非人ナナと正助への責めは続きます。正助は鞭打ち、馬による引き回し。ナナには後ろ手の晒しです。
二巻p854。闇太郎による少年殺しのシーンがあります。「おいらなにもわるいことなんか・・・」とおびえる少年が可愛いです。
二巻p1238。カムロという少年が自分の体を挺して堤防の決壊を防ぎ、死んでいくシーンがあります。
かなり飛んで三巻p979、逆さ吊りにして油に浸し、火をかける拷問が出てきます。
さらにさらに飛んで、物語は大クライマックス「日置大一揆」に突入します。この後捕らえられた百姓たちは壮絶な拷問の末に次々と死んでいきます。非常に多くのページが拷問シーンに割かれており、かなりのインパクトです(対象は少年ではなく、多くは「若者」ですが。四巻p1195より。逆さ吊り、縛り、水責め、板に四肢を固定しての焼き鏝責め。石抱かせ・・・ここでは膝の下の突起の板に骨が食い込むまで責められます(痛そう・・・)。
女の髪を縛って吊す。長時間の逆さ吊り・・・耳の後方やこめかみに穴を開けることによって鬱血による死を防ぎ、苦痛を長引かせるそうです・・・。万力に挟んで指を潰す。
手足を固定し、鎖でつり上げる。やがて体が引き延ばされ、背骨が砕けて血を吐いて死ぬまで絞り上げる・・・
火で炙った鉄の木馬に乗せる。鉛湯(高温で溶かした鉛)に足を浸ける・・・ここで、ゴンは正助をかばい、鉛湯を飲み干し、「うまか・・・」という言葉を残して壮絶に死んでいきます。
極めつけのラスト、正助を「物言わぬ証人」として利用するため、彼は舌を抜かれてしまいますが、うまくやるために実験台にされた男は、舌の根が縮み、のどを塞いで悶死してしまいます(かなりえげつないシーンです)。一人生きて返された正助は、言葉を話せぬがゆえに裏切り者と思われ村を追われ、姿を消し、全ての彼の努力は水泡に帰したかと思われる・・・日置陰衆が遺志をついでくれはしたが・・・という主人公としてはあまりに悲惨な正助の最期で、カムイ伝第一部は締めくくられています。
いかがでしょうか。クライマックス以降の凄惨な拷問描写は、なにが作者をここまでさせたのかと思えるほど凄まじいものです。この名作マンガは多くのことを語りかけてくれますが、暴力、拷問、虐待だけに注目しても、かなりの見所があります。少年の拷問シーンではないですが、やられているのを少年に置き換えれば相当おいしいシーンが(イラストでも文章でも)描けるんじゃないかな、と思います。
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