幼い頃はよく間違えたものだ。
小等部にあがり、ある程度『自我』が身についてくれば
その『間違い』は減り、見誤ることも少なくなった・・・。
だが・・・・
〜理不尽な声〜
「じゃあ、お留守番宜しくね?」
「ああ」
「心配はいらない。ほら、早く行かないと間に合わなくなるぞ?」
「・・・そうだけど」
玄関先でイングラム・キャリコに送られながら、
ヴィレッタとスペクトラはキッチンの影から様子を伺っている
末弟に視線を向ける。
ジッ・・・とこちらを睨みつけて頬を膨らませるその姿は
齢(よわい)15歳とは思えないほど幼さを残している。
「・・・クォヴレー」
遠慮がちに可愛い末弟の名を呼ぶ。
だがクォヴレーはプイッと顔を背け返事をしなかった。
「アイン、お土産買ってくるから・・・・」
「そんなのはいらない!!」
直ぐ上の姉、(といっても6歳以上離れている)スペクトラの
言葉を遮りクォヴレーは階段を駆け上がった。
「ヴィレッタとスペクトラの馬鹿!!」
そう言い残し自分の部屋へ引きこもってしまったのだった。
そんなクォヴレーにハァ・・・とため息を吐く二人。
だが仕様がない。
自分たちもつれては行きたいが、生憎チケットは2枚しかないのだ。
クォヴレーがまだ園児であれば連れて行くことも可能だが、
15歳ともなればそうもいかない。
「大丈夫だ。俺とキャリコでちゃんとなだめておくから」
「・・・・そう?」
「ああ、イングラムと俺はアインをなだめるのが上手い。知っているだろ?」
「・・・そうね。昔、あの子が泣いて帰ってきた時とかも
直ぐに笑顔を取り戻してくれていたわ」
「だろう?だから心配は要らない。遠慮せず楽しんで来い」
「ええ!そうさせていただくわ。いきましょ、スペクトラ」
「そうね・・・じゃあ、あとは宜しくね?」
「「了解だ」」
二人の返事がそろっていることに二人は微笑を浮かべる。
まだ少しだけ後ろ髪引かれる気持ちではあるが、
開演時間がせまっている事もあり、二人は玄関を後にした。
だから二人は知らない。
・・・・クォヴレーが本当に嫌がっている理由が
一緒に連れて行ってもらえない、ということではないことに。
・・・・そう、二人は知らない。
玄関を閉めた瞬間に黒い笑顔を浮かべた『獣』の正体を。
・・・・二人は知らないのだ。
ベッドの上で枕を抱きしめていたとき、玄関のドアが閉まる音が聞こえ
無意識にクォヴレーの身体は震えたのだった。
怒りで高潮していた頬からは赤見が消え、全体的に蒼白だ。
そして柔らかくてよく弾むベッドの上で必死に自分に言い聞かせていた。
「・・・大丈夫。大丈夫・・・だ。・・・部屋に鍵、かけたし・・・入ってこれない」
「・・・寝ているのか?」
「そのようだな・・・、フフ・・頬が少し濡れている」
ヴィレッタとスペクトラが出掛けた後、
二人は大急ぎで台所を片付け、部屋を掃除し風呂を焚いた。
これから起きる『官能的な時間』を少しでも早く始めたくて。
ヴィレッタとスペクトラの鑑賞する劇は2幕式でおよそ4時間は戻ってこない。
ならば広い家の仕事をお急ぎで済ませれば、
楽しい時間を3時間以上は楽しめるのだ。
二人は心弾ませながら大急ぎで家の仕事をませ、
末弟の部屋へ済やってきたのだった。
