帰ってきたら少しの温もりを残しベッドは空だった。
身体の奥からフツフツと怒りがわいてくる。
生意気な猫には餌を与えるよりも、
厳しく躾けて爪を引っ込めさせるしかない。
〜I Will ・・・A〜
細い腕がガクガク震えている。
無理な体勢での行為のせいなのは分かっていたが、
イングラムは呼吸をする間も与えず、
ずっと唇を吸い続けていた。
執務机に背を向け机の端に腕をついている状態のクォヴレーは、
キスの激しさに既に身体はガクガクだった。
「・・・ぁ・・・ふぅ・・・」
逃げられないようにイングラムも机に手をつき、
自分と机の間とにクォヴレーを閉じ込めている。
何度も角度を変え、自分よりずっと小さな舌を翻弄させていた。
閉じていた目を薄っすら明けてクォヴレーの表情を伺う。
もう限界なのか腕も足もガクガク震えさせ、
口端からは受け止めきれないイングラムの唾液と、
飲み込みきれないクォヴレー自身の唾液が垂れている。
イングラムは目で笑うと、
更に激しく口内を蹂躙しクォヴレーの理性を奪っていく。
「んーー!!んっ・・・・」
クォヴレーの身体がガクガク震えている。
身体を更に密着させると、太ももにクォヴレーの高ぶりを感じたので、
怖がっていても嫌いではないということが伝わってきた。
昨日、『苦手=嫌い』ではなく『怖い』なのであることは聞いていたが、
多少半信半疑であったので、その事実に喜びを感じるとともに、
すでに自分で立っているのも辛そうなクォヴレーの身体を支えるべく、
机についていた片方の腕をクォヴレーの腰に回した。
「ぁ・・・ふぁ・・・・」
閉じられていたクォヴレーの目がゆっくり見開いた。
目には涙が溜まっており、それがまた色気を増しているが本人は気がつかないようで、
ただただ真っ直ぐにイングラムの瞳を見つめ返してきている。
口を合わせたまま笑うと、イングラムは音を立てて唇を一回開放した。
「マナー違反だ、クォヴレー」
「・・・・・ん・・・、・・・マナー・・??」
「キスのときは目を閉じていなければならない。
・・・・奴はそう教えてくれなかったのか?」
「!!?」
抱いていた腰を更に自分へと近づけてイングラムは瞼に唇を寄せる。
そして涙を吸い込むように舐めとると、
耳たぶにキスをし、首筋に唇を這わせた。
「・・・っ・・・!!」
抱きしめているからだが大きく震え、逃げようともがき始めたが、
首筋を啄ばんでやると甘えるような声が引き出せることに成功する。
「・・・あ・・」
「ん?首筋がお気に入りか?」
咽で笑いながら反対側にも吸い付いた。
クォヴレーは背を仰け反り、更にイングラ向けと自ら密着してくる。
「積極的だな・・・、これで背中にファスナーがあれば直ぐに脱がせられるのだが」
「・・!!ぬ、脱がすって何だ!!?」
ハッと我に返ったクォヴレーが再び逃れようともがきだした、が、
そんな小さな抵抗はものともせずにイングラムは着々と衣服を剥き始めていく。
制服のボタンを外し、中にきているシャツをたくし上げる。
「!!やめっ!何を・・・??」
「なんだろうな?」
小さく笑いながら質問を質問で返しながら、
震えている小さな胸の飾りをペロリと舐めてみた。
「わぁぁぁ!!?」
途端、変な声を出したクォヴレーは胸の飾りを隠そうと机から両手を放してしまう。
けれどその隙を見逃さず、イングラムは一気に机の上に押し倒した。
「うわっ」
クォヴレーはシャツを下ろすことには成功したが、
机の上に押し倒されてしまったので益々逃げられなくなってしまう。
「さて、今日は後の開発だったな」
「開発??」
暴れるクォヴレーを片手で易々と押さえつつ、自らも着ているもののボタンを外していく。
露になった鍛えられた大人の身体が目の前に飛び込んでくると、
クォヴレーは顔を赤らめながらフイッとそっぽを向いてしまう。
けれど顎を掴まれ目線を無理やり戻らせれてしまい、クォヴレーはたじろいだ。
「相手の顔を見ていないと失礼だろ?」
「・・・・・・っ」
顔を歪ませて微笑むイングラムにクォヴレーは背筋がゾッと凍った。
それはおそらくこれから起こる何かに、本能的に身体が反応したのだろう。
「・・・ここ」
「あっ」
長い指がまだ小さい胸の飾りを何度も転がし始めた。
クォヴレーはそれだけで背中をなにか変なものが走り、
息を乱れさせてしまう。
「やめ・・ろ・・あっ・・・」
「・・・・ん?」
「あっ・・・ぁ・・・・」
ついには両方を一辺に摘まれ、何度も転がされては引っ張られ、
引っ張られては捏ねられた。
「・・・クォヴレー・・・感じるのか?」
頭上からからかうようなイングラムの声に、
クォヴレーは唇を噛みしめて頭を横に振る。
けれど無意識に下半身をモゾモゾさせていれば全く説得力はない。
