悪寒がとまらない!?2
 


パラレル設定☆



ギュウ・・・と首筋に縋りつく。
そしてそれとほぼ同時に大きな手がクォヴレーの頭を撫で、
たくましい腕が腰に巻きついてきたのだった。


突然のことに驚いて思わず身を起し彼を見下ろした。
するとうっすら開かれた青い瞳。
身体を離したクォヴレーの身体を強引に自分へと連れ戻すと
動けないよう頭を固定し唇を塞いできた。

「んっ・・・んーーーっ」

息が出来ない激しいキス。
歯列を舌が這い回り、上あごを舐めまわされる。

「ん、・・・んぅ・・・」

次第にボー・・・としてくるクォヴレーの思考回路。
キスに応えようとイングラムの頬に手を添えた・・・その時。

「・・・・え?」

拘束が緩み、パタン・・・とシーツへ投げ出されたイングラムの腕。
覗き込めば再び瞳は閉ざされ、深い寝息をついているではないか。
信じられない・・・と、再びアングリのクォヴレー。

「ね、寝ぼけていたのか・・・・?あんなキスをしておいて?」

クォヴレーは本当に怒りが抑えられなくなってしまった。
これだけ期待させておいて、
キスだけで身体を熱くさせておいて、
寝ぼけていたとは何事だ!?と罵倒し、自分の枕をイングラムに投げつける。
しかし彼は小さくうめき声を出すだけで目を覚ますことはなかった。


「(馬鹿!!バカバカバカ!!もう知らないんだからな!!)」









〜優しさは残酷? 後編〜










イングラムに薬を飲ませてから3週間がたった。
相変わらず『紳士』な彼はクォヴレーに指一本触れてはこない。
時折、クォヴレーが顔を近づけてみたりするが、
イングラムは優しい笑顔で頭を撫でてくるだけで終わってしまっていた。







「クォヴレー君」
「ん?」

『クォヴレー君』と呼ばれることにもすっかり慣れ、声がした方向へ振りかえる。
風呂からあがったのか、首にタオルを巻いた彼が微笑しながら近づいてきて、
クォヴレーの顔に顔を近づけてきた。

「風呂、あいたぞ。直ぐに入ってしまいなさい」
「・・・・わかった」
「クォヴレー君のタオルと寝巻きは洗濯機の上だ。」
「わかった、ありがとう」

バスルームの扉を開け、深いため息を思わずつく。
バスルームには石鹸の香りにイングラムの臭いも混じっているようで、
その香りを嗅ぐと、なんだか物悲しい気分が一気にこみ上げてきてしまう。
あれほど激しく求められていたあの頃が嘘のように、
今は全く触れてこないイングラム。




悲しい・虚しい・寂しい・・・・、




ココ最近クォヴレーを支配しているこの3つはだんだん嫌な方向へと向かってきている。

「(・・・イングラム、他に好きな人できたのかな?
 だからオレに触れてこないのか?だっておかしいじゃないか・・・・、
 薬の効果がこんなに長く続く筈がない)」

洗面台に映っている少女のような容姿がだんだん蒼白になっていく。
このまま終わってしまうかもしれない不安が、恐怖が一気に押し上げてきたらしく、
目には涙が溜るが口からは声を出すことが出来なかった。
悲しくて、やりきれなすぎて、クォヴレーは声を出すことなくその場にしゃがみこんで泣いた。
そしてどうしたら元に戻ることが出来るのかを必死に考えるのだった。




5分くらい泣いていただろうか。
不意に立ち上がりクォヴレーは冷たい水で顔を洗い始めた。
冷たい水が嫌な感情を押し流し、気合を与えてくれる。

「イングラム・・・こんなに好きなのに・・・まだ・・大好きなのに・・・嫌だ!!」

弱弱しく泣いていた瞳には強い力はなち、鏡の中の自分に言い聞かせるように呟く。

「このまま終わるわけにはいかない・・・!まだ嫌われたと決まったわけではない。
 もう一度・・・やり直したい・・・イングラムと・・・イング・・・」












バタバタと廊下を駆け、彼がいるであろうリビングの扉を行儀悪く開ける。

「イングラム!」

すると驚いた顔のイングラムがクォヴレーを捉え、微笑してきた。

「クォヴレー君、まだ風呂に入っていなかったのか?」

仕方がない子だ、肩を竦ませる彼に問答無用で抱きつきにかかった。
イングラムは目を細め、優しく抱きしめ返してくれるが
やはりこれまでの様に額や頬に『キス』はしてきてはくれない。
涙が出そうになるのをグッと堪え、クォヴレーは顔を上げてイングラムをまっすぐ見つめた。

