何でそんなに大きいの??
 


〜たけくらべ 後編〜



「嫌なやつだな!!いつから起きていた!?」

無理やり座わらさせられたイングラムの膝の上で
唇を尖らせながら文句を言った。
だが当の本人はといえば悪びれた様子よ見せるでもなく
ただクスクス笑っているのであった。

「俺は何もかもがお前よりでかいそうだな・・?」

ふふん、という口調のイングラムに腹がたつクォヴレー。
そんな一目瞭然のことを改めて言わなくてもいいではないか!
と、言おうとした時、

「(・・・一目瞭然なのにオレは手や足の大きさを比べていたんだよな。
 そこを突っ込まれたらいいわけのしようがない・・・
 どうしたらいいんだ??)」

どうやって対抗したものか考えていた時、
腕を引っ張られ更に身体はイングラムと距離が近づいたのである。

「うわっ」
「・・・確かに、手の大きさ足の大きさ、腕の太さ足の太さ・・、
 何もかもが俺が上だな・・・そう・・アソコも・・・」
「・・・アソ・・コ・・・?あ!!」

『アソコ』とはどこだろう?と考えるまもなく
答えに行き着くクォヴレーであった。
なぜならイングラムが軽く身体を捻らせたら
その場所はクォヴレーの尻にグリグリ当るからである。
ボボッと一瞬で顔に火がつくと同時に、
セクハラめいた言葉をいうイングラムを罵り始めた。

「セクハラだ!!人の尻にそんなものを押し付けて!!」
「セクハラ・・・?」

口を斜めに歪めてクォヴレーの顔を覗き込んむ。
怒りと恥ずかしさの入り混じった表情はとても可愛らしく
今すぐにでも食べたい衝動に駆られるが、
クォヴレーはいつも『順序』を大事にするので、
いきなり襲い掛かっても『食べられた』としても
食後の経過が芳しくないものになってしまう。
そこで、ここはひとつ順序を踏むことにした。
クォヴレーの顔を覗き込んだまま、
顔を真っ赤になっている顔に近づけていく。
その距離、唇がくっつくかくっつかないか程度・・・。

「セクハラとは相手が嫌と感じて初めて成立する犯罪だ。
 俺とお前の間では一生成立しない犯罪だな」
「相変らず自意識過剰だな。
 恋人同士でも無理やり犯せばレイプだ!
 セクハラにも同様のことが言えるはずだ」
「つまり同意がなければセクハラ成立ということだな・・?」
「そうだ!」
「・・・・ならば俺とお前の間では余計に成立はしないようだ」
「そんなことな・・・!!」

その時クォヴレーの鼻にかかった甘ったるい声が縁側に響いた。
イングラムの唇がいつの間にか耳元まで移動してきていて、
耳たぶを舐め始めたからだ。

「・・・ん・・・っ」

二の腕を掴んだままイングラムは耳たぶを舐め続ける。
ワザとピチャピチャ・・と音を出して耳を攻め続ける。
やがて舐めていた舌が耳の穴までやってきて・・・

「・・・うっ・・・んんぅ・・っ」

背筋に快楽のゾクゾク感が駆け巡る。
鼓膜から直接聞こえてくる舐める音に
手足から段々と力は抜け落ち
イングラムに身を預けるように身体が前のめりになっていく。

「ほら、な・・・俺とお前の間では成立しないだろう?」
「・・・あっ・・耳・・もと・・で、しゃべるな・・・」
「俺が少し触れただけでもお前はメロメロになってしまうんだ。
 これでは『セクハラだ!』といくら叫んでも周りは信用しない
 ・・・・そうだろう?」
「・・しゃべるな・・ってば!!」
「・・・なぜ??ああ・・声だけで感じてしまうから?」
「あっ・・・く・・耳・・やだぁぁ・・・」

クォヴレーはイングラムの首に腕を巻きつけ首を絞め始めた。
耳を苛めないで、という意思表示なのだが、
すでに感じ始めている身体では
少しのダメージもイングラムに与えることは出来ない。
むしろ首を絞めようとした罰で余計テクニックをかけられて悪戯されてしまうのだ。