「膨れてきているぞ」
ニヤニヤ笑いながら下半身のサマを口に出して現すイングラムに、
クォヴレーは頭を振って否定するしかなかった。
「反抗はよくない・・・、その膨らみのように心も素直になれ。」
「やめろ!!・・・!!?あっ」
フイに胸にくすぐったいものを感じた。
顎の辺りに青い髪が当たり、いつもなら決して見ることは出来ないであろう、
彼の旋毛を見ることが出来る。
「あっ・・・あぁ・・・・」
生暖かいものにつんととがった小さな飾りは包まれていた。
右を舐められ、左を舐められ、甘く歯で噛まれては舌で転がされる。
「あっ・・あっ・・・、・・・!!」
・・・・それは一瞬だった。
クォヴレーは目の前が真っ白になったと思った瞬間に、
耐え切れなくなったものが爆発してしまったのだ。
溜まっていたものは下着を通り越し、白いズボンまで伝わってきていた。
「・・う・・・うぅ・・・」
イングラムに抱きしめられている身体が大きく震えている。
頬には耐え切れなかったのか、涙が何筋も出来ていた。
恥ずかしい。
穴があったら入りたい。
胸を責められただけで達してしまうなんてこれまではなかった。
きっと馬鹿にされる。
そのことが悔しくて悲しくてクォヴレーは涙が止まらなかったが、
以外にもイングラムはまったく別の言葉を言うのだった。
「・・・・経験がない、というのは本当のようだな」
「・・・・・・?」
「信じないわけではなかったが、胸を責めるだけで・・・」
イングラムは意地の悪い微笑をやめ、
優しい笑みを浮かべて頬に流れている涙を拭ってやった。
「・・調教・・いや、教えがいがありそうだな」
イングラムの手が濡れた股間へ移動していく。
布の上から様子を伺うように撫でてみれば、
そこは再び熱を取り戻し始めた。
「あ・・、イングラム・・・」
ジー・・・とファスナーを下ろす音と、
ベルトを外される音が聞こえる。
クォヴレーは羞恥に目を閉じると、
腰を抱えられ、そのまま下に纏っていたものを全て剥ぎ取られてしまう。
再び兆し始めている性器を優しく握りこむと、
先からトクンッと蜜が数回零れた。
そのまま上下に数回擦って自分の手に先ほど放たれたモノと、
今の刺激で溢れていた蜜をたっぷり付けると、
イングラムはゆっくりしたの窄まりに指を這わせていく。
目的の場所へたどり着くとチョンチョンとその場所を突いた。
「・・ひっ」
思わず足を閉じてしまうクォヴレー。
だがイングラムは左手をクォヴレーの膝に置くと
そのままグイッと大きく足を開かせ、
閉じられないように足の間に頭を滑り込ませる。
「イングラム!!やめてくれ!・・・・ひ、っ・・・」
恥ずかしい。
クォヴレーはプライドも何もなく懇願するが、
兆している性器に吐息を感じると咽をヒクつかせてしまう。
何かが性器を這っている。
クォヴレーは顔を真っ赤に背ながらおそるおそる自分の下半身を見た。
「やだぁぁぁぁ!!」
その瞬間、悲痛な叫び声が部屋中に響いた。
両手でイングラムの頭を掴み引き剥がそうとするが、
すでに兆していたものはすっかりイングラムにくわえ込まれており、
無意識に腰を振りながらクォヴレーは否定の言葉を繰り返していた。
「やだっ・・・やめ、ろ・・・ん、ん」
卑猥な音が止まることなく続いている。
クォヴレーは目を切なげに細め、
自分の指を咥えながら口淫の動きにあわせるように腰を揺らしている。
突然のことに頭は完全にパニックで、
いつ後の信じられない場所にイングラムの指が入れられたのかは定かではない。
けれど中で蠢いている指が時折掠めるようにイイ場所をひっかいては去っていく。
前の張り詰めている場所は暖かく気持ちのいい場所にずっと包み込まれている。
気持ちがいい。
クォヴレーの頭はもうそれだけでいっぱいだった。
「あぁ・・・んんっ」
目を閉じブルッと身体全体が震えると、
イングラムの口端から頬にかけて白い筋が数本出来た。
クォヴレーは気持ちよさ気にまだ身体を震えさせている。
全てを出し終えれば後の入り口から圧迫感が消えていく。
イングラムが指を抜き、クォヴレーから身体を離した。
クォヴレーはそのままだらりと机の上に仰向けに倒れていく。
「気持ちよかったか?」
イングラムの問いにボーっとした頭で小さく頷いて答えた。
頬に大きな手の温もりを感じる。
「んっ」
切れ長の目をした端整な顔が近づいてくると、
そのまま優しく唇が吸われた。
少し苦い味がしたが、クォヴレーは射精の余韻にうっとりとしたままキスに応えた。
そのままふたたびキスの時間が数分続いていたが、
そのかん何故かイングラムはチラチラ机の上の時計を気にしていた。
「・・・(今夜、ミーティングなんかあったかな?)」
だから時間を気にしているのだろうか?
