〜白い日の贈り物〜
〜アラドサイド〜
最近クォヴレーが忙しそうだ・・・。
一緒におやつ食べに行こうと誘っても
『忙しい』とそっけなく断られてしまう・・・・。
なんか、寂しい・・・・。
仮にも恋人なのだから始終一緒にいるわけにはいかなくても
少しでも時間を作って一緒にいたいと思うのは普通だろ?
でも、あいつにそんな事言えない。そういう鬱陶しいの嫌いそうだし・・・
そんな事して今の関係壊したくないし・・・
はぁ・・・・どうしたらいいんだろ?
寂しい、な。
その日もクォヴレーは遅く部屋に戻ってきた。
ここの所毎日そうだ。
一体何してるんだろ?
ま、まままま・・ま・さ・か・・・浮気!?
いや・・・クォヴレーに限ってそんな・・・・。
「・・・アラド、まだ起きていたのか?先に寝ていていいと言っているだろう?」
「そうだけどさ、最近すれ違い多いじゃん?話す機会も少ないし・・・
せめて、おはようとおやすみの挨拶くらいはちゃんとしたいんだよ」
「そう言われれば・・・最近話す機会が少なかったな・・・。」
「そうだろ?お前おやつに誘っても『忙しい』とか言って付き合ってくんないし・・・
もうオレチョー寂しくて・・・・」
「悪い・・・。」
「お前・・最近何してるわけ?」
「・・・それは・・・」
「・・・それは?」
「まだ、言えない・・・」
「!何で?言えない何かやってんの?」
「アラド?何怒っているんだ?」
「別に・・・。クォヴレーは俺なんかと一緒にいなくても平気だってことがわかっただけ!」
「!!何だ?それは?オレがいつそんな事を言った!?」
「言ってないけど、最近いつもそっけないし・・・今だって言えないとか言うし・・・
そんな態度とられるとそうなのかな、と思っちまうんだよ!」
「・・・・」
「・・・・」
あ〜・・・オレのバカ!
いくら寂しかったからってあたってどうするよ?
クォヴレー呆れただろうな・・・子供っぽいって・・・
いや、独占良く強い、かな。
どっちにせよオレは・・・バカだ。
でも一回タガが切れると止まらなくなるんだよな・・・こういう時って。
う〜・・・何か言ってくれ!
この沈黙が耐えられない!!
オレはたまりかねて、口を開いた。
「あ、の・・・クォヴレー・・・オレ・・・その」
「今日はもう何を話しても喧嘩にしかなりそうにないな・・・」
「あ、ああ・・・そう、だな」
「今日はもう休もう・・・」
「う、うん・・・」
「アラド・・・」
「何?」
「オレが・・・ここ最近何をやっていたか明日必ず話す・・・。」
「うん・・・」
「だからお互いに一晩頭を冷やそう」
「わかった・・・」
「・・・おやすみ、アラド」
「おやすみ」
オレはおやすみの挨拶をすると、クォヴレーの頬に口づけた。
クォヴレーもまたオレの頬に口づけを返してくれた・・・。
・・・どうやらオレ達の関係はまだ大丈夫らしい・・・。
明日はどうなるかわからないけど・・・。
とにかく明日には話してくれるって言うし・・・・
う〜・・・別れ話、かな?
はぁ・・・・
「・・・ド!アラド!」
「・・・ん〜・・・?」
「朝だ!寝坊する気か?起きろ!」
そんな事言われても夕べいろいろ考えてなかなか寝付けなかったんだよ〜。
今日のこと考えると憂鬱で・・・・・。
でも、仕方ないか・・・これ以上迷惑かけられないしな・・・。
「いま、おきる〜」
オレは重たい瞼を開けて最初に見たものにビックリした。
「おはよう。アラド」
クォヴレーがそう言って極上の笑みをオレに向けているから・・・。
え?ええええ!?何でそんな風に笑いかけてくれるわけ?
「?アラド?どうした?」
「い・・・いや。おはよう・・・」
「フフ・・相変わらず朝に弱いな」
「・・・・すみません」
「アラド・・」
「ん〜?」
「コレ・・・」
「?何?」
クォヴレーは何か包んだものをオレに差し出してきた。
「今日、今まで何をしていたか教えると言っただろう?」
「・・・ああ・・もういいよ・・・」
「え?」
「ちゃちゃっと別れ話切り出してくれ」
「??はぁ???別れ話?」
「お前最近オレにそっけなかったのは他に好きな奴が出来て・・・そいつと会ってて
オレのこと煩わしくなったんだろ?」
「???アラド??」
「気づいてやれなくてごめんな・・・」
バチン!!
オレはそこまでいうと突然頬を張られた。
クォヴレーに殴られたのは、初めてかもしれない。
「目・・・覚めたか?」
「・・・初めから覚めてるよ・・・」
「そうか。では寝言は寝ながら言え!オレがいつ別れたいと言った?」
「・・・違うの?」
「当たり前だ!!」
「じゃあ!お前最近何やってたんだよ!?」
「・・・いいからその包み開けてみろ・・・それが答えだ」
「?」
一体この包みがなんだって言うんだよ?