涙の痕が残る頬をキャリコは優しく撫でる。
「・・・・ん」
無防備に眠る幼い弟の口から甘い吐息が漏れ、二人は感嘆した。
「・・・こんな声ではなく、もっと可愛い声を聞きたいな」
「同感だ・・・、久しぶりに目隠しでもするか?」
「フフ・・・そうしよう・・・。
キャリコ、今回はどういうポジションにしようか?」
「・・・そうだな、今回は・・・」
ベッドサイドに立ち、フフフと黒く笑う獣二人。
何処に隠し持っていたのか、
ポケットからネクタイを取り出すとクォヴレーの目をソレで多い、
視界から光を奪うイングラム。
悪魔が直ぐそこに迫っていることに気付いてないクォヴレーは
まだ夢の中の住人であった。
「っ、・・・・ふ・・・・う・・・」
体中を沢山の何かが這いずっている感覚が広がっていた。
払いのけようにも何故か手は動かせず、どうにもできない。
やがて耳にペチャペチャと・・濡れた濡れた音が響き始めて
クォヴレーは目を覚ましたのだった。
「・・・・なん・・・だ?」
だが視界には何も映らない。
確かに目を開けている筈なのに何一つ映らず真っ暗なままだった。
「・・・電気・・・?消したっけ??・・・んんぅっ!」
だが考える余裕を与えられるまもなく、
クォヴレーは身体が必要以上に火照っているのに気が付いた。
そして背後には何か圧倒的なモノが自分の動きを押さえ込んでおり、
前方には自分の下肢を弄っている何かの気配を感じた。
「あっあっぁ・・・!!」
背筋が痺れるような刺激に腰をくねらせ、両足をバタつかせる。
何かから逃れようと必死に暴れた。
クォヴレーにはもう分かっているのである。
・・・自分に起こっている出来事を理解できているのである。
「は・・はな・・・はな、せ!!」
必死に叫び懇願する。
だがブチュ・・・という卑猥な音が大きくなるだけで
その願いは聞き入れられることはない。
「ふっ・・・・んんんんぅ・・・!」
腰をくねらせ、下肢を責めているどちらかを追い払おうとするが、
感じ始めている身体では力が入らず追い払えない。
それどころか自分から腰を振っているような態度になってしまうのだ。
そうしていると背後のどちらかが耳元で囁いてきた。
「『クォヴレー』・・・そんなに腰を捩って・・イイのか?」
「んぅ!!(・・・イングラム??だけど・・・??)」
「『アイン』はフェラが大好きだからな、無意識に腰を振ってしまうのだろう」
「(『アイン』??と呼んだか??だが・・だが・・・)」
「あぁ・・・、そうだった。
『クォヴレー』は銜えるのも銜えられるのも大好きな淫乱だった」
「ふぅ・・・うっ・・・イング・・・??キャリ・・?あっ」
『声』に混乱しながら、真実を確かめるべく手を伸ばそうとした。
だがいつものように手は戒められているようで動かす事ができない。
「ほ・・どいて・・・っ!・・・くれ・・・!」
「・・・解く・・・?」
「あぁ!!」
両サイドから耳に、同時に熱い息を吹きかけられクォヴレーは身悶える。
クネクネと身体を撓らせ、腰を揺らす。
「・・・何を解いて欲しいんだ?『アイン』?」
「・・・あ、・・・キャリ??・・・キャリコ??」
「・・・・・・」
「・・・手、か?・・・それとも・・・根本か?『クォヴレー』」