「どうした?急に甘えたくなってしまったのか?」
「・・・・うん」
「仕方のない子だ」

ポンポン、と背中を叩き優しく頭を撫でてくれる。

「イングラム・・・好き」
「・・・・俺もクォヴレー君が好きだ」
「・・・本当か?」
「もちろん」

優しく目を細め、頷くイングラム。
しかしクォヴレーはまだ不安を消せない。
その好きは今までと同じ好きとはかぎらないのだ。
彼は、クォヴレーを家族として好きなのかもしれない。

「ではどうして・・・」
「うん?」
「どうしてキスしてくれないんだ?」
「クォヴレー君?」

イングラムの肩に手を置き、彼を覗き込むようにして呟く。
イングラムは首をかしげ目を真ん丸くしてクォヴレーを見上げていた。

「抱きしめてもくれない、キスもしてくれない・・・オレを『君』と呼ぶ」
「・・・・・・・・」
「それはどうしてなんだ?」

目を潤ませて問うクォヴレーに、イングラムは面白そうに顔を歪ませた。
それはいつもの『黒い彼』の笑顔である。
その顔に、え?となるクォヴレーであるが、何をいっていいのか分からずただ見つめていた。
しかしイングラムは直ぐに穏やかな笑顔に戻し、
涙が潤む目蓋にそっと人差し指を添え涙を掬った。

「クォヴレー君が望んだことだろう?」
「オレ・・・が・・・」
「違うのか?」
「違わない・・・が・・・」

フフ・・・とイングラムの顔がまた黒いものに変わる。
クォヴレーはわけが分からなくなっていく。
薬はまだ利いているはずなのに、
時折黒い彼が顔を覗かせるのはどうしてなのか?

「そう・・・違わないのか・・・否定しないのだな?クォヴレー君は」
「・・・イングラム?」
「クォヴレー君は紳士な男が好きなんだろ?」
「・・・え?」

イングラムの顔が更に面白そうに歪みながらクォヴレーを見上げてきた。

「セックスもあまり好きではない・・・そう、淡白な関係が望みなんだろ?」
「イ、イング???」
「キスもセックスもない恋人関係・・・望んだのはお前だろう?クォヴレー?」
「!?」

その時、クォヴレーは思わずイングラムから身体を離してしまった。
別段それを止めることもなくあっさり解放するイングラム。
クォヴレーが離れた後は、足を組み歪んだ笑顔でクォヴレーをまっすぐ見つめた。

「イングラム・・・お前、・・・ま、さか・・・」

青い顔で身体をガタガタ震えさせるが、
まっすぐ射抜いてくるイングラムの視線を逸らすことは出来ないでいる。
身体は大きく震え上がり立っているのもやっとな状態だ。
だがイングラムはそんなクォヴレーに手を伸ばそうとはしない。
口端を歪め覗き込むようにただ見つめるだけだった。
そして少しだけ首を斜めにし、
嫌な予感を認めたくない風なクォヴレーに低い声で話しかけた。

「ご想像通り、とでも言おうか・・・?クォヴレー」
「・・・・っ」
「俺は初めから正気だ・・・薬に侵されてなどいない」
「!?・・・嘘・・・だろ・・・?」
「本当だ・・・・フフフ・・どうして?・・・という風だな?・・・知りたいか?」

蒼白なまま、クォヴレーは頷く。
どうしてばれてしまったのか・・・、
彼が薬にかかっていなかったことは嬉しいが
ならばどうしてあのような態度をとってきたのか・・・、
クォヴレーはその真意を知りたかった。

