〜逆転のラヴァー〜
肌に心地よいそよ風。
日向ぼっこをしているアインを見つけると
俺は頬を少しだけ綻ばせその横に立った。
「・・・キャリコか?」
目を閉じているというのに、
アインは『俺』を言い当てる。
そのことに喜びを感じ、俺は更に頬を綻ばせた。
アインが背を預けている壁に背中を預け、
その横に腰を落ち着ける。
「アイン、よくわかったな」
念導力のないお前が、
何故俺だとわかるのか?
その時、アインの目がゆっくりと開かれた。
口元に微笑を浮かべ、
真っ直ぐに俺を見つめる瞳に・・・
俺は・・・・
「気配でわかる・・・。優しい気配で」
「優しい気配?」
アインの顔を覗き込むように首を傾げる。
「キャリコはいつも身体で『オレを好き』だと語ってくれているんだ」
「身体で?」
「そうだ。キャリコが近づいてくると、オレをまとう空気が優しいものに変る。
空気が・・・キャリコの匂いになる」
自分で言った言葉に照れたのか、
アインは俺から顔を背ける。
だがアインよ・・・・
耳が真っ赤だ・・・・。
「・・・お前が俺の傍に来るときもお前の香りがする」
「本当か?キャリコ」
「ああ・・・特に・・・・」
「うわっ」
横に座っているアインの腰を強引に引き寄せ抱きしめた。
鼻を首筋に埋、わざと大げさに空気を吸い込んだ。
「あぁ・・・アインの匂いだ」
「・・・・・・っ」
俺は鼻の先を首筋に優しく擦りつけながら香りを楽しんだ。
くすぐったいのか、それとも恥ずかしいのか、
アインは小さく身を捩り俺から逃れようとしている。
「キャリコ・・・っ」
「アイン、香りが強くなった・・・・」
「っ・・・・!!」
「・・・いやらしい気分になってきたのか?」
「ちがっ!!」
アインはこれ以上からかわれるのがイヤなのか、本気で暴れ始めた。
だが俺は逃がさない。
逃がす気はない。
・・・・逃がさない為に、
そっと・・・・・
白いうなじに
口付けた・・・・・。
「あっ・・・・」
ブルリとアインの身体が反り返る。
敏感で感じやすいアインは少しの愛撫にも過敏な反応を返してくれる。
本当に可愛いやつだ、と心の中で含み笑いを浮かべる。
首からアインの顔へと視線を移すと、
熱に潤んだ目が物欲しげに俺を見下ろしてきている。
「キャリコ・・・・」
白く細くしなやかなアインの腕。
その腕が俺の首に巻きつき、
幼い顔立ちが俺の顔に近づいてくる。
小さく赤い舌を遠慮がちに差し出しながら近づいてくるアインの顔。
やがて唇と唇が触れ合った。
「んっ・・・んっ・・・ふぅ・・・」
キスをかわしながらアインは徐々に俺の足の上に身体を乗り上げてくる。
「ふぁ・・・・んっ・・・」
唇へのキスが終わると、今度は首筋にキスを仕掛けてくるアイン。
あぁ・・・今回はいつになく積極的だな・・・・。
俺の服のボタンを一つ一つ丁寧に外し、胸の飾りを軽く吸い上げてくれた。
正直、ソコはあまり感じないのだが、
アインが触れているという事実が俺のソコを感じる場所にしている。
わざとなのか、アインは俺の脚の間に片足を入れ、
その部分を刺激してくる。
もちろん俺の身体に当っている『アイン自身』も大きくなってはいるが・・・
「アイン・・・あまり焦らさないでくれ」
と切なげに眉を寄せ、アインにお願いをする。
アインはコクン照れた顔で頷くとベルトを外しファスナーを下ろしていく。
目的のものを取り出し何かを確かめるように鼻を近づけるアイン。
「アイ、ン・・・・?」
「フフ・・・キャリコの匂いだ・・・すごく匂う」
「!!アイン!」
「フフフフ・・・オレ、この匂い好き・・・
気持ちよくて真っ白になっている時に嗅ぐ大好きな匂い」
「・・・・!くっ」
流石はオリジナルが同じなだけはある。
