巻3概要

「けどもう、きっとユキちゃんは僕がいなくちゃ生きられないんだ」
「お前は美しい。この世で一番かわいい俺の宝物さ。お前は俺だけのものだ」
「どこへ行く の、先生、せんせい、せんせい……」
「お母さんはどこへ行ったの? いつ、帰ってくるの?」
  次第に鮮明になる過去の風景は、いたましく、切なく、それでも かすかに甘かった。
「偽りを暴いてぶち壊してやる」
「痛ッ……や、め、て……」
「気持ちいいの好きだろ」
「僕、もうダメだ……お父さんごめん。……純ちゃん、まあ君、猪瀬……先生……誰か、助けて」
  裕と純也の淫虐の地獄はエスカレートし、幼い心と体を容赦なく傷つけていく。そしてひそかに奏でられはじめ た、御堂崩壊の序曲。それを知ってか知らずか、清家と涌坂の狂気はいよいよ最後の暴走を開始する。  純也、裕、将大、そして亮平。夜を徹した地獄の四重奏、 最終楽章が、ついに始まる。少年達の悪夢の目覚める朝は、訪れるのか?