青い顔のクォヴレーを1〜2分鑑賞すると、
クククと咽で笑い、イングラムは目を閉じながら静かに話し始める。

「今回はやりすぎだと思ったのだろうな」
「・・・・え?」
「・・・わざわざ連絡してきてくれた」
「連絡・・・、スペクトラ?」
「・・・・いや」

目を薄く開き、イングラムは再びクォヴレーと視線を合わせた。
そしてやはり気付いていなかったんだな、
という風に哀れみの混じった顔をしたのであった。

「・・・お前につけている護衛からだ」
「!?」

まさしく寝耳に水の言葉だった。
いったいいつからそんなものをつけられていたのだろうか?
クォヴレーはガクンと床に跪き今度はイングラムを見上げるようになった。

「何故・・・?」
「・・・・・」
「イング、どうしてだ?そんなの・・・オレ、必要ない」
「普段はお前の言動の一つ一つを報告させるようなことはしていないから安心しろ。
 そこまでしたらさすがにプライバシーの侵害だからな」
「そんなことはどうでもいい!!護衛なんてどうしてつけているんだ!?」
「必要ない・・・か・・・これだからお前には護衛が必要なんだ」
「!?」
「・・・・お前は俺と一緒に住んでいるというだけで狙われやすい。
 俺は立場上、様々な人間に恨まれているからな」
「・・・・・!」
「俺を逆恨むする輩というものは大抵俺ではなく、俺の大切なものを狙ってくる」
「・・・・!大切・・・・?オレ・・・大切?」

『大切』が信じられず、イングラムの言葉を復唱する。
クォヴレーが自分の気持ちを理解していなく腹立たしさを感じるが、
イングラムは多少不機嫌な顔を向けただけで話を続けるのだった。

「大切だ・・・当たり前だろ?」
「・・・・・イングラム」
「・・・・話を戻すが、そんな時お前一人では対処できないだろう?。」
「・・・大勢の大人に囲まれたら・・・きっと・・無理だ」
「そうだろう?そういう時のためにつけているSPだ・・・・。
 他意はない・・・まぁ、変わったことがあれば報告するように言ってあるが・・・
 今回のように、な」

イングラムはソファーから立ち上がり、
床に座り込んでいるクォヴレーの元へやってきてその手をとる。
即す様に立ち上げ、ソファーに座らせると優しく額に唇を寄せてきた。

「・・・・あ」
「誤解のないように言っておくが、お前のプライバシーは本当に侵していない。
 これは誓って本当だ。報告させる時は・・・そうだな・・・」
「・・・・・・」

うーん・・・と視線を少しだけはずしイングラムは考える。
その様子を不安げに黙って見守るクォヴレーは肩に置かれた手に甘えるように頬を寄せる。
応えるように手の甲で頬を優しく撫でながらイングラムは思い出すことに力を使っていた。
だがクォヴレーはもうどうでもよかった。
イングラムが額にキスをしてくれて、
頬を撫でてくれるだけでSPを無断で付けられていたことは責める気はしなかったのだ。

「あぁ・・・そうだ」
「?」
「・・・お前、以前木登りして落ちたことがあるだろう?」
「・・・・あぁ。・・・ん?なんで知っているんだ?黙っていたのに・・・あ!」

コクンと頷き、ソファーに腰掛けるイングラム。
クォヴレーの腰を抱き身体を密着させた。

「・・・そう、お前が怪我をしたり危ないことをしたりした時は報告するように言ってある。
 その報告を聞いた時の晩、俺はお前の尻を何度も舐めただろう?」
「・・・・(そういえばいつだかしつこいくらい舐められた時があったような・・・)」
「歩きながら本を読んでいて転んだこともあっただろ?」
「あぁ・・・(まさかそんなことまで?)」
「その日の晩、俺はお前の膝や肘をたくさん舐めた筈だ」
「(そういえばそんな日も・・・・)」
「つまり、そういうことだけを報告させているんだ、アイツには」
「アイツ?」

親しげな言い方に不安が再びクォヴレーの胸を締め付け始めた。
SPの正体はひょっとして・・・と。
そんな不安を感じ取ったのか、少しだけ意地悪げに微笑んだイングラムは、
クォヴレーをゆっくりとソファーの上に押し倒していきながら、
安心させるように耳元で教えるのだった。

「安心しろ・・・俺はお前一筋だ。
 それにアイツは根っからの女好き・・・しかも決まった相手もいる」
「・・・・・・・」
「腕も確かだ、多少浮気癖があってしばしば恋人に折檻されているがな」
「・・・折・・・檻??」

恐ろしい言葉に真っ青のクォヴレー。
それもその筈、自分もこれから折檻とまではいかないが、
お仕置きの可能性大なのだから。
上にのしかかっているイングラムの胸板に両手を当て
何とか下から這いで様と抵抗した。
だがイングラムは小さく笑うだけで決してどいてはくれない。

