クォヴレー君の災難?
 


〜賭けの代償 前編〜


「遠慮しないでどんどん食べてね」
「・・・・・」

広い食堂で何故かクォヴレーは見知らぬ女性と朝食をとっていた。





今朝、目を覚ますと見知らぬ部屋に寝かされていたクォヴレー。
広い部屋には高価な勉強机や難しい本がビッシリとつまった本棚、
横たわっているベッドもフカフカで材質も高価なものを使っているようであった。
目をパチパチさせ部屋を見渡していたら、その女性は入ってきたのだ。

『あら?丁度起しにきたところなのよ』
『・・・・・?』

微笑しながら話しかけてくる美人な女性。
しかしクォヴレーは驚きで何も言えず目を瞬かせるばかりだ。

『私はヴィレッタ』
『・・・・・・』

クォヴレーはまた何も言わなかった。
ヴィレッタは苦笑しながら勝手に話を進めていった。

『朝食の用意が出来ているわ。お腹すいているでしょう?いらっしゃい』

見知らぬ人間についていくことなど、
これまでのクォヴレーであれば考えられないことだが、
夕べも何も食べていないのでとてもお腹がすいているクォヴレーは
とりあえず恩恵に与ることにした。
女性からは悪い感じはしないし、なにより懐かしい雰囲気を感じたからだ。




「おいしい?」
「・・・・・・」

声を発しないで無言で縦に小さく頷くことで返事を返した。

「よかったわ。私、料理の腕には結構自信があるの。
 不味いなんていわれたらショックだもの」
「・・・・・」

クォヴレーは何も答えない。
いや、何を話していいのかがきっと分からないのだろう。
なぜならクォヴレーは他人と距離を置いてきたので、
必要最低限の会話をすること以外したことがなかった。
だから何を話したらいいのか分からないのだ。

「・・・ねぇ、貴方」
「?」

パンを千切りながら話しかけてくるヴィレッタを首を傾げて見つめた。

「名前はなんと言うの?」
「・・・・・・」
「イングラムってば何も教えてくれないんだもの」
「!?」

『イングラム』と言う名に身を震わせて反応するクォヴレー。
食べかけのパンを皿の上に残し、勢いよく椅子から立ち上がる。
そして慌てて部屋から逃げようとしたが、
ヴィレッタに腕を掴まれそれはできなかった。

「ちょ、ちょっと!」
「!?」

グイッと腕を引っ張られる。
その力は女性とは思えないほど強いもので、
クォヴレーは掴まれた腕の強さに顔を顰めた。

「あ!ごめんなさい!力加減を忘れたわ」
「(・・力の・・・加減??この女性は一体・・??)」
「ねぇ、貴方・・・」
「・・・・レー」
「え?」
「クォヴレー・・・です」

腕を掴まれ、下を向いたまま自分の名を呟いた。
ヴィレッタは名前を教えてくれたことが嬉しかったのか、
下を向いているクォヴレーの両の頬に手を当て自分と視線を合わさせ、
穏やかな微笑を向けた。

「そう、クォヴレー・・・ね。了解よ。ねぇ?クォヴレー・・・」
「・・・?」
「貴方とイングラムの間に何があったか知らないけど、
 夕べイングラムは眠る貴方を抱っこして家まで連れてきて、
 あの部屋まで運んでくれたのよ」
「・・・・!」
「それなのにお礼も言わず消えるなんてよくないわ。
 せめて一言お礼をいいなさい。」
「・・・・・」

ムッ、と口をへの字に曲げヴィレッタを見上げる。
それはそうだろう。
クォヴレーはあのイングラムに出会ってからというもの
ペースを乱されっぱなしなのだ。
バイトは勝手に辞めさせられるし、
寮は勝手に引き払われるし、
妙な賭けに負けて無理やり射精を促されるし・・・、
それなのにどうしてあの男にお礼を言わねばならないのだろうか?
と思うのは仕方のないことだ。
納得のいかないという表情のクォヴレーに、
ヴィレッタは小さくため息をついた。