「・・・ふ・・・うんんっ!!・・イング???」
「・・・・・・」
混乱する頭で彼らの名を呼ぶが、返事が返ってこない。
だが自分を乱す手つきは性急で、
兆しを十分に表している性器にの両恥を二人の手がツゥー・・となぞっていく。
「あっ・・・うっん」
一人は上から、一人は下から・・・ツゥ・・・
となぞっては先端をグリッ刺激しまた下っていく。
「『クォヴレー』」
「『アイン』」
耳元で同時に名前を呼ばれ、ますます混乱していく。
確かに二人の声は顔と同じようによく似ているのだ。
幼いときは区別がつかないことも多々あった。
それは二人の姉にも言えることなので、
クォヴレーは長男長女からは『クォヴレー』と、
次男次女からは『アイン』(セカンドネーム)で呼んでもらうようにしていた。
だからこそ今、混乱してしまうのだ。
4人はいかなるときも自分の呼び名を変えなかった。
イングラムが『アイン』と呼ぶ筈もないし、
キャリコが『クォヴレー』と呼ぶ筈もないのだ。
「どっち??どっち・・・なんだ???」
頭をふり、半ば半狂乱になっていく。
普段のクォヴレーなら呼び名を変えられたくらいで
半狂乱になったりはしないが、状況が状況なだけに緊迫してしまう。
もし、この目隠し状態で二人の区別をつける事ができなかったら、
と、考えるだけで恐怖でいっぱいになってしまうのだ。
間違えようものなら、
いつも以上に必要にいたぶられ、責められるに違いない。
「・・・なにが・・・どっち、なんだ?」
「・・・おま、え・・は・・キャリコ??」
「・・キャリコ?・・・フフ、お前はどう思うんだ?『アイン』?」
「オレは・・・オレ・・・うぅ・・・っ」
二人の舌が耳の中を舐めている。
時に耳たぶを甘く噛まれ、
か細い悲鳴をあげながらもクォヴレーは冷や汗が止まらない。
「・・・目隠し・・・とって・・・やだっ」
「いつもやっているだろう?・・・どうしてイヤなんだ?
お前は見えないほうが感じるだろ?『クォヴレー』?」
「ふぅぅ・・・っん・・・」
背後にいる兄が、既にプクンとなっている胸の飾りをきつく摘んだ。
そして片方を中指の腹でこねるようにまわし、
もう片方を摘んだりはなしたり、を繰り返される。
そして前にいる兄が胸から腹にかけて舌を這わせ、
へその窪みを丹念に舐めていく・・・。
その間足を左右に割られ、痛々しく腫れあがった性器を強弱を付けられ愛撫された。
「『クォヴレー』、『クォヴレー』・・・俺は、誰だ?」
後ろにいる兄が話しかけてくる。
それと同時に前にいる兄が再び性器を銜え刺激し始めたので、
クォヴレーの思考回路はもう『気持ちいいこと』が支配をはじめ、
前にいる男がどちらで、後ろにいる男がどちらでもかまわなくなっていく。
そして・・・・、
「あっ・・・キャリコ・・・もっと・・・!舐め・・・くっ」
腰を前後に動かし、前の男の口へと抜き差しを始めた。
そう、『気持ちいいこと』が完全に頭の全てを支配している今、
クォヴレーにとって、『クォヴレー』と呼ぶのがイングラムであり、
『アイン』と呼ぶのはキャリコ、と変換されたのだ。
「・・・キャリコ?・・・くく・・・では俺は?・・・クォヴレー?」
「・・・イング、ラム!!イングラムだ!!