そう思いながらもやはりイングラムのキスは気持ちがよく直ぐに真っ白になっていく。
だから気がつかなかった。
イングラムがキスをしながらカチャカチャ音をさせてベルトを外している音に。
キスが気持ちよすぎて聞き逃していた。
イングラムがジッパーをさげる音を。
唇を吸われる音があまりにも恥ずかしくて気づけなかった。
・・・イングラムがなにやらゴソゴソと自分の下半身に何かをしているのに。
やがてカサッという音が耳元に聞こえてきた。
「・・・・?」
なんだろう?と、キスをしながら目だけで自分の頭の横を見てみた。
あのカサッという音はイングラムが自分の頭の横に何かを置いたから、
というのはなんとなく分かったからだ。
「・・・!!ん・・んーーー!!?」
だがクォヴレーは目にしたものに驚き、慄いた。
今だキスをしてくるイングラムを突き放そうと胸を何度も押すが、
鍛えられた身体はビクリとも揺らがない。
クォヴレーは焦った。
足をバタバタさせて何とか下から這い出ようとする。
けれど足は難なくイングラムに捉えられ、次第に折り曲げられていく。
「んっんっ・・んーーー!!」
クォヴレーはイングラムの目を見つめることで必死に訴えた。
『それは嫌だ、約束が違う』
と。
だがイングラムはチラッとまた時計を見て、目でフッと笑ってきた。
その笑みは何を意味しているのか。
クォヴレーもつられて机の時計を見てみた。
「!!?・・んぅ・・・」
時計の針は11時59分をさしている。
秒針の音が何故か妙に大きく聞こえてくる。
その音はまるでカウントダウンだ。
『今日は互いに触れ合うだけ、明日は後の蕾を解し、
そして明後日は・・・・・・』
フラッシュバックのようにその言葉が耳の奥から聞こえてきた。
秒針を見る。
「4」の位置にいる。
頭の横を見る。
そこには小さなビニールの袋があり、破られていて中身はない。
奥手なクォヴレーにもその中に何があったのか位は分かる。
男同士であってもマナーはマナーだ。
中身はすでにイングラムが装着しているのだろう。
再び時計を見る。
すでに「8」の位置に秒針はいた。
そして合わさったままだった唇がやっと離れた。
「・・・ぁ・・ふ・・・」
口と口の間に透明な糸。
その糸を引きながらペロリと唇を舐めたイングラムは、
フッと微笑みながら小さく掠れた声で囁くように言葉を出した。
「・・・抱くぞ」
・・・・・秒針は「11」を過ぎたところだった。
「・・・・・っ、ーーーー!!!」
声は掠れていてすでにあまり出ていなかった。
イングラムの腕に爪を食い込ませそこから薄っすら血が滲み出す。
一瞬、イングラムは眉を寄せるがそのまま目を瞑りブルッと身体を震わせた。
一方逞しい腰に足をクロスさせ抱え込んでいたクォヴレーは、
背を撓らせて一緒に最後のときを迎えると、
グッタリとベッドに身体を沈み込ませた。
机の上で初めてを奪った後、イングラムは場所をベッドルームへ移動した。
初めは受け入れる激痛に必死で抵抗していたものの、
クォヴレーは受け入れる場所を丁寧に舐められ全身から力が抜けてしまい、
そのまま2度目を戴かれてしまったのだ。
2度目はそんなに激痛を感じず、むしろ気持ちがいいとさえ思った。
そして3度目は自分からねだるように腰をうねらせ、イングラムの上で溺れた。
4度目は再び押し倒され、イングラムの腰に足を絡めて一緒に快楽を貪った。
イングラムは涙で濡れた頬にキスを数回すると、
弛緩したからだから剛直を引き抜いた。
そして今だ勢いの衰えない熱棒からマナーで付けたスキンを取り去る。
本当は付けたくなかったのだが、
『初めて』の相手にいきなり中まではどうかと良心が働いたのだ。
ふぅ・・とため息をつくと、
まだ衰えを知らない自らをそのままにベッドから降り、
タオルを濡らして戻ってきた。
すでに眠ってしまっているクォヴレーの身体を清めていると、
張り詰めたままの剛直が再びジンジン痛み出していく。
クォヴレーを見れば疲れたのか死んだように眠っている。
「・・・早く慣れさせなければモヤモヤした夜が続きそうだな」
眠る相手を起こしてまでは行為に及べない。
自分は鬼畜だとは思うがそこまで鬼畜にななれない。
だがイングラムとしてはあと1〜2回はヤらないと収まりがつかないほど、
精力があり溢れているのだ。
このままでは張り詰めすぎてて眠れない。
イングラムはクォヴレーをうつ伏せに返すと、
今の今まで自分をくわえ込んでいた小さな蕾がある尻の狭間に剛直を挟みこんで、
そのまま動き始めた。
・・・もちろんクォヴレーはこの事実を知らない。
だが彼が精力が大変旺盛であると知るのは直ぐ数日後のことである。
有り難うございました。
次で最後です。
一回くらいはイングラムもクォヴレーに怒られなくては(笑)
「日付が変わった瞬間に〜(怒)」ってね!
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