「(どうやらなかなか頑固な子の様ね)クォヴレー」
「・・・・・」
「貴方、この家に住むんでしょ?」
「!?・・・それ、は・・・」
「イングラムが言っていたわ」
「・・・・・・・オレ、は・・・」

『住みたくない』と口を開きかけたその時、
その声は背後から聞こえてきた。

「そうだ」
「!?」
「あら」
「寝坊したようだ・・すまない、ヴィレッタ」
「今日は非番でしょ?もう少し寝ていたら?」
「いや・・・クォヴレーと話がしたいから」

クォヴレーは冷や汗が止まらない。
振り向いていないので背後の男の姿は見ていないが、
やはり声だけでも身震いしてしまうのである。
振り向かないクォヴレーの肩に、大きな手が乗せられた。

「!」
「・・・おはよう、クォヴレー」
「・・・・・」
「よく眠れたか・・・?」

低く抑揚のある声。
振り向きたくなかったが、その声の迫力に振り向かずにはいられない。
ゆっくりとクォヴレーは後に振り向いた。

「・・・・・お・・はよう・・ございます・・少佐」


もう顔をあわせるのさえイヤだったが、
この家にいる限り彼と顔をあわせないのはおそらく(絶対)困難だろう。
クォヴレーは仕方なく挨拶を返した、が
不意にイングラムの顔が綺麗に歪んだ。
おそらく『少佐』と言われたので
心の中はフツフツと何かが燃え上がっているのだろう。
だが、ヴィレッタの手前意地悪く微笑むだけにしたようだ。

「よく・・・眠れました・・・ありがとう・・ございます・・・」
「あのベッドは気に入ってもらえたということか?」
「・・・・・・」
「あのベッドはイングラムが見繕ったの??」

クォヴレーとイングラムのこれまでの「やりとり」を
一切知らないヴィレッタはニコニコとクォヴレーに笑いかけながら
イングラムに質問していく。
おそらくこれから一緒に暮らす同居人のことを
少しでも知っておきたいのだろう。

「ああ、今までクォヴレーは本当に質素な暮らしをしていたようだからな。
 俺からのプレゼントだ・・・」
「質素?・・・そうなの・・・
 でもベッドがいいと眠り心地もよくなるしいいことよね。
 良かったわね、クォヴレー」
「・・・・え、ええ・・・」

納得がいかない顔でイングラムをチラっと見て、空返事を返す。
だがイングラムはニヤニヤ笑うだけで・・・・

「(くっ!いやな目だな!まるで『俺からは逃げられない』
 と言っているみたいだ!・・・実際逃げられそうもないが・・・)」

拳を握り締め、反撃の言葉を捜すが見つからない。
しばらく3人の間に無言の時が流れるがやがてイングラムが、

「さて、お前達は朝食は終わったのか?」
「いいえ、途中よ」
「では俺も席につくからさっさと終えてしまおう。
 クォヴレーは食後俺の部屋へ来なさい」

食事を終えたら「脱走」・・・というか、
もとの生活に戻してもらえるよう交渉の方法の算段をたてようとしていたので

「え?」

と、ビックリした顔で彼を見上げる
すると頭上でクスッと笑う声が聞こえ、彼の顔が近づいてきた。
耳元に唇を寄せられると、あの低く迫力のある声で宣言された。

「・・・三度目はない、と言ったはずだ」
「!?」
「何度言っても分からないいけない子は・・・たっぷり言い聞かせなければな」

耳から唇が離れる。
青ざめながら改めて見上げればニヤリ、と嫌な笑い方をされた。

・・・そして既に席に着こうと移動していたヴィレッタには
そんな二人のやり取りは蚊帳の外であった。






朝食を終えるとヴィレッタは仕事があるとかで
急いで家を出て行ってしまった。
今、この広い家にはクォヴレーとイングラムの二人だけだ。
そしてクォヴレーは導かれるままに彼の自室へと連行されたのである。
一歩彼の部屋に足を踏み入れたとき、
思わずクォヴレーは動きが止まってしまった。
彼の部屋は実に質素だったからである。
もちろん質素とはいっても家具はそれなりに高級品だ。
何が質素かというと・・・

