〜ばぶる・ばじっく〜
「ふぅ・・・・」
緊急事態が起きたとかで、今夜はイングラムの帰りが遅いらしい。
帰りが遅いのなら風呂は明日の朝早く入るのだろう・・・
なのでクォヴレーは一度やってみたかった
『泡風呂』というのを今夜を機会に体験してみることにした。
「『泡風呂』など女の子みたいだものな・・・
イングラムに知られてらからかわれてしまう・・・しかし・・」
泡風呂に入りながら、広い浴槽を見渡す。
プリスケン家のお風呂はとてもゴージャスである。
流石にライオンが口から水を吐き出しているオブジェはないが、
5人は一緒に入れる広さのある浴槽ではないだろうか?
ライトを消せば、プラネタリウムに早変わりもするし、
アロマバスにも出来る。
仕事に疲れるとリラックスしたいのかイングラムはよくアロマバスにつかるようだ。
泡風呂をご機嫌で体験しながら、フと目の前の巨大な鏡に目を移す。
すると鏡には自分が映っていなく、巨大な泡が映っているのみである。
「・・・少し泡立てすぎたかな・・・?」
ブクブクと泡風呂の中に顔をつけながら困った顔をする。
「(掃除が大変かもな・・・ま、いっか・・外の景色を見よう)」
バシャバシャと風呂の端に移動し、外の景色を眺める。
浴室は2階にあるので街のイルミネーションなどの綺麗な夜景がよく見えるのである。
もちろんイングラムが今仕事に勤しんでいる「軍」もよく見える。
「(・・・イングラム・・まだあそこで頑張っているんだろうな・・)」
と、その時・・・・
ガラッ
「(え!?)」
浴槽の扉が勢いよく開けられ、イングラムが入ってきた。
「(???遅くなるはずじゃなかったのか??)」
バシャッとかけ湯を浴び、浴槽に入ろうとした時イングラムの動きが止まった。
「・・・泡?」
膝をつき浴槽に手を入れる。
どこか不機嫌そうに見えるのは気のせいだろうか?
「・・・泡風呂・・?」
イングラムは小さくため息をつくと湯船の中に入った。
クォヴレーとは丁度反対側の位置であるが、泡が沢山あるため気がつかないようである。
「・・ふぅ・・すごい石鹸の香りだな・・・本当にクォヴレーがやったのか?」
頭の上にタオルを乗せ目を閉じるイングラム。
「(・・・あのイングラムが頭に・・タオル?)・・・プッ」
普段はあまり見ることのないお茶目な彼の姿に思わず噴出しそうになってしまった。
あわてて口をおさえ、滅多に出来ないイングラム観察を続けることにした。
「・・・ふむ?最初はどうかと思ったが、なかなかどうして・・
泡風呂もなかなかよいものだ・・・」
最初の不機嫌な雰囲気は何処へやら・・・だんだん上機嫌になっていった。
そして湯船の泡を両手ですくうと、フッと息を吹きかけて泡を飛ばし始めた。
風呂が熱いからか・・・?
はたまた気分が良いからか・・・?
イングラムの頬には赤味がさしている。
そしてついには・・・
「♪〜」
「(!!?鼻歌!?)」
唄う姿などこれまで見た事がなかったが、彼は確かに今、歌を唄っている。
「(・・・くくくくく)」
クォヴレーは可笑しくて仕方がなかった。
そう、歌を風呂で唄うだけならクォヴレーもそんなにウケたりしないのだが、
問題は彼が唄っている歌であった。
その唄は彼のイメージとは大分違うもので・・・
「♪〜い〜い湯だ・な♪」
「(・・・・・・っ)」
「♪あははん♪♪」
噴出す3秒前であった。
なんとか堪えようと口をおさえるが、我慢できそうにもない。
「あはははははははっ!!(しまった!?)」
「!!?」
突如聞こえてきた笑い声に驚きおもわず立ち上がるイングラム。
だがあたりを見渡しても声の主は見つからない。
一方クォヴレーは頭を低くして必死に浴槽の反対側へ移動を始めた。
「(・・まずい!見つかったら『お仕置き』される!逃げなければ・・!