・・・あっ・・もっと・・乳首・・を」
「・・・イングラム??・・・くくく・・・俺はイングラムか?アイン?」
背後の男が面白そうに喉で笑う。
そして前にいる男はくぐもった声で、
「・・・んっ・・・目隠し・・・んっ・・外してやっては・・どうだ?」
というのであった。
「そうだな・・・そうしよう・・・」
「ひぁっ!」
背後の男がクォヴレーのネクタイを外す。
突然視界がクリアになり、眩しさに眉の間に皺を寄せているが、
だんだんクォヴレーの顔は蒼白になっていったのであった。
なぜなら、前にいる男・・・、
性器を銜えている男の髪の毛は真ん中わけではなかったのだ。
前髪を横に流し、美しい美貌で卑猥なものを口に含み黒く微笑んでいる。
「・・・・・っ」
声にならない声をだしつつ、背後の男を振り返り見る。
背後の男の前髪は真ん中で左右に分かれており、やはり黒く微笑んでいた。
すると背後の男は耳元で小さく囁いてきたのであった。
「・・・俺は、誰だって?」
「・・・・キャ・・・キャリ・・・コ・・・」
「・・・、キャリコ、か・・・」
「ひっ・・・あーーー!!」
その瞬間、乳首をこねていた指の力が強まり、
乳首を摘んでは離すを繰り返し始めた。
同時にフェラのテクニックにも力が入り甘い疼きが全身を襲い始めた。
「俺は、イングラムなのだろう?・・・アイン?」
「ひっ・・・ちが・・・ちがう!!・・・キャリ・・・!!」
「んっ・・・・、クォヴレーは・・・」
「・・・あぁ!!」
口から銜えていた性器をだし、前の男は見せ付けるように濡れた唇を拭う。
「声では俺とキャリコの区別がつかないんだな・・・・」
「・・・それ、は・・・!!」
「そうみたいだな、残念だ・・・。
俺たちは全身全霊をかけてアインを愛しているのに」
「・・・こ・・・のっ・・・変態兄貴!!」
「変態?」
「変態でければ度の過ぎた極度のブラコンんだ!!
だいたい!部屋に鍵をかけておいたのに・・・どうして・・・うわっ!!」
突然背後にいる男に上を向かせられ、言葉を飲み込んでしまう。
なぜなら突きつけられた細く、黒い『棒』に理解してしまったからだ。
「あの程度の錠・・・、ヘアピンの一つもあれば朝飯前だ」
ニヤリと笑う顔に怯えた表情に変わるクォヴレー。
そして目の上にあったヘアピンがゆっくりと移動して行ったのだった。
目線で追いかけていけば、ヘアピンは前の男に手渡され、
受け取った男はヘアピンを口に含み濡らし始めた。
だいたいの予想がつき、クォヴレーは喉をヒクつかせる。
冷たく口元だけで笑いながらヘアピンを性器の先端に近づけていく。
「!!イ・・イングラム!!」
「・・・イングラム、か・・・フフフフ・・・」
「あぁっ!!」
ツプッ・・・という音とともにヘアピンが性器に突きささった。
身体の端から全身に痺れが広がり渡りクォヴレーは身体を撓らせ悶える。
ヘアピンを先に刺されたまま、性器を強くしごかれていく。
綺麗な顔がギリギリまで近づいてきて問うてきたのだった。
「・・・俺は、『イングラム』か?」
「っ・・・っ・・・!!!!」
コクコク頷きそれを肯定する。
背後で自分を抱きしめる男の腕の力が強まり、息が苦しくなっていった。
首筋を舐められ、その刺激に身体を身震いさせた。
そしてそれまで性器を弄っていた手が膨らみへと移動し、
秘密の入り口に指を当てた。
「・・・んぅ!!」
「・・・あぁ・・・先端から沢山涎を溢していたから難なく飲み込んだな」
「アインはヘアピンがお気に召したようだ・・・どれ・・」
「ひ・・・!!」
背後でキツククォヴレーを抱きしめながら、
性器のヘアピンへと手を伸ばしグリグリ回し始めたのだった。
「んぅ!!んぅーーー!!」
「フフフ・・・ボタボタ涎を流しているな・・・?」
「あぁ・・おかげで二本目も難なく飲み込んでくれそうだ」
「だが・・・・」