「首を絞めるのは犯罪だ・・」
「そう・・させているのは・・誰・・・あっ・・」

耳を舐めていた舌が首筋に移動してきた。
そして軽く啄ばむように首の薄皮を吸い上げていくのだった。

「ふ・・・うぅ・・・ん・・・」
「・・・クォヴレー」
「・・・・んんっ」
「さっきはどうして口付けをしてくれなかったんだ・・?」
「・・・さっき・・って?」

足をバタつかせて必死に『気持ちいい』と戦いながら、
会話を続けるクォヴレー。
だが足をバタつかせると
身体が捩れてイングラムの『アソコ』を刺激してしまうのか、
刺激したお仕置きのように首筋に軽く歯を立てられてしまうのだ。

「睫毛のたけくらべをしている時だ。
 あんなに顔と顔を近づけてきていたのにお前は何もしなかった」
「・・・・・っ」
「俺は今か今かと待ち続けていたのにな。
 お前は俺の希望とは裏腹に今度は手のたけくらべを始めてしまったんだ」
「・・・っ、・・最初から・・起きて・・たんだな・・!」

イングラムは首から唇を離し、改めてクォヴレーの顔を覗き込んだ。
後頭を固定し、腰に腕を巻き更に自分との距離を縮めながら、

「お前がいつ帰ってきたのかは正直、知らない。
 だが縁側に来たのは分かっている」
「・・・・」
「信じていない風だな?」

コクン、と小さく頷くクォヴレーに小さく肩を竦ませ、
小さなおでこに自分のおでこをコツンコさせて話を続けた。

「お前がこんなに近くに来たのに、気がつかない、ということはありえないだろう?」
「・・・・・・・」
「お前は既に俺の一部だからだ。傍に来れば40度の熱があっても目を覚ます」
「それは駄目だ・・・、熱がある時は大人しくしていなければ」

ただのモノの例えに本当に心配そうな表情になるクォヴレー。
おそらくイングラムが40度の熱にうなされている姿でも想像してしまったのだろう。
おそらくクォヴレーは自分が倒れれば寝ずの看病をしてくれるに違いない。
純真で、無垢で、綺麗な心の持ち主のクォヴレーに、
ますます愛しさがこみあげてくるイングラムなのであった。

「今のはモノの例えだ、俺は滅多に倒れたりしないから安心しろ」
「そんなのは分からない、イングラムは最近無理をしすぎだ。
 毎日のように帰りが遅いし・・・、ちゃんと休めているのか?」
「もちろん、休めている。ちゃんと栄養補給もしているし」
「・・・栄養補給?」
「・・・クォヴレー・・お前の精え・・ぶっ」

だが全てを言い終える前に、口が手の平でふさがれた。
手の持ち主は真っ赤な顔で怒りに満ちた目をしている。
頭には鬼の角でも見えそうな塩梅であるので、
イングラムは咽で低く笑ってしまった。

「何を笑っている!?今の発言はセクハラだ!」
「それは違うぞ」
「何が違う!?」
「今の発言はセクハラではない、俺の感謝の言葉だ。
 たんぱく質を補給するのは大事なことだからな」
「な!?他のもので補給しろ!!このセクハラ魔人!!」

セクハラ魔人から逃れる為、両手・両足を大きくバタつかせるが、
バタつかせればさせるほどイングラムとの距離が縮まっていく。

「セクハラ魔人、か・・・、お仕置きといいたいところだが、まぁいい。
 そろそろ言葉の前戯は終わりにして体の前戯に入ろうか?」
「・・・身体、の?」
「そう・・俺もお前も・・こんなだしな?」
「・・・うっ」

クォヴレーの腰を抱きながら軽く下半身を擦り付ける。
尻に当るソレは布越しでも分かるくらい熱くなっているようだ。
自分の高ぶりとイングラムの高ぶりが合わさるように
クォヴレーは自分の身体を少しだけ移動させた。

