旅行
 

*ぱられる*


『このまま・・・ここでもっと気持ちのいいコトをしようか?』







〜少佐は一人部屋2〜










「大丈夫か?」


ヒタッ・・、と冷たいタオルが額に当てられたが、
クォヴレーは潤んだ目で睨むのが精一杯で、
言葉を返すことは出来なかった。
内輪を扇いでそよ風を送り、
口移しで水分を補給してくれるイングラムは優しいとは思う。
・・・思うが、こんな状態にしたのは、
他ならぬ、彼であるので感謝しようとは思わないクォヴレーである。

「・・・のぼせるほど激しくした覚えはないんだがな・・」

苦笑しつつ、内輪を扇ぎ続けるイングラムに、
クォヴレーは再び睨むことしか出来なかった。

























・・・・これは少し前の出来事である。




「・・・っ・・・ん・・・」


トイレの便座の上で唇を合わせ続ける二人。
愛し合っている恋人同士が、
浴衣という裸に近い姿で深い口付けを交わしていれば、
とうぜん「そう」なるわけで・・・・。

後頭をガッシリと大きな手に固定されて、
キスに翻弄されているクォヴレーであったが、
先ほどから椅子にしているイングラムのある部分が気になって仕様がなかった。
身を捩り、なんとか使用とするが、
腰をモゾモゾさせればさせるほどイングラムのソレは形を成していく。

「んん・・・・ふぁ・・・ぁ、・・イングっ!!」

やっと唇が開放され咎めるように怒鳴るが、
肝心のイングラムは意地のわるそうな笑顔を返してくるのみ。

「生理現象だ、仕方なかろう?・・・現にお前だって・・・」
「!!!」

イングラムの手がいやらしく太ももを撫でたかと思えば、
そのまま下着の中へ手を忍ばせ、反応している性器をギュッと掴んだ。
そしてそのままゆっくりした動作で上下に扱き始める。

「あっ・・、あっ」

広い両の肩に手を置き、クォヴレーは背を仰け反らせた。

「や、やめっ・・やめろ!!」

必死で叫ぶが、イングラムはクスリと笑うだけであった。
なぜならイングラムの肩に手を置いているクォヴレーは、
愛撫の動きにあわせるように身体を上下に揺らしているからだ。

「・・・口と、態度が違うぞ・・?」
「あっあっ・・・!」

頭を左右に振って必死に違うと叫ぶが、
言葉とは裏腹に性器は益々悦びを感じていってしまう。
終いにはヌチャヌチャと、濡れた音が狭い室内に響いていた。

「イングラム・・・、オ、オレ、・・・も・・・ぅ」
「まだ早いだろう?」
「!!!!っ、・・や、ぁっ」

細く白い首にイングラムが噛み付いてきた。
そしてかんだ場所をネットリと舌を這わせ、吸い上げた。

「ひ、・・・ぃ・・・ぁぁっ」
「・・・クォヴレー・・、浴衣を帯を解け」

イングラムの命令にクォヴレーは首を振る、が、
性器を愛撫する手に力がこめられていくのを感じると、
以前された恐怖を尾も追い出し、
震える手で自らの浴衣の帯を解くのだった。
ハラリとほどけ姿を現した白い肢体。
ピンクの色をした乳首が吸ってほしいといわんばかりに、
勃ち上がっていた。

「・・・いい子だ。次は自分の乳首を自分で可愛がるんだ。
 俺はお前の身体を支えるのと、
 ココを可愛がってやるので両手が塞がっているからな」
「・・・やぁ・・!!」

そんなことは出来ないと口で抵抗するが、
イングラムの指が小さな輪を作るのを目にしてしまうと、
ブルリと身体が震えたった。
あの輪で根を縛められ、
感じきっている性器の先をグリグリ苛められるのは、
快楽を通り越して苦痛でしかないことを身をもって体験している。
恥ずかしいが、ココは言うとおりにするのが賢明な判断というもの。
クォヴレーは唇を噛みしめ、ソロソロと自分の手で自分の乳首を可愛がり始めた。

「!!あーー!」


勃ちあがった乳首を摘んだ瞬間、
体中に電流が走ったように痺れた。
イングラムが触っている性器の先から先走りがトロトロ流れ出していく。

「・・・気持いいのか?」
「・・・・ぅ・・うぅ・・・」
「クォヴレー、気持ちがいいときは素直にそう言え」
「・・・・う・・・」

感じたまま素直に言葉に表せ、
ソレは初めてのときからずっと言われ続けてきた言葉だ。
意地をはって拒み続ければ、
これまたよくないことが起こることをクォヴレーは知っている。