「そうだな・・・今回はもう挿入しようか?」
「!!!やめっ!!・・・1本じゃ・・・無理・・・!!」
力なく頭を左右に振り、もう少し解してくれることを懇願する。
しかし背後にいる男はジッパーを下ろし、
前の男がクォヴレー上に抱き上げた。
「どうやら少し甘くし過ぎていたようだ・・・、
俺たちの区別がつかないとはな」
「そのようだ・・・、だから今日は少し痛い目をみてもらおうか・・?」
「・・・・っ!!!」
イヤイヤ・・と頭を振り、身体を捩る。
だが抵抗むなしく、
秘密の場所に十分に熱くなっている男根の先があてがわれた。
「うっ・・・うっ・・・はな・・せっ!!」
クネクネ身体を動かし挿入を阻む。
だが背後の男に腰を掴まれ強引に下に引き寄せられれば
閉じた蕾は一気に開花するのである。
「!!!!っ・・・痛っーーーー!!!!」
無理矢理開花された蕾はミシミシ音をたて悲鳴をあげる。
胸の辺りで戒められている両手に力が入り、皮膚に爪を立ててしまう。
それを見ていた前にいる兄が
そっと両手を自分の手で包み込み、拘束を解いた。
血が滲んでいる手のひらに舌を這わせ、傷を舐めていく。
「う・・・ん・・・ふぁ・・・」
血が止まり、あっという間に唾液まみれになってしまったクォヴレーの手。
男は導くように濡らした手を自身の性器へと連れて行く。
「・・・・ぁっ・・・」
クォヴレーは目を瞑り、握らされた性器をしごき始める。
「・・・・っ、・・・上手・・だ」
「本当だ、上手になった・・・下のお口もよく絞まるし・・・」
「・・・・んっ・・・あっ・・・う、うごかな・・・痛い・・!」
「・・・痛いのか?」
ふぅ・・と耳に息を吹きかけられ問われる。
だがそれは新たな快楽を生みただクォヴレーを悶えさせるだけだった。
「・・・・くっ・・そんなに・・絞めたら・・・」
「耳・・・やだっ・・・」
耳から起こるゾクゾクに耐え切れず、無意識に孔を絞め扱く動きが早くなる。
「・・痛いか?クォヴレー」
「・・・・っ、痛い!」
「だが前は萎えていないようだが・・・?」
「あぁあぁあぁぁぁぁぁ」
「痛いと言いつつも入れられて感じているらしい・・・淫乱だな」
「全くだ・・・。
そのくせ、その快楽を与えている俺たちの区別もつかないとは・・」
ヘアピンをグリグリ動かされ、クォヴレーは更に悶えた。
堪らない射精感が湧き上がり、投げ出されていた足の先が小刻みに震え始めている。
「・・・出・・・・出・・・る・・・っ」
「フフフ・・・イくのか・・・?」
「・・・・・う・・うぅ・・・!!」
「簡単にイかせてもらえるとでも・・・?これはお仕置きなんだぞ?」
すると二人の男の手がクォヴレーの性器の根本へと伸びてきた。
その手に何をされるのか、これまでの経験で身体に叩き込まれているので
恐怖で震えだし始めた。
「あっ・・・お願い・・・イか・・・せ・・・」
「・・・俺は誰だ?クォヴレー」
前に控える男が何度目かの質問をしてきた。
体が意のままにならず悶えながらも、
クォヴレーは目の前の男をジッと見つめる。
横別けにされた前髪。
自分を呼ぶ呼び名は『クォヴレー』。
後ろをふり向くと、
前髪は真ん中で分かれ『アイン』と呼んでくる男。
ならば質問してきている前にいる男は・・・、
「後ろ・・・キャリコ・・・・・・まえは・・・イングラム・・・」
途切れ途切れに答えを口にする。
だがクォヴレーは直ぐに彼らの怒気を肌で感じ取った。
冷たい視線で射抜かれ何もいえなくなってしまう。
「・・・(なん、だ???)」
「どうやら・・・、本当にお仕置きが必要のようだな」
「そうみたいだ・・・、まさか少し弄っただけで分からないとは・・」
「・・・・・???どういう・・・意・・・あっ!」
・・・その時、クォヴレーは初めてあることに気が付いたのだった。