「(・・・すごい・・無駄なものがなにもない)」

ベッド・机・ソファー・箪笥、
それら以外のものはこの部屋にはないのである。

「俺は部屋がゴチャゴチャしているのは好きではない。
 本は書斎にあるからこの部屋に置く必要のないから置いていない」
「・・・・・・・」
「お茶が飲みたければリビングへ行けばいい」
「・・・・・・・」
「そう思わないか?」

イングラムは目を細めて同意を得ようとクォヴレーと視線を合わせた。
小さくコクン、と頷きクォヴレーはその意見に賛成を示す。

「(確かに寝室には本などいらない・・・
 寝室は何もかもを忘れてゆっくりする場所だ)」

クォヴレーが同じ意見であったことがうれしいのか、
頭を数度撫でると部屋へはいるよう背中を軽く押した。
本当は入りたくなかったが、
彼の力の前では無力なことを十分思い知っているクォヴレーは
心の中で大きなため息をつきゆっくりと足を踏み入れたのであった。

「寝室は寝るための部屋だ」
「・・・そうですね」
「だがもう一つ、何かを行う時にも使う」
「・・・何かって?」

チョコン、と小首をかしげ「何か」を問う。
その時、イングラムの表情が黒く変化していくので、
クォヴレーはジリジリ・・・と後退していく。

「それはおいおい分かるだろう・・・イヤでもな」
「・・・・おい・・おい・・?」
「そうだ・・・」
「・・・・・・」
「クォヴレー・・・お前は・・」

ジリジリとクォヴレーが後に下がるごとに、
イングラムはジリジリ前へと進んでくる。

「お前はこの部屋に連れて来られた理由を覚えているか?」
「・・・・・っ」

もちろんクォヴレーは分かっていた。
だが言わない。
夕べも車の中で酷い目に合ったのだ、
今回もどんな目に合わされるか分かったものではない、
と警戒しているのだ。

「今朝、お前は『少佐』と俺を呼んだな?」
「あれは・・・!」
「三度あることは四度ある・・・、だが俺は『三度目』を認めない。
 いや本当は『二度目』も認めないが・・・何故だか分かるか?」

クォヴレーは小さく首を横に振る。
目の前の男が恐ろしく、体は小刻みに震えだしているので
すでに声を出すことも苦しいようだ。

「戦場に『二度目』はないだろう?」
「!?」
「・・・・戦場で失敗は『死』だ。
 だから俺は『二度目』も認めない・・、だがお前は別だ」
「・・・・・・」
「『二度目』を認めた。・・・だが『三度目はない』と忠告もしたはずだ。
 お前もそれに同意し頷いた・・・」
「・・・・・っ」
「・・・・約束を破ればどうなるか・・・その身にたっぷりと教えてやろう」

イングラムが二人の間合いをすばやく詰めた。
急に近づいた彼に驚き、
クォヴレーはバランスを崩してソファーに倒れこんでしまう。

「あっ」

ソファーはやはり高級品らしく、
フカフカの材質でクォヴレーが倒れこむと体重の力を借りてよく弾む。
倒れこんだと同時にイングラムが覆いかぶさろうとしてきたので、
慌ててソファーから起き上がろうとしたが、一歩遅く、
小柄な体は大きな体に押し付けられてしまった。

「うっ・・・!」
「さて、お前にはどんな方法が効果的だろうか?」
「・・・・・・」

青い顔で自分を見上げてくるクォヴレーの頬に、
そっと手を寄せ優しく撫でながらイングラムは思案していく。

「お前は痛みには強そうだからやはり快楽で躾けるべきだろうな・・・。
 だがお前の裸はまだ見ない約束だしなぁ・・・・どうしようか?」
「そんなの知るか!!オレの上から退け!!」