「いい・・・ち、乳首・・痺れ・・・る・・・」
「フフフ・・・淫乱だな?
 クォヴレーは乳首を苛められるのが大好きなんだな?」
「・・・うん・・・好き・・・」
「いい子だ。
 素直ないい子にはご褒美を上げよう。
 少し腰を浮かせて身体をもっと俺に密着させるんだ」
「・・・・ん」

言われたとおりに腰を少し浮かせ、更に彼に身体を寄せた。
するととんでもない快感が全身を駆け巡っていった。

「や、・・あぁぁぁっ!」

腰を上げると、丁度イングラムの口元に乳首があったらしい。
プクンと腫れ上がる乳首をイングラムは甘噛みし、
更には舌でこね回し始めた。

「ひぃあ!!・・・あっ・・・」
「ん?・・・気持いいのか?」
「・・・・!!!!」

ブルブル震えだすクォヴレーの身体。
乳首を含まれながら喋られると、
唇の僅かな震動が強烈な快楽となって返ってくる。

「・・・今度は反対側だ」
「・・・ひ、ぃ・・・んっ、んーー」

クォヴレーはあまりの気持ちよさにイングラムの頭を両腕で抱きこんだ。
腰を揺らしイングラムの身体に性器を擦り付けて高みを目指していく。
そんなクォヴレーの後の蕾にイングラムはそっと触れてみる。
そこはクォヴレーの先走りの液が滴り落ちているのか、
程よく濡れており、これならいつものように舐めて濡らす必要はなさうだ。

「(舐める時の羞恥に歪んだ顔も好きなんだが・・・まぁ、いい)」

乳首を嘗め回しながらクォヴレーに感づかれないよう不適に微笑む。
チョンチョンと何度か指で蕾をつつき、ゆっくり指を挿入していく。

「!・・・あっ、あっ・・」

慎重に中を解し、指を一度抜いて今度は2本入れた。
すでにココを使った交渉に慣れつつある体はすんなりと2本目も受け入れていく。
三本目を入れる頃には、クォヴレーはグズグズに溶けてしまっていた。

「・・・っ、俺もそろそろ限界だ。
 クォヴレー・・・、挿れるぞ・・・?」
「・・・え?・・・待っ・・・!!」

挿れる、とはまさかこの座った状態のままだろうか?
クォヴレーはこれまで正常位とバックしか経験がなかった。
慌てて止めにかかるが、
すでに愛撫で溶けきっている体は言うことをきいてくれない。
浴衣を帯を解くとイングラムは何と下着を着けていなかった。
浴衣の下から現れた欲望は、布越しに感じていたように熱く猛っている。

「(・・ノーパン・・・?
 だから妙に生々しく感じたのか?・・・って、それどころではない)
 イングラム!!ちょっと待ってくれ・・・あっ・・・んんんっ」
「待てない・・・大丈夫だ」

クォヴレーの尻を掴み、
入り口に怒張をあてがうと腰を動かして先だけを入れたり出したりさせた。

「イ、イングラム・・・、そ、それ・・嫌だ・・。
 ヤルなら・・・一気に・・・・・」
「ん?」

怒張が出たり入ったりするのも気持いいが、
クォヴレーはソレで中を擦って掻きまわしてもらう方が好きなのだ。
この男だってソレは知っているはずなのに、
毎回わざとそうやってクォヴレーに淫らなおねだりをさせようと仕向けてくる。

「一気に、何だ?」
「・・・っ・・・一気・・・に、・・・ぁ・・・だから・・」
「・・・・ん?」

この大きさと硬さだ。
イングラムだって辛いだろうに相変らず意地悪な態度はかわらない。
今回も折れるしかないのだ、とクォヴレーは思い知り、

「一気に・・・、突き刺してくれ!!」

と、強請った。
するとイングラムは、フッと微笑を浮かべクォヴレーを包み込むように抱きしめると、
腰を落すよう促していくのだった。

「・・・おいで、ゆっくりやれば出来る・・・」
「イングラ・・・っ・・・あ・・・アッ・・・」

即されるまま腰を落としていくと、
濡れた音とともにイングラムの熱いモノが中を侵略していくのが、
いつもよりリアルに感じられ、クォヴレーは無意識に孔を絞め付けてしまう。