「それでな、クォヴレー・・・アイツは俺にこう報告してきたんだ」
「・・・・・・っ」
「隊長のハニーがオイタをしようとしている、とな」
「(オイタ??ハニー???隊長???)」
「薬は取り合えず紅水とすり替えておいたからあとはどうにかしろ、と報告してきた」
「紅水・・・酒に入れたあれ・・・本物じゃなかったのか」
「そういうことだ」

ホッと胸をなでおろし、クォヴレーは改めて自分の愚かな行動を悔いるのだった。
卑怯な手を使うのではなく、どうして直接抗議しなかったのか・・・
愚かで馬鹿な自分を穴に落としてしまいたかった。
心から後悔している、とクォヴレーが全身で語っているので
イングラムは優しく、今度は頬に口付ける。
そしてクォヴレーの瞳と視線を合わせると顔を近づけゆっくりと瞳を閉じた。
唇と唇が合わさるのにあと1センチほど・・・、
イングラムはその距離で完全に目蓋を閉じた。
おそるおそる彼の首に腕を回し遠慮がちに聞くクォヴレー。

「触れても・・・キスをしても・・いいのか?」

クス・・・と口元だけで笑うと、イングラムは優しく答える。

「あぁ・・・どうぞ。
 ・・・お前も十分反省したようだしな・・・仲直りをしよう」
「イングラム・・・・イン・・・んぅ!」

チュッと音を立て、唇が触れ合うとそのままイングラムを
引き寄せ思うさま唇を貪っていく。

「イング・・・イン・・・んっ・・ふ・・・イン・・・」

唇をなぞり、彼の舌を外界へ引き出す。
そのまま舌同士を絡めさせ何度も何度も吸い上げた。
クォヴレーが一通りイングラムを堪能すると、
今度はイングラムがクォヴレーを味わい始めた。
角度を変え、舌使いをかえクォヴレーの理性を奪っていく。
唇が離れてもクォヴレーが潤んだ目で『もっと』と強請ってくるので
イングラムはしばらく望むままにキスを与え続けたのだった。







久々のキスにお互い満足したのか、
唇をいったん離しクォヴレーの服を脱がしながら己の胸の内を語り始めた。

「お前が『薬』を使うと聞いた時裏切りを感じた」
「・・・イング・・・」

恥ずかしいのか、腕で自分の目を隠しながら申し訳なさそうに名前を呼んだ。

「確かに俺はお前に対して執着心が酷いかもしれない。 
 木から落ちたと聞かされた時は二度と外には出さない、と思ったほどだ」
「・・・え?」

流石に青ざめ、腕を額からはずしてイングラムを見上げざるをえなかった。
イングラムはフフ・・・と笑いながらクォヴレーの額を撫で、

「思うだけだ・・・思うのは自由だろう?
 閉じ込めたりはしないから安心しろ・・・今のところは」
「今の・・・ところ・・???」
「そう、今のところ、だ。オイタが過ぎれば・・・考えなければな」
「嫌だ!!そんなの・・・・あっ・・あっ・・・」

いつの間にか上半身裸のイングラムが覆いかぶさってきて、
既に裸のクォヴレーの上にのしかかってくる。
そのまま手を体の中心にもっていき、ゆっくりと官能を呼び覚ましていくのだった。

「ふ・・・う・・・うう・・・んっ」
「・・・まだ、少ししか触っていないぞ・・・なのにもうこんなに硬くなって・・・」
「だって・・・だって・・・もう・・・3週間・・・だぞ・・・」

彼の愛撫を受けやすいように大きく足を開く。
素直なクォヴレーに気を良くしたのか、
イングラムは手のひらぜんたいを使ってゆっくりと性器に手を這わした。

「やっ・・・やっ・・・あっ」
「3週間・・・そう、3週間だったな・・・俺も・・・お前に触れるのを我慢した」
「イング・・・インッ・・・あぁっ・・・もっと・・・強く・・・」