でもまぁ、開けてみるか・・・これで答えがわかるって言うし?
オレはその包みを開けてビックリしてしまった。
中にはクッキー(かな?)が入っていたから・・・。
「クォヴレー・・・何コレ?」
「何に見える?」
「え・・・とぉ・・・クッキー・・・かな?」
「そうだ・・・今日は・・・『白い日』だろう?」
「・・・白い日?」
「今日は3月14日だ」
「・・・3月・・14日??・・・!!ああ!!『ホワイトデー』か!?」
「そう・・その『ほわいとでー』とやらだ。アラドは『バレンタイン』の時
チョコをくれただろ?で、お返しは『ほわいとでー』にしてくれとも言った」
そういえば・・・言ったよ。オレ・・・忘れてた・・・。
「オレは菓子作りなどしたことなかったから・・・毎日レーツェルさんに習いに行っていたんだ」
「・・・それでここの所毎日忙しそうだったのか・・・ていうかコレ、クォヴレーの手作り!?」
「そうだ・・・練習の成果もあって上手く出来ていると思うのだが・・・」
なぁんだ・・・そうだったんだ・・・
オレってば早とちりしちまって・・・は、恥ずかしい・・・(///)
「・・・で、アラド。別れ話が何だって?」
「え!?いやぁ〜・・・その・・・オレの早とちりでした・・・すみません」
「まぁ・・・オレの態度もよろしくなかったがな・・・だいたい別れるつもりだったら
おやすみのキスなどしないだろう?」
「確かに・・・で、あの・・コレ食べていい?」
「ああ。アラドのために作ったんだからな・・・」
オレは包みからクッキーを一つ取り出すと口に入れた。
ガチっ
「・・・・」
ガチ?ガチ・・・って何だよ?クッキーだろ?クッキーは『サクっ』じゃないの??
「アラド?美味しくないのか?」
「い、いや・・・なんていうか・・・不思議な食感のクッキーだな・・・」
「ああ・・中に飴が入っているからな」
「飴!?」
「白い日には飴かクッキーを贈るのが一般的と言われたのでどうせなら両方がいいと思って
それでクッキーの中に飴を入れてみた」
「ふーん・・・(レーツェルさん・・・何とも思わなかったのかな?そのアイディア)」
「・・・不味いのか?」
「いや!美味しいよ!ただ飴が入っているクッキーなんて食べたことなかったからビックリしただけ」
そうなんだ・・・確かに飴が入っているクッキーなんて驚きだけど・・・味は極上に美味い!
流石クォヴレー!!・・・いやレーツェルさんの指導の賜物か??
「サンキューな!クォヴレー!」
「どういたしまして(////)」
オレがそう言うと真っ赤になっちゃって・・・照れてんのかな?可愛い〜!!!
「クォヴレー・・・ごめんな?オレ勝手に早とちりして・・・勘違いして・・・
お前にあたってさ・・・お前オレのために練習しててくれたってのに・・本当にゴメン!!」
「もういい・・・誤解と浮気の疑いは、はれたしな?」
意地悪く笑いながらクォヴレーはオレの浮気発言を改めてせめてきた・・・。
「う〜・・本当に申し訳ありません!」
「ブッ!アッハハハハハハ」
オレが情けない声で謝ってるもんだからクォヴレーが笑った。
笑った・・・?あのクォヴレーが?
微笑でもなく・・大声で笑ってる?
・・・珍しい・・・てか、初めて??
「・・・お前も大声出して笑うんだな」
「え?・・・本当だな・・・初めてかもしれない・・大声で笑うのは」
「うん。そうかもな・・・オレも初めて見たもん」
「きっと・・アラドと一緒にいるからだな・・・」
うっ・・・またサラリと殺し文句言ってくれちゃって・・・。
「クォヴレー・・・お願いがあるんだけど」
「お願い?」
「ちゅ〜してくんない?」
「え!?」
「やっぱホワイトデーはちゅ〜付が基本だろ?」
「・・・そうなのか?」
「そうそう!!」
「・・・嘘くさいぞ?アラド」
「・・・・ダメ?」
基本ではないけど・・・そういうカップルが多いのは事実だし・・・
クォヴレーが眉間にしわを寄せていたので、無理かな〜・・・と思っていたら
不意に唇に生暖かいものがふれた・・・
クォヴレーが・・・キスしてきた・・・
うそぉ・・・
「・・・これは・・仲直りの・・・キス、だ」
照れながらそう言うと、クォヴレーはもう一度キスしてくれた。
さっきとは違う・・・濃厚なキスを。
互いの唇がはなれ、キスを終えると・・・
オレ達はこれまでのすれ違いを埋めるように・・抱き合った。
ホワイトデー話のアラドサイドです。
クォヴレーサイドもチマチマ打っております。そのうちUPすると思います。
今回のアラヴレは甘めにしてみました!なってますか?甘いですか?
しかし今回の話は割と良くあるパターンですね?
浮気を疑うところなんか(笑)
つまらないですね?ということはこの話も駄作の一つになるのですね・・・。
クッキーの中に飴なんて出来るのか??
さぁ??どうなんでしょ?そういう製品あるんですかね〜??
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