合鍵 第3話

  
 ボクタチガイマムチュウナモノ、ソレハセックスダ

 「今日俺の番だっけ?」
 シャツのボタンをはずしなから、俊也が聞いてくる。
 「ん・・・そう」
 僕、和紀はそう答えてシャツを畳の床に捨てる。

 そもそもこういう遊びをおぼえたのは、あいつの家に行ってから。何だかわけのわからないうちに裸にされて。正直、こわかったから、じっとしてた。チンポ舐められるのは最初からすげえ気持ちよかった。っていうか頭変になりそうだった。家に帰ってからどっと疲れてさ。二度と行かねえ、ってその日は思ったけど、二、三日したら、やっぱり足が向いてた。やっぱ、自分のこづかいだけじゃ遊びも限界あるし、とか思って。でもそれ、言い訳だったかも。されたこと自体に、やっぱ興味があったんだ。
 俊也にはあいつの部屋で会った。お互い知り合いじゃない子どもが、何人もあいつの部屋にいるのって珍しくなかったし。ちょっと話してみたら、同じマンションの別棟だった。で、あいつと関係なく遊ぶようになって。あいつに何かされた? って聞いたら俊也はずいぶんあわてたっけな。俺も、って言ったらびっくりしてた。

 最初にあいつを裸にして、あいつのチンポいじった時は、俺のチンポもぎんぎんに勃つし、それに心臓はバクバクいってて、わけのわかんないうちに二人ともお互いの手の中で射精してたっけ。そうすると何か、止められなくて。俊也と僕は、セクフレの仲(笑)ってわけ。

 今日は僕は入れられる番だから、楽と言えば楽。全部脱いで、ベッドに横になって、後は相手に任せるだけ。裸の俊也が、覆い被さってきた。俊也の髪はさらさらで、うつむくとぱさっと落ちてくる。自分の癖毛がいやってほどではないけど、ちょっとうらやましいかも。俊也は僕に軽く、キスをした。ちょっと表現しにくいけど、「甘い」匂いがする。男の子はみんな、俊也みたいな匂いがするのかな。僕もするんだろうか。少なくともあいつは、もっとむっとする、汗とたばこの匂いがする。僕も俊也もう何年かしたら、ああいう匂いになるのかな。たばこは嫌いだから、吸わないけどね。とにかく、キスは俊也とする方がいい。
 僕の小さな乳首を、俊也の人差し指がさすっている。もう片方を、唇で軽く吸っている。
 いろんなやり方を、実地で教えてくれるのは、あいつしかいない。やたらいても困るんだけどね。だから、ビデオとかエロ本で勉強する。もちろん普通の、男女のやつ。高校生ぐらいの兄貴がいる友達が、いろいろ回してくれるんだ。まさか、僕らの目的を知るはずはないけどね。

 乳首をなめられてることより、俊也のちょっと堅くなったチンポが僕の体にあたったり、お腹同士がこすれ合ったりしてる方が、何だか気持ちがいい。お互い、すべすべしてる。僕のチンポも固くなってきた。それに気づいた俊也が、左手で僕のチンポの先の方をくすぐる。皮をめくって先の方の穴のあたりを。

 これから、と思ったら涼しくなった。俊也が体を起こしたんだ。僕は目を開けた。俊也は手を伸ばして、ハンドクリームを取って、人差し指と中指にちょっと多めにすくい取った。ドキドキする。俊也は僕の膝を立てさせて、まず人差し指の先から、お尻の穴に触れてきた。クリームがじゅわっと、お尻の穴のしわに溶けていく。僕はまた目を閉じた。
 中指がゆっくり体の中に入ってくる。この変な感じが、ちょっといい。指はクリームでぬるぬるしてるから、痛くない。感触は、熱くもなく、冷たくもない。出したり入れたりしてる指を、俊也は少し曲げてきた。
 「気持ちいい?」
 「んー・・・」
 何かが通るだけで、おしりが気持ちいいと言えなくもないんだけど、それとは全く違う気持ちよさに、時々急に襲われることがある。ぶわーっと鳥肌が立って、じっとしてられない感じかな? でも、どうしたらそうなれるかは、よくわからない。だってそうなってるときは、相手がどうやってるかよくわかんないしね。今日は、俊也が指二本入れてぐりんぐりんやってても、そういうのは来ないみたい。入れる方は、けっこういつでも気持ちいいから、やっぱ入れる方がいいのかなあ。
 「今日はこっちでしよ」
 俊也は僕の体をひっくりがえした。わんわんスタイルだね。僕は膝を立てて、四つんばいになった。俊也はもう一回クリームを取って、自分のチンポにも塗りつけている。片手は僕の肩に添えられて、チンポの先は僕の穴に導かれていく。何が原因かわからないけど、うまく入らない日もある。穴の大きさもチンポの大きさも変わらないはずなのに、不思議だよね。
 僕のお尻の穴が押し広げられて、温かさが体の中に広がっていく。深呼吸して、俊也とリズムを合わせる。
 「ちょっと速く動いてもいい?」
 俊也の息は荒くなっている。
 「うん、大丈夫」
 僕もあえぎながら返事した。リズム良く俊也が動いて、僕はできるだけ力を抜く。唇を噛みながら。全身に温かいものが駆け上がってくる。
 「ん・・・」
 俊也がちょっと高い声を出して、僕の中でイッたみたい。

 ・・・とりあえす、今日は最後までいけたみたいね。この前はあせったよね。急に親帰ってくるし。ピンポン、って鳴ったら一気にチンポ縮んじゃったよ。うふふ。