〜2月22日〜
ブリーフィングが終わりいつもの様に部屋に帰ってきた二人。
ふとカレンダーの日付を見て、アラドは言った。
「今日って2月22日なんだ・・・」
「そうだな・・・それがどうかしたのか?アラド」
アラドはニマッと笑いながらクォヴレークォヴレーに自分の顔を近づけ
意地悪く笑いながら言葉を続ける。
「・・・2月22日ってさぁ・・・クォヴレーの日だよな?」
「??どういうことだ??オレの登録上の誕生日は・・・10月だが?」
突然のアラドの言葉に意味が分らず眉間にしわを寄せ彼が言わんとする
真意を探ろうとした。
「2月22日ってさぁ〜・・・猫の日なんだぜ・・・」
「・・・だからなんだ?」
「やっぱ、クォヴレーの日だよな!」
「????その根拠は?」
「ズバリ!!猫みたいだから!!」
「・・・・・・」
『猫みたい』と言うアラドの言葉に、クォヴレーは凍りつくほどの冷気を
身体中に漂わせた・・・・。
殺意(?)を感じ散ったアラドは一瞬背筋が凍る。
もちろんクォヴレーにはアラドを殺そうなどという気持ちはさらさらない。
ただ、常日頃から自分を子ども扱いしたりする彼に少しだけお灸を据えようと
わざと態度に示してみせたのだ。そういう部分はまだまだ子供だということに彼は気づかないが・・・(笑)
「・・・静かに怒るの止めてください・・・お願いです」
「別に怒ってなどいない・・・アラドの勘違いだ・・・」
「(怒ってんじゃん・・・殺気を感じたぞ〜?)」
「何故オレが猫なんだ?」
「知らないのか?管理人がネットで調べた結果、お前は猫みたいだ!って意見が圧倒的らしいぞ?
ちなみにオレは犬・・・」
「・・・猫・・・・猫・・・・」
「気にいんないの?」
「なんかGoing My Way な感じがしないか??」
「(実際その通りだろ・・・そんなこと言えないけど)
いいじゃん。猫ってさ、特定の人しかなつかないだろ?で、なつくとすごい甘え上手だし・・・
何もしなくても食い物もらえて幸せな生き物だよな・・・(涎)」
「結局アラドは食べ物か・・・犬にもそれは言えるから良かったな・・・」
「食い物のこと??うーん・・・でも犬って残り物のイメージが・・・」
「食べ物はもらえるだけありがたいものだぞ?」
「まぁね・・・」
2月22日が猫の日・・・・クォヴレーは顎に手をよせふと考え込んだ。
するとなにか思いついたのか、今度は彼が先ほどのアラドのように
意地悪く笑ったかと思うと言葉を紡いだ。
「2月22日が猫の日なら毎月1日は犬の日・・・つまりアラドの日だな!」
「???根拠は?」
突然の言葉にアラドの瞳はパチクリしている。
「犬の鳴き声は、『ワン』イコール『1』で1日は犬の日だ!!たった今オレが決めた!!」
「あ、そう・・・ちなみに駄洒落てるつもり?クォヴレー・・・(やっぱGoing My Wayだ)」
自分の言った言葉に恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にして否定する。
確かに『ワン』イコール『1』で1日は犬の日と言うのは苦しかったかもしれない・・・。
「!!駄洒落たつもりはないぞ!!」
「はいはい・・・」
「信じてないな!?」
「信じてるって。クォヴレーは駄洒落言わない人種だもんな〜?」
「・・・それは、オレが洒落も言わない、面白みのないつまらない人間だということか・・・?」
「(・・・オレ、言葉間違えたかな?落ち込ませちまったみたいだ・・・)」
アラドの言葉にクォヴレーは落胆し、落ち込んだ。
やはり造られた存在である自分は一緒にいても面白みもなくてつまらないのだろう・・・。
目を伏せクォブレーは自分のベットに行こうとした。
すると不意に背に暖かいものを感じた。
「そういう意味じゃないよ・・・。オレ、言葉足りなかったな。ゴメン」
どうやら、背に感じた暖かいものはアラドの体温だったらしい・・・。
「・・・では、どういう意味なんだ?」
「・・・クォヴレーは駄洒落とか言わないけど、十分面白いからつまらない人間じゃないぜ!!オレが保障する!」
「洒落とか言わないし、オレは感情もあまり表に出ない。なのになぜ一緒にいて面白い???」
「自覚ないんだ?クォヴレーってさ、天然ちゃんだろ?」
「天然ちゃん???」
「そ!思ってもいないようなことを突拍子もなく突然言ってくれるもんだから
みんなのハートをしっかりゲットしてるんだよな。
そういうのって、がんばって洒落考えてみんなのハートをつかんでる奴からみるとうらやましいと思うよ?」
「????そうか?」
「そうそう!!心配しなくても皆クォヴレーのこと好きだからさ、
自分が作られた存在だから〜とか 考えるのはやめろよ?」
「・・・アラドは?」
「へ!?」
「アラドは・・・オレのことどう思っている?」
背中から抱きしめられていたクォヴレーだが、
クルリとアラドと向かい合うように体勢を変えると
彼の目をジーと見つめながら聞いてみた。
上目遣いに、オマケに不安げにそう尋ねてくる彼にアラドはクリティカルヒットする。
ホントに・・・どうしてこう人の心をつかむのが上手いのか?
自覚がないからたちが悪い。
天然ちゃんは、ズルイ・・・。
「・・・そんなの、決まってんだろ?」
「・・・・・」
「愛してるぜ!!クォヴレー!」
アラドの言葉にクォヴレーは嬉しそうに笑うと、グイッと彼の顔を引き寄せ自分の唇を
アラドの唇に寄せた・・・・。
突然のクォヴレーの行動にビックリして固まっていると、そのまま身体を引っ張られ、
クォヴレーに覆いかぶさるようにベッドに倒れこんだ。
「・・・オレもだ、アラド、アラドが好きだ」
「さんきゅ!でもさ、クォヴレー・・・この体勢、やばくない?」
確かにベットの上で恋人とこんな風になっているのだ、ヤバイだろう。
フッと笑うとクォヴレーはアラドの耳元に口を近づけ囁いた。
「犬は・・・舐めるのが好きだろう?今日は存分に舐めるといい・・・」
「ええ!?それって・・・」
まさかクォヴレーからそういう行為を誘ってくるとは思っていなかったので
嬉しさよりも驚きが上回ってしまう。
しかも誘い方がなんと上手いのだろう(顔は真っ赤だが)先ほどまでしていた話題にかこつけてだなんて。
「・・・嫌なのか?」
「イエイエ!滅相もございません。では遠慮なく舐めさせていただきます。」
修正版というか完全版です。
最後には結局ラヴラヴなアラヴレ・・・
そして今回もおちもやまもなし、と。
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