体を震わせながら精一杯の強勢をはるクォヴレーが可笑しいのか、
イングラムはフッ・・と口端を斜めにあげる。

「・・・そんなに俺が怖いか?」
「怖くなどない!この変態!!退け」
「・・・・変態、か・・・フフ・・・お口のきき方も悪いな」

面白おかしそうに自分を小ばかにするイングラムに
怖さを押しのけ怒りでいっぱいになっていく。
そして思いの全てを吐き出していったのである。

「お前のやっていることは犯罪だ!」
「犯罪・・・?どこが?」
「人を無理やり秘書にしたり!勝手にアパートを解約したり!
 それから・・無理やり・・・その・・・・射・・・させたり!」
「どれもこれもお前にはいいことばかりだと思うが?」
「どこがだ!?」
「秘書になればお前の将来の役に立つ、
 アパートを解約したおかげで広い部屋とフカフカのベッド・・・、
 射精を即されたおかげで体はスッキリ・・・いいこと尽くめだな・・」
「な!?」

クォヴレーは頭が痛くなってきた。
どうやら圧し掛かってきている男とは
根本的に話が通じないようなのだ。

「どこがだ!?オレは・・・オレは・・・!
 平凡に暮らしたいんだ!?なのに・・・!」

震える体を叱咤しクォヴレーは叫び続ける。
だが『平凡に暮らしたい』の一言に
イングラムの切れ長の目が大きく見開いた。
クォヴレーの頬に手を沿え更に体重をかけてきたのである。

「・・・う(重い!!)」
「・・・悪いが」
「?」
「お前に平凡は似合わないぞ・・・?その容姿ではな。
 ・・・・華やかな世界が似合っている」
「煩い!?容姿で人を判断するな!迷惑だ!!」

ことの外、『容姿』を褒められるのが嫌いなクォヴレー。
なぜなら『容姿』がクォヴレーが孤立してしまう要因の一つだからだ。
むきになって反論するのでイングラムは思わず聞いてしまった。

「自分の容姿は嫌いか・・・?」
「当たり前だ!・・・・こんな色素が薄くて女みたいな顔・・・!」
「それはもったいないな・・・お前の魅力の一つだろうに・・・」
「そんな魅力は要らない!オレはもっと男らしくなりたかった!」
「・・・・今のままでも十分男らしいと思うが・・・
 (俺に反論するところとかな・・・最近では珍しい光景だ)
 ・・・・まぁ、いい・・・そろそろ本題に入ろう・・・」
「本・・・題?」
「お前は何度言っても『少佐』と呼ぶからな。
 もう二度とそんなことが起きないよう・・・躾けてやろう」
「オレは動物じゃない!躾とか言うな!!」
「フフ・・・どこまでその態度がもつかな・・・?」

イングラムが完全に覆いかぶさってきた。
体を少し浮かせてくれてはいるが、
やはりクォヴレーには重い。
苦しそうに眉を歪めていたいた時、
そっと唇に柔らかいものが触れた・・・・。

「・・・・ん」

それはクォヴレーの唇をチュッと軽く吸い上げたのち
直ぐに離れたが、すぐにまた近づいてきた。
慌てて自分の手の平でイングラムの唇を塞ぐが、
直ぐに手首をつかまれ無駄に終わってしまう。

「まずは利き方の悪いお口の躾からだ・・・・、
 酸欠をおこすなよ・・・・?」
「・・・、っ・・・やめ・・・んぅ」

今度もまた軽く唇を吸われた。
だが直ぐに生温かく弾力のある「肉」が進入してきて
口内を好き勝手に暴れ始めたのであった。

「んっ・・・んぅ???んーーー!?」

上あごを這う舌。
歯列を滑る舌。
舌に絡む舌・・・。
全ての舌技にクォヴレーの意識は平常心を奪われていく。


そして唇が一瞬はなれた・・・。

「んっ・・・・あ?」
「・・・ほら、息を吸い込め・・・」
「・・・・・ぁ・・・」
「吸い込んだか・・・?また塞ぐぞ?」
「・・・・やぁ・・・んっ」

まだ鼻で息をすることが難しいクォヴレー。
呼吸が苦しそうになった頃を見計らいイングラムは唇を離す。
そして息を吸わせ再び唇を塞ぐ、を繰り返した。
何度も・・・何度も・・・・。