幸い泡が凄いからこの泡に隠れて反対側に移動しよう)」
イングラムはゆっくりと窓際へ歩いていく。
「・・・どこだ?」
「(・・・・・)」
頭に置いたタオルを手に持ちイングラムは目を凝らす。
すると窓際から少しずつ移動している銀色の糸を見つけた。
「・・・クォヴレー・・大人しく出てきなさい」
薄笑いを浮かべながらイングラムは出てくるよう、促(うなが)した。
「(・・・・・・)」
だがクォヴレーは返事をせずにゆっくりと反対側へ進んでいく。
「クォヴレー?」
「(・・・・・)」
「あくまでシラを切るつもりか?」
「(・・・・・)」
「・・・わかった、お前がそういう考えならば俺にも考えがある」
「(考え???)」
イングラムはゆっくりと反対側へ歩みを進める。
それに気がついたクォヴレーは一旦動きを止め、
数秒考えた後イングラムの進行方向とは別の方向へ動き始めた。
すると今度はイングラムがこれまでとは逆の方向へ移動し始める。
それに気がついたクォヴレーはまた反対方向へ向きを変えた。
するとイングラムも方向転換をする。
・・・2人は10分程この行動を繰り返した。
やがて痺れを切らしたイングラムが、
「クォヴレー・・・いい加減俺に見つかっているという事実に気がつかないのか?」
「!?」
「・・・お前が方向を変えるたびに俺の進行方向も変わるんだ、おかしいと思わないのか?」
「・・・・・!?」
「さぁ?今なら許してやる・・・出て来い」
「・・・・ぅ」
クォヴレーは諦めてその場に立ち上がった。
その表情は少しだけ引きつって青くなっている。
「・・・おかえり・・・遅くなるんじゃなかったのか?」
「ただいま・・・思ったより早く終わったんだ」
「・・・・・よかったな」
「・・・クォヴレー」
「あ・・・なん、だ?」
「・・・その場を動くなよ?」
「・・・・!?」
イングラムがゆっくりと近づいてくる。
引きつった顔でクォヴレーは黙って彼が近づいてくるのを待った。
やがて目の前に長身の男が立つ。
黒く笑いながらその手がクォヴレーの頬に触れた。
「・・・後ろに下がって・・その窓の枠に腰を下ろすんだ」
「・・・・!?」
「早くしろ・・・それとも俺が抱き上げて乗せようか?」
「!?」
ブンブンと頭を振り、ため息をつきながら窓枠に腰を下ろした。
「この泡風呂はお前が?」
コクンと小さく頷いた。
「・・・泡風呂・・・一度体験してみたかったんだ」
「そうか・・・確かに泡風呂はいい・・思わず歌を唄いたくなるほどに」
「・・・・あぁ!イングラム上手だっぞ、歌!」
引きつり笑顔で必死にイングラムを褒めた。
すると彼の顔が、気持ち穏やかなものになる。
「では何故大声で笑ったんだ?」
「え!?」
クォヴレーの耳に唇を寄せ、そこで囁く。
「上手いなら笑うのではなく拍手が適切だろう?」
耳元で喋られると背筋がゾクゾクし、思わず背を仰け反らせてしまった。
面白そうに笑いながらイングラムは耳元で話し続ける。
「・・・何故、笑った?」
「・・・っ・・・だった・・から・・だ」
「ん?」
「唄っている歌が・・・意外だったからだ・・・!」
「・・・歌?」
「お前、普段クールなのに・・・『あははん♪』などというから・・・可笑しくて」
「成る程・・・確かに自分が抱いているイメージとかけ離れたことをされると、
思わず笑ってしまうのが人間だな・・・・そういうことなら今回の事はなかったことにしてやろう」
クォヴレーの耳元から唇を離し、肩に手を置く。
お許しが出たことに、胸を撫で下ろすと改めてクォヴレーは上を見上げた。
「まだ、キスをしてもらっていないんだが?」
「・・・お仕事お疲れ様」
首に腕をまわし、そっと唇に唇を押し当てた。
唇が離れると、何故か楽しげな彼・・・・?