俺も相当な言葉をアレのときに言っているが、
アインもなかなか、だ。
なぜなら今の言葉で更に熱くなったからだ・・・俺の・・・アレ。
「キャリコ???」
「・・・なんでもない・・・アイン、悪いがそろそろ限界みたいだ」
「え?」
「・・・・イマ○チ○・・・してもいいか?」
「・・・・!」
アインの顔が真っ赤に染まった。
ソレと同時に何かを考え込むように俺から身体を離していく。
・・・・わかっている。
お前がこの行為をあまり好きではないことくらい。
だが・・・こう興奮していてはどうしても残虐な心を抑えられない。
お前の口の中を思う様貪り、
お前の幼くて可愛らしい顔を俺の欲望で汚したい。
俺は立ち上がると、返事をしないアインの前髪を掴んだ。
「あっ・・・待てくれ!」
「・・・・口を開けろ・・・そんなに激しくはしない」
「・・・だが・・だが・・・!」
「アイン!」
口ごもり、なかなか口を開かないアインの名を大声でよぶ。
俺は知っている。
知っているんだ。
アインは何よりも俺に嫌われることを恐れている。
だから俺が少しでも怒ったフリをすれば
直ぐに従順になることも俺は知っている。
・・・俺は卑怯だ。
・・・・そんなことは分かっている。
「口をあけろ・・・」
「・・・・・・・っ」
「アイン?」
「・・・・・かった」
目に悲しみを浮かべ小さく口開くアイン。
そして性器を咥える直前にか細い声で言ってきた。
「・・・お願いだ・・・嫌わないで・・・キャリ・・・んぐ」
「・・・アイン・・・馬鹿、・・・だな・・・」
「んっ・・・ん、ふ・・・」
始めはゆっくりと腰を動かす。
最初から飛ばすのは流石に気が引けるし、
なによりアインの口の中をゆっくりと味わいたいからな。
「アイン・・・手は・・後に組んでおけ」
「・・・んっ」
従順に手を後に組むアイン。
膝立ちになり見下ろす俺を見上げてくる。
「俺の匂い・・・匂うか?」
「んっ」
「口の中いっぱいに匂うんだな?アイン」
「・・・んっ・・んぅ」
「・・・うれしいか?」
アインの目が細まっていく。
その嬉しそうな顔が何よりの返事。
俺の性器が卑猥な音を立てアインの口の中を滑っては大きさを増していった。
だんだんスピードが上がっていく。
前髪を掴む力がどんどん増していく。
何度も何度も咽の奥まで欲望を擦りつけ俺はその瞬間を迎えた。
「・・・っ、あっ」
白濁したものが高潮した頬に飛び散り細い首筋に伝っていく。
だが俺はなおもアインの顔に己が欲望を降り注いでいく。
そして全てを出し終えると、前髪を浮かんで上を向かせた。
精液まみれの顔が欲情に再び火をともしていく。
「・・・嬉しいか?アイン」
「・・・・んっ・・・嬉し・・・キャリコの匂い・・・沢山・・・」
「では今度は身体の奥の奥まで注ぎ込んでやろう・・・」
「・・・・うん」
俺はアインを抱き上げ、ベッドへ連れて行った。
そして欲望のままアインを抱いて・・・抱きて・・・抱きまくった。
だがアインは何も言わない。
アインは俺しか見えていないからだ。
アインの世界の全ては『俺』だ。
そう、『銀髪のアイン』は昔よりももっと従順な俺の人形になったのだ。
もうアインと俺の仲を邪魔するものは何もない。
なぜなら鉄格子の嵌った窓。
何もない部屋。
窓から小さく差し込んでくる日の光と俺の訪問。
今のアインの楽しみはこの二つしかないのだから・・・・。
二度と離しはしない・・・・・。
有り難うございました。
うわっ!暗い!!と思われたことでしょうね???
すみません!!なんだかキャリコの「闇」を書きたくて・・・。
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