クォヴレーは自分で腰を振り、もっと強く扱いてくれるようおねだりする。
肩越しに顔を埋め、イングラムの首筋に吸い付きおねだりする。

「3週間の間・・・身が焼けそうだった・・・近くにいるのに抱けないお前・・・」
「・・・インッ・・・っ・・・ふぁ・・・」

早まる手の動きに首筋を仰け反らせクォヴレーは下半身の疼きを貪っていく。
震える手をイングラムのズボンに伸ばし、彼の性器を外へ取り出す。
それもクォヴレーと同じように既に固く濡れ始めていた。

「っ・・・ふ・・・クォヴレー・・・、お前が『抱いて』と・・泣いた時・・・
 触れてはいけないと分かりつつ・・・く・・・寝ぼけた・・ふり・・・で、
 唇を・・・塞いだ・・・・くっ・・・・」
「あ・・・の時・・・起きて・・・?あぁ・・」

額に汗が滲み始め、固く閉ざされていくイングラムの瞳。
クォヴレーも目を閉じ、彼の性器を愛撫することに集中する。
扱けば扱くほど3週間分の熱が集まり硬度していく二つの欲望。
しばらくの後、同時にそれを爆発させたのだった。











「・・・・やだぁ・・・やだぁ・・・」

部屋には汗と精液の臭いが充満していた。
2回ほど互いの手で解放した後、イングラムはクォヴレーの足を高く持ち上げ
後ろにある閉じた蕾に口での愛撫を始めていたのだった。

「やっ・・・んっ・・・それ・・・嫌い、だ・・・」
「我慢しろ・・・久しぶりだからよく解さないと・・・」
「うぅ・・・赦してくれ・・・それ・・・やだぁ・・・」

2回の吐精と抱えられた足ではろくな抵抗も出来ない。
イングラムはそんな悲痛な訴えも楽しんでいるかのように、
蕾に長くネットリとした愛撫を行なうのだった。

「う、うぅ・・・もう・・・30分も舐めてる・・・」

チラリと時計を見れば30分は経っていた。
舐められてしばらくしてから時計を見たので
実際にはもっと長い間舐められているのだが・・・・。

「・・・ではあと30分・・・舐めていようか・・・?」
「!!赦して・・・こんな・・・お仕置き・・・やだぁ・・・・」
「フフ・・・これがお仕置き?・・・ずいぶん生ぬるいな」
「そんなことな・・・・あぁぁぁーっ」

ズブ・・・と舌が内部へ侵入してきた。
もう堪えられない!と身体を翻しなんとか逃れようとしたが、
イングラムは腰を抱きかかえると、
今度は舐めやすいとばかりに四つんばいのクォヴレーの蕾に舌を這わせたのだった。

「あぁぁぁぁっ・・・!!ひぅ・・・も・・・やだぁぁ」
「フフフフ・・・ではどうしてほしいんだ?」

ピチャピチャ舐めながら、腰を振るクォヴレーに問う。
既に乳首を舐められ、性器を舐められ、蕾を舐められ
表面上の快楽を施してもらったクォヴレーが欲しい快楽は後一つしかない。
内部を固く逞しいモノで擦って擦って突き上げてほしい。

「言ってごらん?教えてごらん?どうしてほしい?クォヴレー」
「ふぅ・・・うっ・・・やっ・・・」
「クォヴレー・・・言わなければココで終わりだ・・・いいのか?」
「!!?」
「終わりにするぞ?・・・いいのか・・・?」

イングラムの唇が蕾から離れていく。
クォヴレーは恐怖でブルリと身体を震わせイングラムを振り返った。
優しく微笑んではいるが、目は本気を語っている。
クォヴレーがお願いしなければ本当に何もしてくれないのだろう。
脳裏に恐怖がよみがえる。
3週間触れてもらえなかった恐怖。
イングラムが他人のように接してきた恐怖。
二度と味わいたくはなかった。
二度と虚しい気持ちになりたくなかった。
クォヴレーはかぶりをふり、なりふりかまわず叫んだ。


「やだ!!」
「・・・・・・・ならどうしてほしいんだ?」
「抱いて!!抱いてくれ!!イングラム!!」
「・・・・・」
「抱いてくれ!!イングラムの・・・で、突き上げてくれ!!いっぱい擦って欲しい」
「・・・いっぱい?」
「いっぱいだ!何も考えられなくなってしまうくらい・・気持よくしてくれ!!」
「・・・・フ、フフ・・・了解だ」
「あっ!!」