「?????」
「・・・俺の声だけで感じたのか?」
「え?・・・・あっ!」
自分の下肢を見下ろすと少しだが頭を持ち上げていた。
かぁぁぁっと顔を真っ赤にしイングラムを見上げる。
そして小さく頭を上げている性器に大きな手があてがわれた。
「あっ!」
しゅっ、しゅっ・・と数回扱かれる。
その僅かな刺激にも、彼が触っているという事実だけで更に頭を上げ始めてしまう。
「やっ・・やだ・・・ぁっ」
「・・・・・フ」
性器の裏筋をツゥーとなぞられ、ブルッと身体を震わせる。
「あぁぁ!!」
親指の腹で先端をゴリゴリされ、腰を浮かせてしまう。
手を顔にあて、自分の顔を必死に隠すクォヴレー。
「・・・顔を隠すんじゃない・・俺に見せろ」
「やぁ・・・!」
勃ち上がった性器を強く握られ、苦痛の悲鳴をあげる。
「痛い!・・痛・・・っ・・強く・・握ら・・ないで!」
「緩めて欲しければ顔を見せろ」
「・・・ぅぅ」
顔から手を外し、涙の浮かんだ目で睨みつけた。
「いい子だ」
悪魔の如く微笑をクォヴレーに向けると、静かにバスタブに腰を下ろしていく。
「・・・・ぁっ!」
窓の手を置きながらクォヴレーは足を更に開いていく。
前の昂ぶりを大きな手で扱かれながら後の蕾を彼に舐められていた。
散々前を彼の口で嬲(なぶ)られた後なので、足にはもう力が入らない。
イングラムはあらかた前をせめ終えると、
自分に尻を突き出す格好になれとクォヴレーを促(うなが)した。
性器を握られ、その性器を人質をとられているクォヴレーは渋々彼の命令に従った。
そして今に至るのである。
「・・はっ・・・・んっ・・・うっ・・うぅ」
1本2本と進入してくる彼の指の動きにあわせ腰を振り始める。
「いやらしいな・・・そんなに腰を振って」
「あっあっ・・・言わない・・で!・・勝手に・・動く・・んだ!」
「勝手に?・・・ますます淫乱だ」
「イング!・・・イング!」
「なんだ?」
「あっ・・早く・・・しよ?」
蕾に指をいれ、蕾の入り口に舌を這わせながら、
イングラムは質問した。
「ほぉ・・?『しよ?』とは?」
「・・・う〜!!・・早く・・・のぼせる・・・!」
「のぼせてしまったら困るな・・・」
「なら早く・・・!入れて!」
「・・・ふむ?俺も早く入れてやりたいが・・まだ俺のは十分に成長していないぞ?」
「・・・・!・・そんな」
「どうする?」
「・・・舐める!舐めるから・・・大きくなったら直ぐ入れて!」
クォヴレーはバスタブに下りると、イングラムに窓枠に座ってくれるようにお願いした。
快楽を求めて可愛らしく自分を見つめてくるクォヴレーの頬にキスをすると、
窓枠に腰を下ろし、足を開いた。
小さな手で少しだけ反応しているイングラムの性器を掴むと、
勢いよく全てを飲み込んでいった。
さすがのイングラムも少しだけ眉根を寄せた。
「・・・っ・・・そんなに・・急いで・・・待ちきれないのか?」
「・・・んっ・・・待ちきれ・・・ない・・・ムズムズ・・するんだ・・・っふぁ」
性急なクォヴレーの愛撫に、目を閉じながら無心に快楽を求めていく。
あっという間に小さな口の中は『イングラム』という質量でいっぱいになっていく。
「・・・くっ・・・もう・・・いいぞ・・・上にきなさい」
「・・・・んっ」
急いでバスタブから上がるとクォヴレーはイングラムの足をまたぐように上に座った。
屹立した彼の性器を自分の手で固定させる。
イングラムが自分の両の尻を抱えて蕾を広げていてくれるので、
クォヴレーは固定した彼の性器にむかって腰を下ろすだけでいい。
「・・・息をして・・・吐いて」
「・・・んっ」
先端が蕾に触れる。
「・・・・んぅ」
イングラムが指で蕾を広げていく。
「・・・・あっ」
先端が蕾に収まると、クォヴレーの腰に手をあてる。
それは2人の間にある無言の合図で、
もう大丈夫だから(抜けないから)もっと腰を下ろしなさいということなのである。
イングラムの肩に手を置いたまま、クォヴレーはゆっくりと性器を飲み込んでいく。
騎乗位と座位の時だけ、クォヴレーは自分で入れなければならない。
それ以外の体位の時はいつも勢いよく彼が侵入してくるが、
クォヴレーはまだゆっくりとしか出来ない。
だがイングラムは決してそのことでクォヴレーを責めたりはしない。
きちんと最後まで飲み込むことが出来るまで黙って見守っていてくれる。
「あっ・・・あっ・・・んく・・・」
「・・・・っ・・・入ったな?」
「んっ・・・気持ちいい・・・大きな・・・のが・・当たって・・」
「・・・入れただけで満足なのか?」
「・・・ふ・・・・動いてくれたら・・・もっと・・・いい」
「・・・動いてくれたら?・・・フフフ、この格好の時はお前が動かないと・・」