「んん・・・・んぅ・・・・はぁ・・・」
「大分慣れてきたな・・・もう一度だ」
「ん・・・やだ・・・お願い・・・だ」

近づいてくる唇をそっぽを向くことで交わす。
だが顎に手をかけられ正面を向かされてしまえば無意味な行動だ。

「これは躾なんだぞ・・?お前に拒否権はない」
「・・・・らって・・・ひた・・・だりゅ・・・い・・・」
(*だって舌がだるい*)
「・・・舌が?」
「・・・もぉ・・・動かすの・・・むり・・・顎・・・痛い」
「この程度で?そのうちにもっと太くて硬いのを銜えてもらうようになるんだがな」
「・・・??」

クォヴレーの瞳に苦笑したイングラムが映る。
太くて硬いものとはなんだろう?
と考えていると、今度は何故か洋服の前ボタンを外され始めた。

「!?なに???」
「ん?・・・・大丈夫だ」

慌ててボタンを外す腕を掴み動きを止めに入るが、
クォヴレーの掴みなどなんでもないのか、
着々とボタンは外されていく。

「・・・・まだ本番はしない・・・、今日のところはな。
 ただ・・・気持ちのいい躾をしているだけだ」

ボタンを外し終え、クォヴレーは上半身を裸にされてしまう。
すると間の手は今度、下半身にも伸びてきた。

「!?やめろ・・・!!」
「抵抗するな、本番をするようになればイヤでも全裸だ」
「わけ分からないこというな!
 だいたい!夕べ約束したじゃないか!見ないと!」

下ろされるズボンを掴み必死に上に上げる。
イングラムは片手でズボンを下ろしているのに、
クォヴレーは両手で下ろされるのを抑えていた。
だがイングムの力には適わず半ケツ状態になってしまっている。

「確かに夕べは見ないと約束したが、今日は無効だ」
「そんな!」
「諦めろ・・・、抵抗すると酷くするぞ?」
「酷いってなんだ!?あっ・・やだ!!」
「・・・・往生際が・・・」
「やだ!やだ!!お願いだ!!
 ・・・せめて本番(本番がなにか分からないが)までは!!」
「(・・・本番の意味を判って言っているのか??)却下だ」
「お願いだ!!少・・・ではなくイングラム!!見るのはイヤだ!
 どんな躾されてもいいから本番までは見ないでくれ!!」

クォヴレーは無我夢中で叫んだ。
もちろん「本番」の意味など少しも理解していないが、
『今日は本番をしない』と言っていたので
それに賭けてみる事にしたらしい。
しかしクォヴレーはその選択をものすごく後悔することとなる。

「どんな躾のされ方でも、な・・・いいだろう」

イングラムがニヤリ・・・と微笑んだ。
おもむろにクォヴレーの上から降りると、
クローゼットから鉢巻のようなものを取り出して戻ってきたのであった。

「(???なんだ???)・・・イング・・・?」
「本当にどんな躾のされ方でも文句は言わないのだな?」

無言のままクォヴレーは頷く。
すると満足そうな顔になッたイングラムは、
もってきた鉢巻のような布で自身の目を覆ったのである。

「????イングラム????」
「・・・こうすればお前が全裸になっても見えない」
「・・・・うん?(確かにそうだが・・・)」

イングラムの手がズボンに伸びてくる。

「!?うわぁーー!!」

見えていないというのに、的確にクォヴレーをむしっていく。
鮮やかな手つきにあれよあれよ、と全裸になってしまうクォヴレーであった。
全てを脱がされ、慌てて逃げようとするが、
足首をつかまれ引き戻される。
そして白く細い膝を強引に左右に割られた。

「わぁ!!」
「・・・さて、今回は態度と口の悪いお前に対する躾だ。
 夕べのように楽にはイかせないからな・・・フフフ・・・・」
「????なに・・・を言って・・・ひっ!」

割られた足の間にイングラムの頭がもぐりこむ。



数秒後、クォヴレーの腰には堪らない疼きが熱を灯し始めたのだった。


有り難うございました。 続きます。