グルンと身体を回転させ、イングラムは一気にクォヴレーを突き上げた。
クォヴレーの顔が苦痛に歪み息も絶え絶えに必死にイングラムにしがみつく。

「・・・・すまん・・・性急過ぎたか・・・?クォヴレー」
「んっ・・・へ・・き・・・だ・・・うぅ・・・」
「すまん・・・お前を試しておきながら自分自身も限界だったんだ」
「イングラム・・・イングラム・・・ぅ・・・ぅん・・・」
「クォヴレー・・・抱きしめたかった・・抱きたかった」
「オレも・・・!オレも!・・・イング・・・!ごめんなさい・・
 ごめん・・・薬・・・オレ、・・・最低・・だ・・・うぅ・・・」
「もういい・・・俺も・・俺にも責任・・・あったからな」
「イング・・・・」
「これからは・・・もう少し手加減するよう・・・努力する・・つもりだ」
「っ・・・あぁぁぁ・・・い・・・イング・・・・・・」









部屋には肉がこすれ合う音と、息遣いだけがしていた。
3週間の溝を埋めるような深く長い交わり・・・・。
二人は互いに互いを貪り続けたのだった。

















おまけ?











「・・・・はい」

ソファーで交わった後寝室へ移動しまたクォヴレーを抱いた。
手加減するといったのに結局することが出来ず抱きつぶして、
クォヴレーは今イングラムの胸に身体を預けてスヤスヤ眠っている。
そんなクォヴレーの頭を撫でながら電話に出るイングラム。
電話の主は昔馴染みの女性である。

「わかった・・・テストにはライかリュウセイを向かわせよう」

フワフワの銀糸を指に絡ませながら電話の向こう側の要求に頷く。

「いや、かまわない・・・。そういえば例の薬の効果はどうだった?」

イングラムはクォヴレーの護衛から例の薬を受け取った後、
実はひそかにその男の恋人にその薬を送っていたのだ。

「・・・ほぉ?・・・くくく・・・あいつが浮気もせず真面目に?
 では本物だったわけだ・・・・(まぁアイツは性欲がお盛んなわけではないようだが)」
「・・・・ん・・・う・・・」

電話の声が煩いのか、クォヴレーは眉間に皺を寄せイングラムの胸に耳を埋めた。

「ん?誰かいるのかって・・・?それを聞くのは野暮だろう・・・」
「んー・・・」

軽く頭を振りクォヴレーの口はへの字に曲がる。
眉間の皺は中央によるがイングラムがそっと撫でてやると、
安心したようにまた眠りに落ちていく。

「そろそろ切るぞ?・・・あぁ、分かっている。ライとリュウセイとアヤの3人を送る。
 ・・・・切るぞ?・・・俺の愛しい子が起きてしまう・・・あぁ・・・わかった。
  ではまたな・・・・あぁ・・・アイツに宜しく・・・・」


ピッと電源を切り、サイドテーブルに置くと包み込むようにクォヴレーを抱きしめる。
無防備に眠るその姿を満足そうに見つめながら、何故か顔は黒い微笑だ。

「(少しお仕置きするつもりが大分利いたようだな・・・。
 3週間触れないだけでこんなに甘えてくるとは予想外だ)」

今日のクォヴレーはいつになく甘えん坊で積極的だった。
何度も何度もイングラムを求めてきては、いつもは嫌がるフェラも積極にやっていた。

「(引いて駄目なら押してみろとはよく言うが・・・
 クォヴレーの場合は押して駄目なら引いてみろ、か・・・フフフ・・・。
 本当・・・お前は可愛いなクォヴレー・・・このまま閉じ込めてしまおうか?)」

閉じ込めたときの泣き叫ぶ顔もきっと可愛いだろう・・・と
イングラムは黒い微笑を止められない。

「(まぁ、今度だな・・・今度俺にオイタをしようとしたその時は・・・)」

腕の中のクォヴレーを優しく優しく抱きしめる。
そして耳元で優しく、残酷な言葉を意識のないクォヴレーに言うのだった。

「・・・今度は閉じ込めてしまうぞ・・・可愛いクォヴレー・・・フフ・・くくく」



有り難うございました。 黒いイングラム・・・・毎度黒いが今回は特に? さてさて、イングラムの電話のお相手&クォヴレーの護衛は一体誰でしょうか!? お分かりになった方おられます??? 正解者には・・・・何もなし!