「・・・っ・・・小悪魔が・・、そんなに・・絞めるな」
「アッ・・・無理・・・ソコが勝手に・・・」
「クォヴレー・・・・」

全てを飲み込むと、一呼吸置いてイングラムが腰を使い始めた。
便座の上だというのになかなかどうして、
イングラムはいつものように巧みにクォヴレーのイイ場所を擦り上げ、
強弱をつけて翻弄させていく。

「あ・・・あぁぁぁっ・・・イングラム」
「クォヴレー・・・、っ・・・クォヴレー」

首筋を吸い上げ、張り詰めている乳首を舌で転がしながら、
孔を蹂躙していく。
しだいに互いを貪ることだけしか考えられなくなり、
狭い個室は忙しない吐息と、濡れた音だけが続いていた。

「イングラム・・・も、・・・ダメッ、だ・・」
「・・・・っ、俺も・・だ・・・クォヴレー・・、クォヴレー・・」


二人は同じ気持ちのまま、トイレという場所で絶頂を向かえたのだった。



・・・・・そう、ココまではまぁ「良かった」のだ。
問題はここからであった。




相変らずにこやかに内輪で扇いでくれているイングラム。
グッタリして何も言い返せないのをいい事に、
信じられないことを口走り始めたのだった。

「・・・・屋内ではあったがベッド以外のプレイもやったし、
 今度こそ一緒に風呂だな。
 ・・・風呂は、イロイロあるし、イロイロ楽しめそうだ」

フフフ・・・と、微笑む彼にクォヴレーの顔は青くなる。

「(イロイロってなんだ???何をするつもりなんだ??)」

と、叫びたいが喘ぎすぎた咽はヒュウと空気を切るだけである。

「・・・ああ、だがウォシュレットもやらせたいし、
 トイレプレイもまたやらなければな・・・」
「(冗談じゃない!!)」
「・・・本当に、どうしてここのトイレはウォシュレットではないんだ?
 まぁ、そのかわり他のことが出来たからいいがな・・・」




そうなのだ。
あのあと、クォヴレーはトイレの中で散々イングラムに抱かれたのだ。
座りながら2回、壁に手をついて立ちながら2回。
・・・そこまでは良かった。
その回数ならばベッドでも同じだからだ。
否、寧ろ少ないだろう。
けれど問題はその後である。
後始末の時にイングラムは変態的なことをしてきたのだ。


『・・・4回も出すと流石に溢れてくるな。
 ウォシュレットで中を洗うか・・・・、
 ん?ここにはついていないのか・・・・困ったな・・・』
『・・・シャワーを貸してくれればそこで始末する』

クォヴレーはそう提案したのだが、
折角トイレでプレイしたのだから、
とイングラムはとんでもないことを思いついてくれた。

『トイレットペーパーを棒状にして、挿入して掻き出すか。
 ペーパーは流せばいいしな、名案だ』

それは死刑判決並みに恐怖の判決だった。
ニヤリ、と笑うイングラムは嫌がるクォヴレーを押さえつけ、
便器に手をつかせて腰を上げさせた。
そしてトイレットペーパーを棒状にし、
孔に挿入したのだった。
道具を使ったプレイをしたことのないクォヴレーにとって、
それはまさにお道具プレイのデビューのようなものである。
イングラムはペーパーを中まで押し込むと、
ゆっくりと引き抜いていく・・・・。
するとペーパーはドロドロにふやけ、
中に注ぎ込まれていた精液を掻き出してくれたのである。

『ふむ・・・、具合はいいみたいだな。
 よし、後数回続けるぞ』

もちろん冗談ではない、とクォヴレーは逃げ出そうとするが、
喘ぎすぎて声は出ないし、
身体は突かれきっているしで、
なくなくトイレットペーパー棒で中を掃除されてしまうのであった。






相変らず心地よいそよ風が頬に当っている。
けれどクォヴレーの心はそよ風のように穏やかでは決してないのは事実だ。

「(イングラムのことは好きだ。
 好きだけど・・・・エッチの時の鬼畜は嫌いだーーー)」


・・・という言葉は口がせけても言えないのもまた事実。




・・・・・お仕置きが怖いから。




有り難うございました。 もう『少佐は一人部屋』という題は関係なくなっている(笑)