「・・・イング・・目、閉じて」
「ん?」

次第に閉じられていくクォヴレーの瞳。
クォヴレーの意図を察しイングラムをゆっくりと瞼を下ろした。
少しの間の後、チュッという音と共に唇がふれあい、
その後、数回軽いキスの挨拶が続けられたのであった。

「・・・んっ・・・クォヴレー・・・」
「・・・ん・・・??」
「そろそろ・・・深いキスをしようか?」
「んっ・・・うん・・」

イングラムの言葉にそろそろと赤い舌を出しイングラムの唇を舐め始める。
段々と口の中に進入させイングラムの舌を捜し求めていく。
そして見つけるとゆっくりと絡め始めるのであった。

「ん・・・んぅ・・・ん!?」
「・・・っ、・・・そのまま・・・続けろ・・」
「・・・ん」

キスをしながら下半身を擦りあっていた二人。
だがそろそろ直に擦りあいたくなったのだろう・・・、
イングラムはクォヴレーのズボンから性器を取り出し、
自分の性器も外の世界へと取り出した。


「・・・フフ・・・キノコ・・んっ・・の・・たけくらべ・・だ」
「!!・・・馬鹿・・!んっ・・んーーー」

性器の長さを『キノコのたけくらべ』と
なんとも親父臭いことを言ってくれたイングラムを罵ろうとしたが、
あっという間にキスの主導権が移動し言えなくされてしまった。
イングラムの口の中にいた舌は押し戻され、
今ではクォヴレーの口の中を好き勝手に彼の舌は蠢いているのである。

「んぅ・・・んぅ・・・んっ・・・ふ・・・あふ・・・」

激しいキスから開放される頃には、
下半身もいい具合に蕩け始めていて
全身から力が抜け落ちてしまっていた。
イングラムの首に顔を埋めひたすら下半身の快楽に酔いはじめる。
今だジンジンと痺れている舌はだらしなく外界に出ており、
時おり唾液がイングラムの首筋を伝う。

「っ・・・ほら・・クォヴレー」
「・・・・あっあっ・・!!」
「だんだん・・キノコ・・・が、
 硬く・・・大きくなってきた、ぞ・・?」
「言う、なぁ・・・!!」
「フフ・・・お前のも・・いい感じだ・・・、
 だが俺の方がやはり長いようだが・・・」
「!!!!た、体格の差だ!!・・あっ・・セク・・ハラ!!」
「見たままを・・・口、に・・するのは・・・セクハラ・・では・・ない」
「そういう・・問題じゃ・・・あっ・・・なに??」

イングラムの首に回していた腕を強引に解かれ、
性器のところに手を移動させられてしまった。
そそり立つ二本の性器はどちらの先からも先走ったものが溢れてきており、
性器をヌルヌルに光らせていた。

「・・・握るんだ、クォヴレー」
「・・・・ぁっ」

右手で二本の性器を握りこむ。
すると上からイングラムの手が覆いかぶさってきて上下に扱き始めた。

「あっ・・・あっ・・・」
「・・・っ・・・熱い、な・・・ああ・・また一緒に大きくなった」
「ふっ・・・う・・・言うな・・・」

手を動かすたびに濡れた音が耳に聞こえてくる。
その音を聞きたくなくて手の動きを止めようとするが、
イングラムの手に覆われているので止めることが出来ない。

「イ・・・イングラ・・・」
「最初は・・・このまま・・・相互しながら・・・気持ちよくなろうな・・?」
「・・・ん・・・うん・・・・・・もう・・」
「まだだ・・・もっともっと・・・このまま『たけくらべ』をするんだ」
「・・・、っそん・・な・・・やっ・・・」

既に限界が近いというのに、まだこのままと言い張るイングラム。
このまま一人で射精しようものなら『お仕置き』されるに違いない。
そう思ったクォヴレーは空いている左手をそっとイングラムの性器に宛がう。

「・・・っ、くっ」

すると、切なげに寄せられるイングラムの眉。
それもそのはず一番敏感な先端の部分をグリグリ刺激されたからだ。

「クォ・・・く・・・うっ・・・」
「イング・・・イン・・・あぁぁ!!」

だが、イングラムがやられて黙っているはずもない。
イングラムもまた空いている手でクォヴレーの先端をグリグリ刺激し始めたのである。
親指で上手に割れ目を刺激し、小さな穴に人差し指の爪を差し込む。

