〜BABY版!押しかけ女房〜
「ぷぅ〜、たいくつなの〜」
マクレディ家に預けられてから早3日。
クォヴレーは与えられた自室の大きすぎるベッドの上でゴロゴロしていた。
キャリコもスペクトラも仕事に行ってしまって構ってくれる相手がいない。
おまけに保育園は今、夏休みだった。
「ひまなの〜」
お気に入りのテディ・ベア風の大きな猫のぬいぐるみを抱っこしながら
ベッドの左右をゴロゴロ転がりながらいったりきたりしていた、
とその時ドアを叩く音が聞こえてきた。
「はぁ〜い、ヴレはここにいるよ〜?」
「失礼致します。」
「あ〜、ひつじさん!」
「・・・ごほんっ。し・つ・じです。・・・クォヴレー様、お友達がおみえですよ?」
「ともだち???」
「はい、とても可愛らしいお嬢さんです。今お通しいたしますね・・・どうぞ」
執事に促され、部屋に入ってきた人物を見た瞬間クォヴレーは思わず悲鳴を上げた。
「ぴっ!!」
「おひさしぶり、クォヴレーちゃん!」
その人物は真っ直ぐにクォヴレーのいるベッドまで走ってくる。
扉の入り口には従者と思われる女の人がいた。
彼女がいつも付き従えている、色黒の腕っ節の強そうな女性である。
「ア・・ア・・アル・・マナ・・ちゃん?」
「あいたかったわーー!!わたしのクォヴレーちゃん!!!」
「ひぃぃぃぃ!!」
突進してくるアルマナから逃れようと、ベッドから這い出ようとしたが時はすでに遅し、
アルマナに捕まり、力いっぱい抱きしめられてしまった。
2人の微笑ましい?光景に執事と従者は満足げに微笑みながらなんども頷いていた。
「クォヴレーちゃん!わたしとあえなかったあいだうわきしてない?」
「・・・・・」
「クォヴレーちゃん??」
「・・く・・くるし・・の・・・」
「!!きゃぁぁぁ!!ごめんなさい!クォヴレーちゃん!」
会えた嬉しさで、アルマナは力の加減を忘れていた。
クォヴレーは首を絞められており、今にも窒息寸前であった。
「ごめんね〜」
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・しぬ、おもったの・・・」
「だから、ごめんね!・・・みらいのおよめさんのしうちをゆるしてね!」
「・・・およめさん・・・じゃないの・・」
お嫁にする気は全くもって持ってないクォヴレー。
しかしアルマナが怖いのでボソッ・・と聞こえないよう本音を呟いた。
「・・・なにかいった?」
アルマナは聞こえなかったわ!と言う風にドスの効いた声で問い返す。
慌てて首を激しく左右に振り、
「な、なにもいってないの・・・!!」
「そ?」
「そうなの!!」
「さぁさ、お2人とも、下へ行っておやつにしませんか?」
楽しげな?2人の間に執事は割って入る。
『おやつ』と言う言葉に2人は目を輝かせ、
「「たべる〜!!」」
と、同時に叫んだ。
息はピッタリであった・・・。
アルマナは、クォヴレーが抱っこしていたぬいぐるみを蹴落とすと、
その腕に自分の腕を組みながら、
「さ、いきましょ」
「・・う〜・・ねこさん・・・」
「クォヴレーちゃん?」
「ねこさん・・・」
アルマナはむっとした顔で、
「わたしと、ぬいぐるみどっちがだいじなの?」
と、問いをだす。なので
「・・・ねこさん」
またしてもクォヴレーはボソッと本音を口にした。
しかしアルマナは・・・
「わたし、よね??」
これまで以上にドスの効いた声でそう言われては、
クォヴレーはもう俯くしかなかった・・・
「アルマナ・・ちゃん・・・が、だいじなの」
「そうよね!じゃ、したにいっておやつたべましょー♪」
「(う〜・・こわいの・・イング・・たすけてなの・・・)」
続く・・・・
有り難うございました。
まだまだ続くます!
アルマナがひどい仕打ちになってますが、
私、アルマナ好きですよ?
|