新聞記事 継父による児童虐待事件

 調べでは、×月×日午後六時半から約一時間、自宅マンションの子供部屋で「柔道を教えてやる」と泣いていやがる次男を床に数十回投げつけた。さらに同じ連れ子の長男に命令して、手で次男の顔や胸などを殴らせたり、足蹴りをさせたりし、二週間のけがを負わせた疑い。(中略)長男は「殴るのはいやだったけど、やらないと自分がやられるのが怖かった」と話している。

 最近のH新聞の記事。児童虐待はこのところ毎日のように新聞を騒がせておりますが、これははやり病とかマスコミの注目が集まっているということだけではないでしょう。地域社会や家族を支える親戚関係などが崩壊して、孤立した密室での子育てが増えていることが根本的な問題であろうと思います。そのあたりがわかってまともに解決しようという人は権力者に多くはなさそうなので、この種の事件はこれからも増加の一途をたどることと思われます。
 さて、この事件に関しては兄に弟を殴らせている点が興味深いというか、この父親の異常性を物語っているように思います。どのような思いで殴っていたのか、父がいなくなった後、兄は弟にどう接していたのか。この後心に傷を背負って生きるのは、むしろ、兄の方であるかもしれません。