて八年間の一貫教育を行っている点である。男子部と女子部があり、それぞれが完全に隔絶され、独立している。全寮制で、親元に帰れるのは夏休みと冬休みのみである(希望制。ずっと学園内で生活することもできる)。物語の舞台、男子部については、小5、6年は1学年3クラス(1クラス25名以下)、中1で編入を受け入れ、1学年30名以下の4クラスになる。教諭も男性のみ。
 閉鎖された世界の中で、子ども達の人間関係は独特の歪みを見せていた。親の地位が、そのまま子どもの人間関係に影響を及ぼすのだ。主人公 純也が入学する1年ほど前から、生徒達を暗然と支配してきたのは、「総合商社 御堂」の幹部役員、清家京輔の息子、秀一であった。成績優秀で生徒会の役員でもある 仮面の下で、彼は己の欲望を満たすため、闇の支配力を発揮していたのであった……

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