前の男は『イングラム』の筈なのに『瞳』の青が少し緑がかっている
イングラムは兄弟の仲でもずば抜けて深い青であるはずなのに・・・。
ゴクンと生唾を飲みながら血の気が引けていくのが自分でも分かった。
与えられる快楽に酔いしれ、自分はとんでもない過ちを犯してしまったようだ。
「・・・ま・・さか・・・?でも・・・髪・・・」
「髪・・・?」
すると目の前の男は自分の額に手を当て、
前髪をかきあげブルブルと頭を左右に振ったのであった。
横分けにされていた前髪は見事に真ん中で分かれ見慣れた顔が目に飛びこんできた。
そして背後にいる男が耳元でひそひそと語りかけてきたのだった。
「!!!・・・・ぁっ」
「お前はいつも俺達からにげる・・・今日もそうだ・・・」
「・・・それ、はっ」
「だから俺とイングラムは試してみることにしたんだ・・お前の愛情を」
「・・・・っ」
「髪形をかえ、呼び名を変えてもお前は分かると思っていた・・・だが」
「お前は分からなかった・・・、
アインには俺たちの愛情は伝わっていなかったようだな?」
元より、クォヴレーは二人の兄を愛してはいるが、『愛して』はいない。
両親を早くに亡くしたクォヴレーにとって二人は家族愛の対象であって、
心が飛んでしまうほどの快楽を与えられても、それは『愛』にはなりえないのだ。
「こななに愛しているのに・・・酷いな、クォヴレー」
「・・・・うっ」
「本当に酷い子だ・・・
たっぷりお仕置きを施してやらないと、この悲しみは収まりそうにもない」
「同感だ」
「!!!勝手なことを言うな!!オレは・・・オレは!!!」
「根本を戒めたまま最高の快楽で悶えさせ・・・」
「俺たちの愛の深さを教えてやろう・・・」
「!!!!??ひっ・・・うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ガバッと起き上がるとそこは自分の部屋だった。
時計を見ると姉二人が出掛けてから
まだ30分ほどしか経っていないことがわかる。
静けさが漂う部屋で悪夢にうなされていたせいか、
息は乱れ全身にびっしょりと汗をかいている。
「・・ほっ・・・夢、か・・・よかった・・・。
(しかしなんて夢なんだ????)」
汗をかいた為か、悪夢のせいか・・・
クォヴレーの咽はカラカラに渇いていた。
あまりこの部屋から出たくはないが、
生憎クォヴレーの部屋には冷蔵庫がない。
その為、どうしても階下に降りなければらなず、
重たい腰をあげベッドから起き上がろうとした・・が、
「・・・ん?」
その時、クォヴレーは妙な違和感を感じた。
確かに汗をかいたのだからそこも濡れていておかしくはないが、
明らかに汗とは別の濡れ方をしているのだ。
「・・・う・・そ・・・だろ??(あの夢のせいか??)」
事実に気付き、蒼白になる。
そしていやなこととは立て続けに起こるのが人生というもの。
誰かが部屋のドアをノックしてきたのだった。
「・・・・クォヴレー」
「(イングラム???)」
「アイン?まだ拗ねているのか??」
「(キャリコ???)」
「・・・・ん?鍵をかけているのか?」
ガチャガチャとドアノブがまわる。
するとドアの向こうの声が黒いものに変わった・・・様に感じられた。
「どうやら我々を拒んでいるらしい」
「フフ・・・それはいつもの事だろ?
触れれば直ぐに溶けてしまうくせに、な」
「全くだ・・・どれ、このヘアピンで開けてしまうか」
「(ヘアピン???)」
「いつもそんなもの持ち歩いているのか?」
「まさか!さっき掃除していたときに拾ったんだ」
ヘアピン、に今さっき見た悪夢を思い出す。
よもや正夢になろうとは・・・・。
自分の下半身に手を当てクォヴレーは
見る見るうちに血の気が引いていくのだった。
ガチャ・・・・
「(・・・・・くるな!)」
ガチャガチャ・・・
「(開くな!!)」
カチッ!