「あぁぁーーー!!」

クォヴレーは耐え切れない刺激に背を撓らせながらも、
必死にイングラムの真似をし、先端に爪を差し込んだ。

「くっ・・・」
「あっ・・・あぁ・・・」
「クォヴレー・・・」
「イく・・・イ・・・こ・・?・・あぁ・・っ・・あっ」
「・・・お前だって・・・く・・・俺に・・・勝てる・・ものが、あるんだぞ・・?」
「あ・・・うっ・・・なに??」

『勝てる』とはなんだろう?
熱に潤んだ目でイングラムを見る。

「大きさで・・勝てるんだ・・・うっ・・・俺に・・・」
「なに、で・・・か・・・て・・ひぁ!!」

クォヴレーの目に優しく唇を寄せる。
突然のことなので思わず変な声が出てしまった
クォヴレーに対し目を細めて笑い、
そして白目部分を舐め涙をすくった。

「俺を・・・まっすぐにみつめる・・・目の・・大きさ・・だ」
「・・・あ!・・それは・・・オレが・・まだ・・・こ、ども・・」
「俺は・・お前ほど・・・心が・・純粋では・・ない・・・、
 純粋の大きさでは・・・う・・・お前が・・・上・・」
「それも・・・こど・・も・・だか・・ら・・だ!!」
「・・あとは・・・先走り・・の量とか・・・感じやすさ・・とか、な・・。
 探せばいくらでも・・ある・・・ぞ?・・・・っ・・・」
「ばか・・・っ・・・ばかーー!!」
「ああ・・・『たけくらべ』も・・・大詰めだ・・・、気持ちよく・・なろうか?」
「なる・・・なる!!・・・はやく!!・・・んぅ・・」
「結果は・・・見ないのか・・・?」
「いい!!・・・いいから・・・はやく・・・!」
「せっかちだな・・・では一緒に最後の・・・刺激だ・・・いいな?」
「うん・・・んっ」
「・・・・っ」

イングラムが先端に最期の刺激を与える。
同じようにイングラムの性器に最期の刺激を与えると、
同時に身体が数度痙攣を起し、手の平に温かい感触が広がっていくのであった。









息が整い始め冷静さを取り戻すとクォヴレーは青くなってしまう。
よもやこんな場所で盛ってしまうとは。
だが着々とイングラムによって衣服は脱がされ次のステップへ進もうとしているで、

「待て!!こ、ここでヤるのか???」

と、慌てて止めに入る。

「そのつもりだが?悪いが俺はすでにこんな状態だから立てない」
「!!い、今出したばかりじゃないか!?」
「・・・人のことは言えないだろう?お前だって・・」
「・・・あっ・・・」

そうクォヴレーの性器も再び熱く猛り始めている。
イングラムに握られソレは更に熱を増していった。

「こんな状態ではお前をベッドに運べない・・・歩けないからな」
「だから・・・って・・・!!誰かに・・見・・・」
「塀が高いから平気だろ?・・・声は聞こえる可能性大だが」
「!!!そんな!!」
「だが大丈夫だ」
「何がだ!!ぜんぜん大丈夫くないぞ!!」
「・・・お前の中に入ったら歩ける」

これ以上ないというほどのニッコリ顔で言い切るイングラムに
言葉もないクォヴレーであったが、負けじと言い返した。

「そんなわけないだろ!!」
「自信はある。お前が俺を気持ちよく絞ってくれれば、
 繋がったままお前をベッドに運んでやる」
「セクハラーーー!!無理に決まっている!」
「何事もチャレンジだ・・・ではヤろうか?」
「まっ・・あっ・・・指・・・入れる・・なぁ!!」






この後いろいろな場所を『たけくらべ』したそうです。


ありがとうでした! もはや『たけくらべ』は関係ないですな!! インヴレ部屋へもどる