「・・・・んっ・・・」
肩に置いた手を首に回し、クォヴレーは出し入れを開始する。
イングラムはクォヴレーをしっかりと抱きしめその行動を見守った。
自分のいいところに彼の先端が当たるように何度も何度も腰を動かす。
自分が嬌声をあげるたび、イングラムの艶めかしい声も聞こえてくる。
「ふぁっ・・・あっ・・・も・・・だめ!」
「・・・っ・・・何が・・だめなんだ?」
「・・・も・・これ以上・・・動けない・・」
「だがここは狭いから体位を変えるのは一苦労だ・・・
このままの体勢で一度いってごらん?」
「あっ・・・やっ・・・ん〜ーーー!!」
「うっ」
ブルッ・・・と身体を震えさせ、クォヴレーは一度精を放った。
その瞬間性器は締め付けられ、イングラムも一度精を放つ。
「・・・はぁ・・・気持ちよかった・・・」
「あぁ・・・俺も良かった・・・」
「でも、のぼせそうだ・・・」
「確かに・・・だが今度は湯の中でヤりたいな」
「え!?」
驚いて、思わずイングラムを見おろした。
「泡風呂だからすべりがよくていいかもしれない・・どう思う?」
「・・・泡が中に入ったら痛そうだぞ?」
「大丈夫だろ・・・むしろしばらく石鹸の香りがしていいかもしれないぞ?」
「だが・・・あっ!」
クォヴレーを抱えながらイングラムは泡風呂の中へ身を落す。
「ぷはっ・・!何するんだ!」
「・・・ナニだ」
「・・・は?・・・あっ」
窓枠に手を導かれる。
イングラムの手のひらがその上にあてがわれ動かせない。
「・・・・インっ・・・あーーーー!」
文句を言う間もなく風呂の中で貫かれる。
ブルブルと身体は震え、あっという間に快楽へと引きずられていく。
「んっ・・・」
「クォヴレー・・・」
「イングラム!・・・あっ・・水が・・・泡が・・・石鹸が・・!」
ソファーの上で額に冷たいタオルをあてクォヴレーは横たわっていた。
横ではイングラムが内輪を扇いでいる。
「・・・平気か?」
「・・・はぅ〜・・・頭がクラクラする」
「・・風呂場で有酸素運動をしすぎたか?」
「・・・風呂場で5回もやるからだ!ばか!・・・」
「そうかも知れないがお前だって俺から離れなかっただろ?
俺ばかりが悪いわけではない・・・」
「そうだが・・・うっ」
「クォヴレー??」
「・・・気・・気持ち悪い・・・うっ」
「ちょっと待て!ソファーでは吐くな!」
イングラムは慌てながら何か『受け』るモノを探す。
そしてとっさに目に付いたものをクォヴレーに差し出した。
「こ、これに吐きなさい!」
「!!ばか〜ーーー!!うっ」
イングラムが差し出したもの・・・それは小さなマグカップだった。
クォヴレーが陶芸の授業でイングラムのために作ったマグカップ。
「こんな小さなところに収まるわけないだろ!?・・・うっ!」
「・・・気合だ!クォヴレー!俺のアレだってお前の小さな蕾に入るのだから!気合で・・・」
「な、なななな!!何を!ぐっ・・・」
「クォヴ・・・あ!」
「げぇぇぇ!」
「うおっ・・・・!」
イングラムの肩を掴み、イングラムの身体にクォヴレーは・・・・
「・・・はぁ・・・すっきりした・・・・あっ」
「よかったな・・・?」
「・・・あ・・あぁ・・・イングラムのおかげだ・・・」
引きつった笑顔のイングラムは全身嘔吐まみれだった・・・。
「ごめんなさい・・・」
「ふぅ・・・まぁいい・・お前のだから汚くはない・・・もう一度風呂は入りなおすようだが・・」
「ごめんなさい」
シュンとうな垂れるクォヴレーに困ったように微笑むと、
「怒ってはいない・・元はといえば無茶をさせすぎた俺にも原因はあるからな・・」
「だが・・・」
「もういいから・・・歯を磨いて来い・・気持ち悪いだろ?
俺はシャワーを浴びてくるから酒の用意をしておいてくれ」
「・・・わかった」
「・・・クォヴレーが勺をしてくれたら今回の事はなかったことにしてやる」
「え?」
「・・・勺をしてくれ、と言ったんだ」
「わかった!」
イングラムが許してくれた!
そのことに嬉しそうに微笑みながらクォヴレーは洗面所に向う。
イングラムも微笑みながらとりあえずゲロまみれのパジャマを脱ぎ、浴室へ向った。
その後、イングラムに勧められるままお酒を飲んだクォヴレーは、
再びイングラムの身体に嘔吐をしてそのまま気絶したそうです。
「(・・・もう絶対に酒と泡風呂はクォヴレーにやらせん!)」
有り難うございました。
なんとなくイングラムが災難にあってます。
クォヴレーにゲロをかけれれても怒らないところに、
彼の愛を感じてくださいね!
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