「(なんで開くんだ!?)」
ゆっくりと扉が開き始める。
完全に扉が開くとそこには悪魔のごとき微笑を浮かべた
兄二人が立っており、と
ベッドに起き上がっているクォヴレーを捕らえると、
ニヤニヤ部屋に入ってきたのだった。
「く、くるなーーー!!不法侵入だ!!」
「くくくく・・・アイン、家族で不法侵入は成立しないと思うが?」
「で、ではプライバシーの侵害だ!!」
「それも成立しない。
なぜなら我々は姉に置いてけぼりにされ拗ねている弟を
慰めに来ただけだからだ・・・・」
「違う!!オレは置いてけぼりにされたことに拗ねているのではなく・・」
「・・・ではなく?」
「・・・お、お前たちと・・・その・・・」
「・・・その?」
「だから・・・・」
徐々に迫ってくる二人にクォヴレーは冷や汗が止まらない。
ただでさえ、逃げまくっていつも鬼畜に責められるのに、
今、ヤバイ状態になっている下半身に気付かれたら一貫の終わりだ。
「クォヴレー・・・」
ヌッ・・・と伸びてくるイングラムの腕。
クォヴレーが捕まってなるものか!
とヒラリと身体をしならせれば、
別方向から伸びてきていたキャリコの腕に捕まってしまった。
「うわぁぁっ」
「アイン・・・、女性陣が帰ってくるまでおおよそあと3時間」
「(3時間???)」
「3時間もあれば十分感じあうことができるな、クォヴレー」
「(感じあうってなんだ???)放せーーー!!」
身体をモジモジさせ、必死に腕から逃れようとする。
この家に3人でいる限り「ソレ」から逃れられないのなら、
せめて下半身の状態がばれないようシャワーを浴びに行きたかった。
だが、クォヴレーが不自然に身体をくねらせていたので、
当然二人はソレに気付いたようだ。
「フフフ・・・おやおや・・・」
「ひっ!!」
イングラムに股間を鷲掴みにされ、ビクンと揺れるクォヴレー。
そしてからかい混じりにその状態を叱咤されたのだった。
「・・・濡れている・・・自慰でもしていたか・・?それとも・・」
「キャリコ、自慰ではここまで濡れないだろう?」
「それもそうだ・・・ならば・・・・」
クスクス・・・とした笑いがクォヴレーの耳に響き、
顔が羞恥で真っ赤になっていく。
「クォヴレー、お前・・・」
「あ・・・」
「夢精をしてしまうほど溜まっていたのか?アイン」
「あぅ・・・・」
「では、欲求不満にならないようしっかりと可愛がってやらないとな・・・」
「同感だ・・・このヘアピンで、な」
「ヘアピン!?」
悪夢が蘇る。
フルフル頭を左右に振り、クォヴレーは拒んだ。
だが拒めば拒むほど二人の笑顔は黒いものに変わっていくのだった。
「やだっ・・・やだ!!やだーーーー!!」
「イヤよイヤよも・・・」
「イイのうち・・・・アイン、もう固くなってきているぞ?」
「あふ・・・あっ・・・・」
「感じやすい身体だ・・・まぁ、俺たちの手で育てたんだ、当然か」
着ていたものが瞬く間に取り去られていく。
二人の愛撫にあっという間に身体は熱くされ、
腫れあがった性器にヘアピンが突き入れられる。
シチュエーションが少し違うとはいえやはりあの悪夢は正夢だったようだ。
その後3時間、クォヴレーは夢精をした罰として
狂おしい快楽の世界を彷徨わされ続けたという。
やはり夢どおり、目隠しをされ「声あてゲーム」もやらされたらしい。
結果は・・・・惨敗。
クォヴレーはお仕置きされ、より一層激しく責められたという。
「(だから!!なんで顔も声も性格もそんなに似ているんだーーー!!!)」
有り難うございました。
相変わらず悲惨な目にあっとりますね(笑)
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